民間企業
覚悟を決めて挑み、掴んだ夢。
新たなゲームの感動を伝えたい。
内定先についてお聞かせください。
株式会社カプコンから内定をいただきました。
カプコンは「ストリートファイター」や「バイオハザード」をはじめ、多数のヒット作を世に送り出し、ゲーム業界を牽引してきた企業です。ゲームというエンターテインメントを通じて、人々に「笑顔」や「感動」を与える「感性開発企業」を基本理念とし、1983年の創業以来、世界有数のソフト開発力を強みに、多くの感動を生み出してきました。また、カプコンのゲームコンテンツは世界中で多彩なメディア展開をしているため、経営が非常に安定しており、今後も継続的な成長が見込めます。日本ではまだ浸透していないeスポーツ(esports:「エレクトロニック・スポーツ」の略。コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦)分野もカプコンが先陣を切って開拓しているので、この分野の成長も楽しみです。
入社後は、カプコンが展開しているアミューズメント施設「プラサカプコン」の店舗運営職に就く予定です。店舗ごとにさまざまなイベントを開催しているので、eスポーツに関するイベントも企画し、新たなゲームの感動を人々に伝えていきたいと思っています。
ゲーム業界に興味を持たれたきっかけは何ですか?
私は昔からゲームで遊ぶのが大好きだったので、「将来はゲームに関わる仕事に就きたい」と、小学生の頃からずっと考えていました。サッカーも好きでよくしていましたが、みんなで遊ぶ時に一番盛り上がったのは、サッカーよりもゲームでしたね。なかでもカプコンのゲームは、本当に熱中して遊んでいたのを覚えています。あの頃感じていたゲームに対する熱い気持ちやワクワクする気持ちは、今でも変わらず私の心の中にあります。これから先も仕事としてずっとゲームに関わっていけるので、その熱量はむしろ増しているかもしれません。
大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?
1年生で「会計学基礎」を、2年生で「会計学」を受講し、簿記3級レベルの基礎知識を得ることができました。高校生の頃から数学が好きだったので、会計学の学修はとてもおもしろかったです。「情報リテラシー」も受講していたので、社会人にとって必須の簿記やパソコンのスキルを早い段階で修得できたのは本当に良かったと思っています。資格も取得しておきたいと考え、現在、日商簿記3級の資格試験合格へ向けた勉強に励んでいます。これまで積み上げてきた基礎のおかげで、スムーズに勉強を進められていると感じています。
2年生からは「経営管理論」や「経営戦略論」、「経営情報論」など、経営学に関する専門的な学修に取り組みました。なかでも印象に残っているのが「経営組織論」です。この授業では、組織経営にとって最も重要な「人の行動」に関する理論を学ぶことができました。たとえば、「モチベーションとは何なのか?」「どのような要因で動機づけられるのか?」といった内容を、さまざまな理論を用いることで理解できました。他にもキャリア形成やリーダーシップに関する研究や理論を学修し、人材を活かす体制を整えられるかどうかが企業経営の肝であると実感しました。経営学は学びを深めるたびに新たな知識や概念、理論に出合える学問ですが、実社会でどのように活用されているのかも実践的に学ぶことができたので、将来にわたって役立つ武器を手に入れられたと感じています。
大学生活で印象に残っていることはありますか?
