民間企業

将来の目標は起業して
故郷の経済発展に貢献すること。
そのビジョンが描けた大学生活だった。

SMBC日興証券株式会社 内定加屋本 翔 さんShou Kayamoto経済学部卒(2017年3月) / 沖縄県立 八重山高校 出身

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内定先についてお聞かせください。

証券会社の一つで、幅広い金融商品を扱う総合証券会社のSMBC日興証券から内定を頂きました。勤務地などは未定ですが、営業職に就くことだけは決まっています。法人営業の希望ですが、そのためにはまず個人営業で業績をあげる必要がありますので、しっかりと実績を積んでステップアップしていきたいと思っています。
証券会社をめざすようになったのは4年生になってから。入学時は公務員を意識していたので、学内Wスクールの「Sコース(特修講座)」を受講していました。そもそも僕がめざしているのは、故郷の沖縄県・石垣島の経済を活性化する仕事に就くこと。だから公務員志望でした。転機は2年生のとき。市役所でのインターンシップに参加したのですが、どうも自分のイメージとは異なるなと。役所の職員という立場では自分の思い描く仕事ができないのではないか、民間も検討してはどうかと考えるようになりました。そのように迷っていた時、履修していた「キャリアゼミ」で職業適性の診断を受けたところ、なんと営業職の適性が100%で公務員は3%……。僕自身、その結果にすぐ納得したわけではなかったのですが、周りは「絶対当たっているよ!」という反応でした。
結局打ち立てたキャリアプランは、民間企業で経験を積み、将来経営コンサルタントとして起業すること。その立場から地元経済に貢献しようと考えました。
証券営業の仕事は、将来の起業に向けていいステップになるという判断です。実際、内定先のインターンシップにも参加して、自分に合いそうな仕事だと感じましたし、大学で学んできた経済学の知識も生かせる仕事だと思いました。証券営業で実績をあげて、その後MBAや中小企業診断士の資格なども取得し、30歳で起業をめざそうと考えています。

仕事に直接役立ちそうな資格取得を意識するなど、準備は万全ですね。

大学では、資格講座を利用して、外務員(旧証券外務員)一種とファイナンシャル・プランニング技能検定2級を取得しました。
外務員に関しては、1年生の「大学演習」のメンター(授業をサポートする上級生)の経験がきっかけでした。授業で株式に関する内容を扱っていたのですが、たとえばバーチャルの株式投資などを行っていたことから、後輩から株の知識についてよく質問を受けましたので、自分でも勉強していました。せっかく学んだことだから、もう少し知識を上積みすれば資格が取れると考え、資格講座に参加しました。ファイナンシャル・プランニング技能検定2級は、将来独立した際にも役立つと考えて取得しました。

将来の起業に向けて、大学でその素養を培う学修はありましたか?

「BLP(ビジネスリーダープログラム)特別演習」での「河内木綿プロジェクト」への参加は、大きな経験になりました。将来起業したいと先生に話したら、ちょうどこのプロジェクトが立ち上がるタイミングだったので参加を勧めていただきました。大学の地元・八尾市の伝統文化である河内木綿を学生の発想で現代的に復活させるというプロジェクトで、初代リーダーを務めました。何もないところからのスタートでしたが、自分から仕掛けていける状況をむしろチャンスと捉えました。
経営コンサルタントの外部講師がアドバイザーを務めてくださり、その方からまず目的と目標をしっかり設定しなさいと指導されました。目的は八尾市の伝統文化である河内木綿を世界に発信すること。目標とは各フェーズでの数値目標などを意味します。そのうえで1年先から10年先までを見据えての活動となります。ちなみに10年先のビジョンは、河内木綿の商品が世界で売られていて、「河内木綿といえば大阪経済法科大学」と国内外で知られる状況になっていることです。
河内木綿の商品化を図るうえで自分たちも製造工程を知っておこうと、保存会の方々から指導を受けながら加工の技術を勉強しました。綿を機械で糸にしてから編んでいく作業はとても難しく、木綿に加工できるようになるまで半年かかりました。それと栽培も。地元のNPO法人に依頼をし、大学内の敷地に栽培していただいたのですが、自分たちも一緒に農作業を行いました。栽培や加工を体験しておくことで、知識的な裏付けのある商品のアイデアが出せるようになるとともに、アイデアの実現性を吟味するためにも大切な経験になりました。
あとは実際に何をどう商品にしていくのか。そこで、企業や服飾専門学校にデザインと商品展開のサンプルづくりを依頼しました。100種類もある河内木綿文様から1つ選んで、それを現代風にアレンジ。キャップ帽、ネクタイ、ショルダーバッグ、コースターなどの商品サンプルを作ってもらい、学園祭では人気投票を実施しました。
僕がリーダーを務めた1年半の期間で、栽培、加工と生産の体制づくりと、NPO法人など外部との連携のしくみが構築できたと思います。

就活の面接でも「BLP特別演習」については、よく質問されたのでは?

はい。この演習は面接でアピール材料になったのですが、その際「何が一番大変でしたか?」などの質問を受けました。リーダーを務めたことで、自分ではなくチームとしてどれだけ成長できるかについて考えていたことや、この取り組みに参加して特に学んだことを話しました。学んだことは、がむしゃらに努力するだけではダメで、仕事には工夫が必要ということ。そのためには文献から知識や情報を得る機会も増えましたし、先生に質問することも多くなりました。あとは周囲との連携の重要性を痛感しました。一人では何もできないことを実感したので、この経験を今後の仕事に生かしていきます。

忙しい大学生活だったようですが、サークル活動にも精力的に取り組まれたと聞きましたが。

2つのサークルに入っていました。1つはフットサル同好会で、友人に誘われて一緒に立ち上げました。身体を動かして楽しむための集まりで、いい気分転換になりました。
もう1つは、沖縄の伝統芸能である三線(さんしん)やエイサー太鼓を演奏する奄美沖縄会の活動です。沖縄の魅力を伝えつつ、八尾を盛り上げることがテーマで、具体的には地域のお祭りや老人ホームなどに出向いて演奏などを行いました。最初は顧問の先生の紹介で活動していたのですが、次第に依頼が来るようになりました。現場での反応は、結構いいですよ。演奏だけではなく踊りもあることから、見て楽しんでいただくこともできるので、喜んで頂けました。
卒業後のビジョンを固め、将来に結びつくような演習に参加したり、サークル活動を楽しんだり、本当に充実した大学生活だったと思います。今は卒業論文を作成中で、僕自身の根本のテーマである、石垣島の経済発展に関する施策を研究しています。経済学研究発表大会で1位をめざすだけではなく、実際に提言できるレベルまで高めたいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

当初、公務員をめざしているときは市役所のインターンシップを紹介され、その後、起業を考えていることを話したら「BLP特別演習」を勧めていただきました。内定先でもインターンシップを体験していますが、これも証券会社に興味を持っていることを把握したキャリア支援課からの連絡で参加しました。このように学生一人ひとりに合った手厚い支援と、やりたいことを応援してくれる大学だと思います。また、学問的な興味にも徹底して応えてくださり、ゼミでは毎日夜遅くまで指導していただきました。これほど恵まれた環境はそうないはずです。ぜひみなさんもやりたいことを見つけて、徹底的に取り組んでください。

※掲載内容は取材当時のものです。

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