民間企業

数年前の自分のように、
「海外で学びたい!」という学生をサポートしています。

Y.E.S. ESL International Inc. (Merced College Office 留学課)勤務齋藤 隼飛 さんSaitou Hayato経済学部卒(2013年9月) / 大阪府 大阪情報コンピュータ高等専修学校 出身

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現在、どのようなお仕事をされていますか?

アメリカ・カリフォルニア州のマセッドカレッジ内にある語学学校MCELIを運営するY.E.S.という総合留学事業の会社で働いています。主な業務は、語学学校の運営管理や留学生のサポート、ホームステイの管理などです。
MCELIには、毎年秋に経法大からも留学生が訪れ、英語を学んでいます。MCELI(語学学校)に通う生徒たちは、カレッジ入学資格であるTOEFL450点を目標に英語を学んでおり、彼らの「アメリカで本気で学びたい」という希望を叶えるべく手助けしていくのが、私たちの仕事です。
そして、それと同じくらい重要なのが、ホストファミリーとのコミュニケーション。生徒・ホストファミリー双方の生活に関わることなので、デリケートな問題も多く、何かあればいつでも対応できるよう備えています。
また、Y.E.S.本社が仲介を行う、政府や日米の様々な大学が関わる事業や、Y.E.S.グループのスポーツ事業部門であるSDSA(San Diego Sports Authority)が主催するプロ野球球団・メジャー球団向けのトライアウトなど、大きなプロジェクトのサポートも行っています。

お仕事の魅力や、やりがいについてお聞かせ下さい。

さまざまな国籍の人たちと出会い、コミュニケーションをとっていく中で、多種多様な価値観や考え方に触れることができるのは、この仕事ならではの醍醐味だと思いますね。
また、もともと大学で教職を目指していましたから、教育事業に携われているということも充実感につながっています。教師という立場ではありませんが、「教育」についてはいつも考えさせられますね。見知らぬ土地へ来て学んでいる生徒たちにはいろいろな面でサポートは必要なのですが、無闇に甘やかすことは生徒の為になりませんから、その生徒の「自力」を信じて敢えて突き放し、少し離れて見守ることもあります。彼らが確かに成長し、再び自分の前に現れた時は、何にも増して嬉しいですね。時には、生徒から学ぶこともあります。最近では、経法大からの留学生の「アメリカに『仲良しこよし』をしに来たわけじゃないので」という言葉には、刺激を受けました。

今はとにかく、目の前のプロジェクトひとつひとつを着実に成し遂げていくことが自らのミッションですね。上手く進んでいけばプロジェクトは派生的に広がっていきますし、次々と任されていくことは自分にとっても大きな喜びですから。少しずつできることを増やし、日々起こる不測の事態にも落ち着いて対処しながら、プロジェクトごとに新たなアイデアを模索し挑戦する、そんな取り組み方を続けていければと思います。

学生時代について、お聞かせ下さい。
在学中は何を学び、どのように過ごしていましたか?

高校生の頃にベトナム人の友人ができ、夏休みにホームステイをさせてもらっていたこともあって、「大学に進んだらぜひ留学したい」という思いはありましたが、入学時の語学レベルはまだ基礎にも満たない状況でしたから、1年生からとにかく英語をしっかり学びたいと考えていました。
1年次の英語の授業はレベルによってクラス分けがされており、無理なく勉強を始めることができたのでとても助かりましたね。2年次からSコースの大学院進学英語講座を履修できるまでになりました。自分の英語力がもっとも伸びたのは、この講座を受けて勉強していた時期だったように思います。より難しい課題が出されるたびに、奮起して取り組んでいました。夜勤のアルバイトをしていたこともあり、ほとんど寝ずに英語の勉強に打ち込んでいましたが、TOEICの点数からも明らかな学力アップがみられるようになって、ほんとうに嬉しかったですね。おかげで,目標だった奨学金制度を利用しての長期留学も叶い、3年の8〜12月に現在勤めているマセッドカレッジへ行くことができました。

留学先ではどのような経験をされましたか?

マセッドでの生活は、午前中にMCELIで授業を受けてその後夜まで図書館に籠る、といった勉強の日々でしたが、たまの休みには友人たちとサンフランシスコやロサンジェルスまで遊びにでかけるなど、楽しい時間も過ごせました。少しですが現地の友人もでき、コミュニケーションをとる中で、それまで学んできた英語が身についてきているという実感が得られたのは、とても嬉しいことでしたね。
留学経験を振り返ると、語学力の向上はもちろんですが、日本を離れて海外に身を置き、異なる文化や価値観に触れられたことのほうが大きな経験だったように思います。自分の足で立ち、主張しなければ望むものは得られないという独立心や自己責任のあり方を肌で感じることができたのも得難い経験でした。
それと同時に、カレッジのスタッフの方々にさまざまな面で助けていただいたことは身に沁みて有り難かったです。今は自分がその立場にあるわけですが、見守り、サポートしていくことの“重さ”を、いつも感じています。
留学プログラムの終了後には、アメリカ半周の旅に出ました。財布を失くしたり、野宿をしたりとトラブル続きの旅でしたが、この時の経験から「大抵のことは、何とかなる」と思える度胸は身に付いたかもしれませんね。以来、少々のことでは動じなくなりましたから。

そのほか学生時代に学んだことで、今も役に立っていることはありますか?

帰国後、授業以外でもなるべく英語に触れている時間を設けようと、他大学の友人たちと英文の記事を翻訳する勉強会を開くようになりました。歩みや目標の違う者たちが、“英語”というひとつの接点から集い、共に学ぶ場を立ち上げたことは、「尊重」「自主性」「アイデア」など、現在の仕事に求められる要素を養うことにもつながったと思います。
また、教職課程を選んでいたので、高校での教育実習をはじめ、フリースクールや自治体の学習支援事業に携わった経験も、大きな糧になっています。教育とは何かを考える機会にもなりましたし、アメリカへ渡ってきた生徒たちをサポートするにあたって、その頃の経験が活きているなと思うこともありますね。

受験生の皆さんへのメッセージ

「学べ、学べ、なお学べ」は私がモットーとしている言葉ですが、学問だけの話ではなく、どこにいても、いつまでも、謙虚に、学ぶ姿勢を忘れないことが大切だと考えています。大学に入ることも、留学することも、一つの通過点でしかありません。そこに行き着くまでの努力や経験、周りの支えを無駄にしないためにも、止まることなく、新しいことに挑戦しながら、自分の目標に向かって突き進んでほしいなと思います。

※掲載内容は取材当時のものです。

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