民間企業

仲間との協力で大きな成果を得た研究発表大会。
消費者の近くで店舗経営を支える存在になりたい。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパン 内定永田 美輝 さんMiki Nagata経済学部経済学科卒(2023年3月) / 大阪府立 泉陽高校 出身

前へ

次へ

内定先についてお聞かせください。

株式会社セブン‐イレブン・ジャパンから内定をいただきました。
セブン‐イレブンのはじまりは1974年に遡ります。東京の豊洲に第1号店をオープンして、日本初のフランチャイズ方式によるチェーン展開を開始しました。以来、常に時代を先読みし、世の中の変化を捉えた新たな商品やサービスを提供し続けることで、今では国内20,000店以上、全世界で70,000店を超える世界一のチェーンストアにまで成長しました。
「近くて便利」というコンセプトも、人口減少や高齢者世帯の増加、女性就業率の上昇など、世の中の変化を捉えて考え出されたものです。物理的な距離の近さだけでなく、心理的にも近い存在として商品やサービスを提供していきたいという想いが表れています。このような企業理念のもとで働いている社員の方々がイキイキとしていて、私がこれまで見てきた企業の中では一番雰囲気が良かったと感じました。
入社後は店舗勤務を経験し、ひと通りの実務を覚えていくことになります。そして、数年後にはOFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)という店舗の経営コンサルティングを担う職に就く予定です。あらゆる面から加盟店オーナー様の「売れるお店づくり」をサポートするパートナー的な存在で、セブン-イレブン・ジャパンの売り上げを大きく左右する中心的職種でもあります。今やコンビニは生活に欠かせないインフラのひとつなので、業界トップのセブン-イレブンで働けることが本当にうれしいです。

セブン‐イレブン・ジャパンに興味を持たれたきっかけは何ですか?

きっかけはアルバイト先での経験です。セブン-イレブンでアルバイトをしていたので、OFCの方と話をする機会があり、セブン-イレブンの魅力を十分に理解することができました。アルバイト先としてセブン-イレブンを選んだのは「家から近かったから」という単純な理由ですが、ここで経験した出来事のすべてが私を大きく成長させてくれました。
就職活動時はエンドユーザー(製品を実際に使ったり消費したりする人や組織)と関われるB to C(Business to Consumer:企業が個人に対して商品やサービスを提供するビジネスモデル)の企業を調べていましたが、自分が働いている姿を明確にイメージできたのはセブン-イレブンだけだったので、いかにセブン-イレブンでの経験が、自分自身に大きな影響を与えていたか再認識したほどです。

大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?

実は、経済学に必須の数学は高校生の頃から苦手でした。そのため、入学時は経済学への不安を感じていたのですが、「ミクロ経済学」や「経済学基礎」など、1年生の時から段階的に経済学を学修できたことや、先生に何度も質問することで、少しずつ理解が深まっていきました。数学に関してもゼミの先生が個別に指導してくださったおかげで苦手意識を克服することができたので、勉強すればするほど経済学の面白さを実感できるようになっていきました。
また、2年生の時に履修した「流通産業論」では、セブン-イレブン入社後も役立つ知識を身に付けることができたと思っています。たとえば、同じ商品でもスーパーとコンビニで売り場や売り方にどのような違いがあるのかを分析し、実際にある商品のPR方法を自分たちで考案するなど、実践的な学修ができました。さらに、セブン-イレブンではアルバイトであっても担当売り場の陳列を担当することができるため、この授業で得た知識や経験をアルバイト先の店舗で実践することができ、より深い学修効果を得られたと感じています。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

ゼミでの研究や、その成果を発表する学生研究発表大会が印象に残っています。
経済学の醍醐味は、理論や分析を通じて社会課題の解決に挑める点です。2年生の時はレジ袋の有料化について、行動経済学の基礎であるプロスペクト理論(不確実な状況下で意思決定を行う際に、事実と異なる認識の歪みが作用するという意思決定モデルを表した理論)を駆使して研究しました。コロナ禍だったこともあり、研究発表大会に向けた仲間との打ち合わせは、オンラインが中心でした。画面越しだとコミュニケーションや意見の集約に難しさを感じる時もありましたが、そのような状況だったからこそ、全員が自分の思いを分かりやすく伝えようとするようになり、相手の思いを汲み取ろうと試行錯誤した結果、資料の完成度はとても高くなったと思っています。
3年生では、より本格的な研究をするようになりました。研究テーマは『リンダール配分(※)に基づく効率的な就学前教育の費用分担』。義務教育に関連する費用は政府の負担額が大きいですが、保育園などの就学前教育は保護者の負担額が大きくなっています。こうした経済的な負担や不安が、子どもを産みづらい現状をつくっている原因のひとつではないかと考え、子育て世代の経済的負担をリンダール配分によって軽減することで、少子化の解決につながらないか研究しました。
この研究はとても難しい内容だったので、チームの仲間と協力し合いながら、何度も係数を変えて計算を繰り返し、導き出された結論を検証し直すことで、何とか形にすることができました。それまでの私は何でも一人で取り組む性格でしたが、一人で挑むよりも仲間の力を結集した方が、より大きな成果につながるということを、この研究を通じて実感することができました。この研究は学生研究発表大会で見事1位に輝き、大きな達成感と自信を得ることができました。
※最適供給量における各消費者の最大限の支払可能額に応じて費用負担を求める最適費用負担割合

