民間企業
大学で培ったリーダーシップを発揮し、
企業を動かすようなマーチャンダイザーという夢を叶えたい。
内定先についてお聞かせください。
株式会社ストライプインターナショナルから内定をいただきました。
ストライプインターナショナルは、earth music&ecologyやAMERICAN HOLICなど、さまざまなアパレルブランドを展開している会社です。入社後は店舗勤務となります。ストライプインターナショナルでは、いわゆる「アパレル店員」ではなく、「ライフスタイルアドバイザー」という肩書きで働きます。これは、洋服を販売することだけが仕事なのではなく、お客様のライフスタイルも含めて提案することが仕事だということです。店舗でさまざまな経験や知識を磨きながら、店舗責任者などの責任ある立場へとキャリアアップし、ゆくゆくは本社で開発から販売までの計画や管理、販売促進のためのマーケティングなどを担当するマーチャンダイザーとなり、企業を動かしていきたいと思っています。
アパレル業界に興味を持たれたきっかけは何ですか?
昔から洋服やファッションは好きだったのですが、大学生になってからその日の気分や場面に合わせてコーディネートする機会が増え、一日を素敵に過ごすためのコーディネートの楽しさに目覚めていきました。やがて洋服のコーディネートが一日の中でいちばん好きな時間になっていき、「この好きという気持ちを仕事にしたい」と思うようになりました。ストライプインターナショナルでは、「好き」という気持ちを大切にしながら働く文化があり、一人ひとりの好きを突き詰めていくことができます。また、アパレルの店員には販売ノルマがあり、個人で達成していかなければいけないイメージを持っていました。しかし、ストライプインターナショナルの場合は、「わたしがやる、みんなでやる、できるまでやる」という行動指針を掲げ、社員同士が支え合って仕事をするので、困ったことがあればすぐに周りに頼ることができます。そのような企業文化も含めアパレル業界に対するイメージが変わり、3年生からアパレル一本で就職活動に取り組みました。
大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?
経済学部なので経済学の勉強が中心となりますが、高校生の頃から数学が苦手だったので、数学を使う経済学に入学当初はは不安を感じていました。しかし、1年次の「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」で数学的な計算や関数の基礎から段階的に、ステップを細かく設定して教えていただけたので、つまずくことなく応用まで理解できるようになりました。そうすると、理解できることが楽しくなり、もっと知りたい、学びたいという意欲もわきました。
3年生で履修した「経済成長論」はマクロ経済学を深く追求する授業で、1年間に生産できる財・サービスの付加価値の合計額であるGDP(国内総生産)を中心に、5年、10年といった長い期間での経済成長についても学修。経済成長の要因を学びながら、高度経済成長期やリーマンショック期の経済指標グラフを読み解き、因果関係の分析をしました。グラフやデータから経済動向を読み解く力が鍛えられ、着実に成長できている実感がありました。
同じく3年生で履修した「行動経済学」は、1年生の時から興味があり、現実の社会にも応用できる実践的な理論を学ぶことができました。行動経済学には、興味深い理論が多くありますが、学び始めたころにおもしろさを感じたのがバイアス(先入観や偏見による認識の歪み)という考え方です。たとえば、「今1万円もらうのと、1年後に1万1千円をもらうのとでは、どちらがいい?」と聞かれた際に、多くの人は「今1万円をもらうこと」を選ぶはずです。これは将来の利益よりも目先の利益を優先してしまう現在バイアスというもので、日常のさまざまな場面で見られます。ダイエットしている人が、将来痩せることよりも目の前の甘いものを優先してしまい、ダイエットに失敗するのも現在バイアスの一例です。他にもアンケートバイアス(調査対象者の本心や事実とは異なる回答をしてしまう)を、自身がアンケートに回答することで理解・体験するなど、行動の裏側にある意思決定のメカニズムを多様な角度から学修できました。
大学生活で印象に残っていることはありますか?
