民間企業

「ここ以外は行かない!」という覚悟で臨んだ就活。
大学で培った知識やスキルが、その覚悟を後押ししてくれた。

株式会社ファーストリテイリング 内定定村 詠二朗 さんEijiro Sadamura経済学部経営学科卒(2021年3月) / 熊本県 熊本マリスト学園高校 出身

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内定先についてお聞かせください。

株式会社ファーストリテイリングから内定をいただきました。
ファーストリテイリングは、ユニクロやGU、セオリーなどのブランドを世界中で展開している企業です。自社で素材調達から企画、生産、販売までを一貫して行っている独自性に加え、最近は「顧客を深く理解し、顧客が求めるものだけを作り、最適な形で届ける」ことをテーマに掲げ、「情報製造小売業」への転換を強化しています。例えば、Googleと提携し、顧客ニーズや顧客行動、販売実績データなどをAIで分析することで、顧客をより深く理解する。このようなデジタル化へのシフトが製造小売の業界では急速に進んでいます。
入社後は、将来の経営幹部候補として国内外で活躍できる「グローバルリーダー社員」として働く予定です。配属されるのは、ラグジュアリーブランドのセオリー。ニューヨークにも拠点があり、何かとチャンスが多い環境なので、更に成長していきたいと思っています。

ファーストリテイリングに興味を持たれたきっかけは何ですか?

大学1年生の頃からユニクロでアルバイトをしていますが、当初はファーストリテイリングへの就職はまったく考えていませんでした。そんな私がファーストリテイリングを意識するようになったのは、ある社員の方との出会いがきっかけです。その方は何をするにもしっかり根拠を示し、ロジカルに考えながら仕事を進めていくタイプで、周囲のスタッフをポジティブに巻き込んで動かす力にあふれた方でした。アルバイトという立場ではありましたが、直属の部下のような形で一緒に働いていくうちに、その方に大きな影響を受け、「この人のようになりたい」ではなく、「この人よりもすごい社員になりたい」と思うようになっていました。そんな気持ちに気付いた時、ファーストリテイリングを本気で就職先として意識するようになりました。

大学では、どのような学修に取り組まれたのですか?

採用試験や社会で活用できるスキルを身につけようと考え、人前で話をする経験を意識的に多く積むようにしていました。特に、PowerPointを使って資料を作成・プレゼンする「デジタルプレゼンテーション」や、ビジネスの現場で活用できる表現や説明方法を学ぶ「ビジネスプレゼンテーション」などの授業は、実践力を磨くには最適な内容でした。毎週異なる題材に取り組むのは大変でしたが、資料作成から伝え方までを一貫して学ぶことができたと感じています。また、身につけた力を発揮する場として学生研究発表大会にも、毎年欠かさず出場し、プレゼンスキルに磨きをかけていきました。
仕事内容に直結する学修としては、「リテールマーケティング(販売士)2級講座」も楽しかったですね。接客技術はもちろん、マーケティングやマーチャンダイジングをはじめとする、小売・流通の幅広い専門知識を学べました。アルバイトの現場で見聞きする知識も多かったので、講座で学んだ知識をアルバイト先で実践することもでき、貴重な経験となりました。
また、3年生の春学期までは金融業界も視野に入れていたので、簿記関連の授業や「原価計算」に「会計学」なども幅広く履修していました。どの知識も経営には必要な知識であり、実際の店舗運営にも活用できるため、ファーストリテイリングでも活かせると思います。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