卒業論文はどのようなテーマで取り組まれているのでしょうか?

論文テーマは『小売全面自由化後の電力事業における過剰参入の発生と参入抑制への提案』です。このテーマにしようと思ったきっかけは「産業組織論」という授業です。授業内で電力やガスの自由化について国際比較をしながら学ぶ機会がありました。昨今、環境問題が取り沙汰されていることもあり、より深く研究したいと思うようになったからです。
2016年に電力小売業への参入が全面自由化され、消費者は、多様な電力会社や料金を自由に選択できるようになりました。多くの事業者が過剰に参入する現状を生み出したのもこの自由化がきっかけです。しかし、電力事業は初期投資に多くの費用が必要なため、小さな企業がそれを回収できるほどの利益を生み出すのは非常に難しく、乱立した企業の多くが苦戦しています。そのため、大手の電力会社が利益を得る仕組みが成立し、結果的には電力自由化による恩恵を享受できていない状況だと言えます。この状況を解決するために何らかの参入障壁を設け、市場を最適化する必要があります。今後、どのような抑制案が考えられるのか分析していくつもりです。

就職活動に向けて、どのような準備をされたのですか?

面接の練習に力を入れていました。キャリア演習の模擬面接は、面識がある先生が面接官なので緊張せずに話すことができるのですが、就活実践キャンプでは実際の企業担当者が模擬面接の面接官を担当していて、いつも以上に緊張してしまいました。それでも伝えたいことは伝えられたので一定の手応えはありましたが、「個別の質問には答えられているけど、全体を通して見ると答えに一貫性がないことがあるよ」といったフィードバックをいただきました。この貴重なアドバイスから、自分の受け答えを俯瞰して考えられるようになったと感じています。
また、3年生の6月頃からは就職情報サイトでインターンシップの情報を収集しました。まずは興味をもった業界の1dayインターンシップに参加し、志望業界を絞り込んでいきました。12月頃からは早期の選考も受け始め、実践の中で面接のスキルを磨くことを心掛けていました。最初は緊張していましたが、回数を重ねるごとに自分の考えをスムーズに伝えられるようになっていきました。

セブン‐イレブン・ジャパンの選考には、どのように臨まれましたか?

オンラインの面接が2回、対面での面接が1回ありました。オンライン面接は相手の表情や反応がわかりにくく苦手意識がありました。あまり手応えがないまま終わりに近づいていた頃、「最後に何か言い残したことはありますか?」と質問されたのをきっかけに、思い切って自分がいかにセブン‐イレブンを愛しているかを熱弁しました。すると、「セブン‐イレブンが大好きだということが、よく伝わりました」と言っていただけたので、勇気を出して胸の内を伝えてよかったと心から思いました。
最後の対面での面接は、意思確認のようなもので、その場で内定をいただきました。「内定です」という言葉を聞いた瞬間、セブン‐イレブンへの愛が溢れ出したのか、思わず泣いてしまいました。これには自分でも驚きましたが、セブン‐イレブンで働けることが本当に嬉しく、喜びを噛み締めながら帰路に着いたのを覚えています。

今後の抱負についてお聞かせください。

コンビニが大好きなので、ずっと現場で業務に携わっていたいと思っています。そのため、OFC(オペレーション・フィールド・カウンセラー)として経験を積み、エリアを統括するマネージャーをめざしたいと思っています。OFCは現状では女性が少ないと聞いているので、私が女性のOFCエリアマネージャーとしての道を切り拓き、女性の活躍推進のいいロールモデルになれたらいいなと思っています。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学受験の準備は早くからするに越したことはありません。自分のやりたい事としっかり向き合って、さまざまな大学を調べて志望校を決めてください。大学入学後は、人とのつながりを大事にしてほしいと思います。私は一人で何でも取り組む性格だったので、仲間と協力したり、切磋琢磨したりすることで得られる成果の大きさを大学入学後に初めて知りました。自分から積極的に働きかければ、大学はとても多様なつながりが持てる場所なので、ぜひ学部の垣根を越えて交流を深めてください。

※掲載内容は取材当時のものです。

同じ職種・資格のストーリー