2年生まではコロナ禍での大学生活だったので、なかなか大学生らしい活動はできませんでした。そんな中でもバレーボール部での活動は印象に残っています。大学生活で友達ができるか不安でしたが、バレーボール部に入ったことで居場所ができ、友人にも恵まれたので、それだけでも入部してよかったと思いました。部員たちで練習メニューやリーグ戦への参加を計画していたので、大変な面もありましたが楽しかったです。週に3回ほど練習をして、春と秋のリーグ戦がある時期は毎週日曜日に試合をする。そのようなサイクルで部活に打ち込んでいましたが、学業と両立させるには、難しいスケジュールでした。さらに、リーグ戦で結果を出すには、練習量や質、チームとしての意識統一など、さまざまな課題をクリアする必要がありました。そのすべてをクリアすることは難しかったですが、部員たちで悩みながら前進していくことで、1年生の時は7部リーグの所属でしたが、3年生の時に6部リーグへ昇格することができました。
また、チームにはバレーボール初心者の部員が2名いたので、経験者とスキルや意識のレベルでギャップがありました。さらに上のレベルを目指そうとする経験者と、基礎から練習したい初心者。この構図をそのままにしておくとチームの雰囲気が悪くなるだけでなく、リーグ戦の戦績にも影響してきます。うまくなりたい、試合に勝ちたいという根本の想いは同じなので、みんなが同じ目標に向かって楽しく練習できるよう、私が両者の調整役を積極的に担いました。みんなでワイワイ楽しみながら練習することで、チーム全体としての一体感が生まれ、リーグ昇格にもつながったと思っています。4年間休むことなく部活に打ち込み、忍耐力や継続力が身についたと感じていますが、何よりも仲間とバレーボールを楽しめたことが一番の思い出です。
ゼミでの研究にも力を入れられたそうですね?
行動経済学とゲーム理論を中心に研究するゼミだったため、実社会の中で行動経済学やゲーム理論がどのように関わっているのかを研究していました。そんな中、少子化や労働人口の減少がニュースで取り上げられているのを見て、「ニートと呼ばれる人たちが働けば、労働人口の不足を補えるのではないか」と考え、学生研究発表大会へ向けてグループで研究を開始しました。将来的な利益を考えず、目先のニート生活を優先しているのは、まさに現在バイアスに当てはまると思いました。まずは、どのようにすればハローワークに行くことを後回しにしないのかをテーマに、ハローワークに行くまでのフローを整理し、最初の一歩を踏み出す仕組みを考えることになりました。しかし、グループディスカッションが大変でした。個人からの意見がなかなか出てこず、議論が発展しなかったのです。みんなの意見を引き出すために順番に話を振っていくなど、自然と私がリーダー的な役割を担うようになりましたが、最初は「なぜ私がリーダー役までやらないといけないんだ」と思っていました。しかし、研究が進むにつれて自身の成長を感じるようになり、貴重な成長機会であることに気がつきました。「この研究を通して、もっと自分を成長させられるかもしれない」。そう思うようになってからは積極的にリーダーシップを発揮して、夜遅くまでグループで研究を進め、最終的には本番の大会でも金賞をもらえる研究発表ができました。
就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?
キャリアセンターでエントリーシートや志望理由の添削をしていただきました。キャリアセンターに通い出した頃は、浅い知識やイメージだけで書いていましたが、添削を通して企業の考えや伝え方を知ることができました。そして何よりも私の企業への想いを汲み取り、職員の方が「一緒にいいものに仕上げよう」と熱意をもって接してくださったため、私自身も深く考えて取り組むようになりました。また、アルバイト先をアパレルに変え、接客や店舗業務への理解を深める努力もしました。
今後の抱負についてお聞かせください。
洋服という存在は、暮らしにウキウキした気持ちを届けてくれる重要なアイテムだと私は考えています。多くの方に、このような喜びや好きを伝えていきたいと思います。そして、大学で身につけたリーダーシップを発揮して、企業を動かすような商品開発から販売までの流れを管理するマーチャンダイザーという最終目標に向かってステップアップしていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。