最も印象に残っているのは、3年生のときに出場した学年研究発表大会ですね。発表テーマは「Instagramによるマーケティングと新たな可能性」。このテーマにした理由は、私がめざしていた小売業界にも関連する題材であり、また、近年メディア広告費をインターネット広告費が上回るなど、時代の動きにもマッチした題材だったからです。実際に企業へ電話取材をして広告施策について調査したり、「BtoB(Business to Business:企業が企業に対してモノやサービスを提供するビジネスモデル)」と「BtoC(Business to Consumer:企業がモノやサービスを直接一般消費者に提供するビジネスモデル)」に分け、それぞれのメリットとデメリットを研究したりしながら、時間をかけて発表内容を仕上げました。プレゼン自体は磨きをかけていたので、いかに研究内容を充実させるかに重点を置いて取り組んだ結果、最優秀賞という最高の評価をいただき、とても嬉しかったです。「リテールマーケティング(販売士)講座」で学修した内容や、「ビジネスプレゼンテーション」で磨いたスキルも大いに役立ったので、予想以上の結果に驚きながらも、これまでの学修内容に大きな手応えを感じた大会でした。

就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?

まず、自分なりに就職活動の軸を設定しようと思い、OB・OGの方がどのように就活を進めてきたのかヒアリングしました。いろいろな話を聞きましたが、自分の間隔にフィットした方法が見つからなかったので、自分なりの戦略を練ることにしました。その際、大いに役立ったのが「キャリア演習」です。この授業では就活に必要な知識を基礎から学修でき、自分の中にしっかりとした軸をつくることができました。授業では、学生それぞれが興味・関心を持った時事ニュースを調査し、発表する時間があり、小売業以外の幅広い社会動向に詳しくなりました。また、本番の面接にも活かせる知識を身につけられた点も良かったですね。
キャリアセンターに、エントリーシートなどの書類の相談をよくしました。プレゼンや面接には自信がありましたが、文章力には不安があったため、ほんの些細なことでも快く相談に乗っていただける環境があるのは有り難かったですね。おかげで、本番の試験にも不安なく臨むことができました。

ファーストリテイリングの選考には、どのように臨まれましたか?

面接試験に備えて、友人といろいろな質問を互いに出し合い、何度も受け答えの練習をしました。また、アルバイト先の社員の方にも面接でよく聞かれる内容をヒアリングするなど、準備万端の状態で本番に臨みました。一次面接と二次面接は難なく突破し、いよいよ東京本社での最終面接。自信があるとはいえ、やはり少し緊張していました。何より、メディアで何度も拝見したことのある柳井社長が面接会場にいたのには驚きましたね。柳井社長からもいろいろ質問されましたが、臨機応変に答え、「コミュニケーション能力が高いね」と言っていただけた時は素直に嬉しかったです。
他の企業の選考には参加していなかったので、「ファーストリテイリングのような大企業一本で本当に大丈夫だろうか」という不安な気持ちは正直ありました。しかし、保険をかけるように他の企業の選考に参加するのは嫌だったので、「ここ以外は行かない!」という強い覚悟をもって選考に臨みました。大学4年間を通して培ってきた知識やスキルも、その覚悟を後押ししてくれました。そのような姿勢が面接でも伝わったのか、内定のご連絡をいただいた時は、心底ホッとしましたね。

今後の抱負についてお聞かせください。

「疲れた」「しんどい」などのネガティブな言葉ではなく、「楽しい」「がんばろう」というポジティブな言葉を発していると、自然と周りにポジティブな人や意見が集まってくるということを、アルバイト先で身を持って経験しました。このスタイルを大切にしながら、周りを巻き込み、意欲にあふれる環境を築けるような社員になりたいと思っています。個人の目標としては、1年以内に店長に昇格。そして、5年以内にニューヨーク勤務を実現し、10年以内には年収1,000万円を超えられるような社員になりたいですね。この目標を達成するためにも確かな根拠とそれに基づいたロジックをしっかり持ち、妥協せずに仕事と向かい合っていきたいと思っています。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学は「自分が何をしたいのか」をしっかり考えて選んでください。そして、入学後は「どんなことを成し遂げたか」をキーワードに努力を重ねていくと良いと思います。この2点を意識すれば、必ず自分なりの夢や将来に向かって突き進めるはずです。皆さんの大学生活が実りあるものになることを祈っています。

※掲載内容は取材当時のものです。

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