民間企業
キャリアに直結したゼミでの学修を活かし、
データ社会の要として、未来を切り拓いていきたい。
内定先についてお聞かせください。
一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)から内定をいただきました。
JIPDECと聞いてピンとくる人は少ないと思いますが、デジタル化やデータ活用が加速している現代社会において、なくてはならない重要な団体です。主な事業は、個人情報に関する管理体制の構築・運用の支援。その中で最も有名なのが「プライバシーマーク制度」の運営です。プライバシーマークとは、個人情報の保護体制が高レベルであることを取引先や消費者に明示できる認定マークのことです。JIPDECがその体制を審査し、基準に適合している事業者に対してマークの使用を認めています。官公庁や企業が業務委託先を選定する際の基準としても使用されるため、多くの企業が導入しています。他にも、電子契約・電子取引の普及を促進する事業や、最近ではデータの利活用に関する調査研究にも力を入れています。
今まさに、新型コロナウイルス感染症の流行により、授業やビジネスのオンライン化、印鑑が不要な電子契約へのシフトなど、世界は大きな転換期を迎えています。このようなタイミングでJIPDECに入社することに大きな意義を感じると同時に、その責任の重さも痛感しています。
JIPDECに興味を持たれたきっかけは何ですか?
入学当時は、「人の役に立つ仕事に就きたい」という思いから、漠然と公務員を志望していました。しかし、具体的な進路を決められないまま、気が付けば3年生の冬を迎え、少し焦りを感じはじめていました。そんな時に、所属しているゼミの先生に誘われ、個人情報に関する学会の講演を聴講する機会がありました。ゼミでは個人情報や情報公開に関する学修に取り組んでいたので、たくさんの知識を得ることができ、貴重な経験をさせていただきました。そして、何より大きな収穫だったのが、その学会で先生のお知り合いだったJIPDECの理事の方とお会いできたことです。いろいろなお話を聞かせていただく中で、初めてJIPDECやプライバシーマークの存在を知り、「JIPDECなら、今までの学びを活かし、人のために仕事ができるかもしれない」という想いから、JIPDECを志望するようになりました。
大学では、どのような学修に取り組まれたのですか?
行政職をめざしていたので、広く法律に関する学修に取り組みました。自分たちで判例(過去の裁判の判決事例)を調べながら学修する授業が多かったので、法律の変遷とその背景を理解することができました。個人情報に関する法律も時代に合わせて新しくなっていくため、要点を押さえながら変化を捉える力が養えたのは大きな強みになったと思います。
最も力になった学修は、やはり今の進路にも直結しているゼミでの活動ですね。2年生の時は、実際に八尾市役所に情報公開請求をして、開示された情報を取りまとめてゼミ内で発表しました。さらに、学修内容をまとめ、学生研究発表大会に参加したのもいい思い出です。研究テーマは、マイナンバーカード。日本の個人情報保護制度と諸外国の制度を比較しながら、マイナンバーカードの在り方について発表しました。日本よりも早く導入が始まった海外での事例を読み解く中で、情報管理の効率化や運用に関する難しさを強く実感すると共に、個人情報保護の重要性を改めて学ぶことができました。
3年生からのゼミでは個人情報をさらに深く学修し、個人を特定できない「匿名加工情報」や、本人の人種、信条、社会的身分、病歴、犯罪の経歴、犯罪により害を被った事実その他本人に対する不当な差別、偏見その他の不利益が生じないようにその取扱いに特に配慮を要する「要配慮個人情報」について学びました。個人情報に関するルールが形成されていく歴史や背景も学んだので、JIPDECの就職活動においても大きな武器になったと感じています。
大学生活で印象に残っていることはありますか?
1年生の時に、学生メンターの方に相談に乗っていただき、いろいろと助けられたことがありました。しかし、その時気になったのが、相談員の方が男性ばかりだったこと。正直なところ少し話しかけづらい場面もあったので、「私と同じようなことを感じている女子学生は多いはず」と思い、自ら手をあげて大学演習のメンターになりました。授業の進行補助や学生に対してアドバイスを行う役割ですが、実際にやってみると大変なことばかり。演習を引っ張っていくべき存在でしたが、学生が行き詰っている箇所がわからず、なかなか的確なアドバイスをしてあげることができませんでした。それでも、自分なりに試行錯誤を重ねた結果、座学では決して得られなかったリーダーシップを磨くことができたと思っています。
就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?
重点を置いて取り組んだのは面接の練習です。「公務員特別演習」で対面とオンライン、両方の面接対策をしていただけたので、スキルを伸ばすことができたと感じています。私はすぐに緊張してしまうので、不必要に手を動かしてしまったり、話し始める前に「えっと」と言ってしまったりと、無意識のうちにさまざまな癖が出ていたんです。自分では気づいていませんでしたが、先生に指摘していただいたことで意識して改善に取り組むようになり、「前回より、ここが良くなっているね」と改善できたポイントをフィードバックしていただく度に自信がついていきました。
日本情報経済社会推進協会の選考には、どのように臨まれましたか?
何度も練習した面接でしたが、本番ではやはりガチガチに緊張してしまいました。面接官の方にも「普段はもっと元気なんじゃない?リラックスしてね」と言われるほど。それでも、内容については練習の成果を発揮することができたので、「緊張するのはどうしようもないこと。自分の想いを伝えることだけに集中しよう」と自分に言い聞かせ、複数回ある面接を乗り越えていきました。東京本社での最終面接では、当然ながら緊張していましたが、この仕事にかける自分の想いを正確に伝えられたので、内容的には納得できるものになりました。
私はコロナ禍での就活にも関わらず、JIPDEC一本に絞って就活していましたので、「もし不採用だったらどうしよう」という不安な思いもありました。しかし、自分を信じて突き進んだ結果、内定をいただくことができたので、本当に心からホッとしましたね。
今後の抱負についてお聞かせください。
今後、ますます社会のデータ化は進み、個人情報の重要度も増していくはずです。情報イノベーションの波にのまれないよう、個人情報や情報セキュリティの在り方をしっかり考えながら、IoT(Internet of Things(モノのインターネット))の導入に伴うデータの収集・分析などの学修にも力を入れていきたいと思っています。私が携わる仕事はデータ社会を生きる人々の要であり、未来を切り拓いていく可能性も秘めているため、挑戦心と向上心を持って頑張っていきたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。