ゼミでの研究内容を学生研究発表大会でプレゼンしたことが印象に残っています。研究テーマはバイクメーカーである「ホンダとカワサキの経営比較」です。私自身がバイクに乗っていたことから、とても楽しみながら研究に取り組めました。チームメンバーと議論を深めていく過程では、多様な意見や分析結果が飛び交い、いつも刺激的な時間を過ごしていました。しかし、議論が盛り上がりすぎて情報量が多くなり、発表資料を作成する際はとても苦労しましたね。1シートの中に情報を詰め込みすぎると相手に要点が伝わりづらくなるため、膨大な情報を端的にまとめ直す必要があります。しかし、1シートの情報を単純に減らして枚数を多くすればいいというわけでもありません。メンバー間で何度も推敲を重ねた結果、ちょうどいいバランスで、全員が納得のいく資料が完成し、プレゼン自体は非常にスムーズに終わりました。大勢の人の前で発表するのはこれが初めてでしたが、とてもいい経験になったと思っています。
また、もう少し別の角度から経営比較に取り組みたいと考え、卒業論文ではネットスーパーの売上比較に取り組んでいます。コロナ禍でEC(自社の商品やサービスをウェブサイトで販売すること)需要が大幅に伸びたことで、ネットスーパーの売上もアップしていますが、経営戦略の異なる2社を選定して分析を進めています。成長著しいEC分野に、経営学がどのように関係・寄与しているのかを解き明かせればと考えています。
就職活動に向けて、どのような準備をされたのですか?
3年生の9月頃までは、志望業界や職種を明確に絞り込めておらず、悩んでいました。ゲーム業界を志したい気持ちはもちろんありましたが、とても倍率が高いため「自分には無理だろう」と半ば諦めのような気持ちがあったのです。進路が決まらず、焦りや不安が心の中に渦巻き、悶々とした気持ちで日々を過ごしていました。
そんな私を救ってくれたのは、やはりゲームでした。昔から気分転換によくゲームをしていたのですが、悶々とした気持ちを落ち着かせるためにも、ゲームをしていました。ゲームをしていると不思議と自分自身を客観視できるようになり、「やはり自分にはゲームしかない。倍率を理由にしていたけど、自分に足りなかったのは挑戦する覚悟だけだ」と気がつきました。
就職活動に向けた準備としては、「ビジネスキャリア研究」と「ビジネスキャリア実践」で、自己PRや志望動機の書き方、オンライン形式と対面形式の面接の練習など、あらゆる対策をしっかりできていたので、あとは実践するのみという状態でした。
カプコンの選考には、どのように臨まれましたか?
書類選考を通過した後は、いくつかの質問に回答する様子をスマートフォン上のアプリで録画する録画形式の面接がありました。その後の面接はすべてオンラインでの実施でした。一次面接は人事の方と1対1の形式だったので、始まる前はこれまでにないほど緊張していましたが、担当の方がリラックスした空気を作り出してくださったので、話を続けるうちにどんどん緊張がほぐれていきました。終わってみれば、自分の思いをすべて伝え切ることができ、手応えも十分でした。
しかし、二次面接は打って変わって厳しい面接でした。終始緊張感があり、質問にうまく答えられず焦る場面も多かったです。「これはダメかもしれない」と思っていましたが、何とか突破できたのは準備してきた成果を発揮できていたからかもしれません。
そして、いよいよ最終面接です。大企業の最終面接らしく、二次面接とはまた違った緊張感が漂っていました。面接の冒頭で自己紹介や志望動機を話している時は、自分でも空回っていることがわかり、相手にも言いたいことが伝わっていないと感じました。そんな時、「最終面接で緊張しているよね?0〜10でいうと緊張のレベルはいくつ?」と面接官の方に聞かれ、「10です!」と答えましたが、そのやり取りから緊張がほぐれ、自分の思いを素直に話せるようになりました。面接終了直後は「ダメだろう」と感じていたので、電話口で「内定です」という言葉を聞いた瞬間は飛び上がるほど嬉しかったです。その喜びは今でも忘れられません。
私にとってカプコンは高すぎる壁だと思っていましたが、覚悟を決めて挑戦してみて本当に良かったです。
今後の抱負についてお聞かせください。
店舗運営職なので、まずは店舗の売上をあげることに注力したいです。目標は全国にある店舗の中で売上一位になることです。そのために、さまざまなイベントや売上につながる企画を考え、効率的な店舗経営を実践していきたいと思っています。eスポーツを広めることも目標のひとつなので、eゲームに関するイベントやブースも展開したいですね。最終的には本部へ移り、大学で学んだ経営学を活かして全体をマネジメントするポジションに就きたいと思っています。
※掲載内容は取材当時のものです。