民間企業
入学時からめざしていたUターン就職を実現。
銀行員として地元を盛り上げていきたい。
内定先についてお聞かせください。
株式会社伊予銀行から内定をいただきました。本店がある愛媛県だけではなく、四国や瀬戸内海地域一帯に支店を持つ日本でも有数の広域地方銀行です。愛媛県とその周辺地域の活性化を図るとともに、海外4都市に支店・駐在員事務所を設置し、顧客のグローバル展開にも尽力している銀行です。愛媛県は私の故郷なので、自分の生まれ育った地域の発展に貢献できる仕事に就け、とても嬉しく思います。
当初は公務員志望だったとお聞きしましたが。
はい。経法大を選んだ理由も公務員合格実績が高く、そのための学内Wスクール「Sコース(特修講座)」があったからです。入学当初から地元の役に立ちたいと考え、そのためには公務員になるつもりで、1年生からSコースを履修していました。ただ、滑り止めとして一般企業への就職も考え、合同説明会に参加。そこで、公務員だけが地元貢献の道でないことを知りました。企業研究をするうち、企業が利益追求だけでなく、地域社会の貢献に向けて活動していることを知り、民間企業の就活に力を入れるようになりました。結果、数社の内定をいただきましたが、第一志望の伊予銀行への就職を決めました。
公務員にはなりませんでしたが、Sコースの学修は、一般企業の選考試験にも非常に役立ちました。就職適性検査の出題範囲もSコースで学んだ分野と多くが重なりましたから。
Sコースでの学修内容を教えてください。
基礎の振り返りからはじまりました。私は商業高校出身なので、普通科と数学や歴史の学習範囲が異なっていたこともあり、だからこそ基礎から学べたことは良かったです。授業は2年生から少しずつ練習問題が出題され始め、3年生になると、過去問を多く解くようになりました。着実に段階を踏んで教えてくださるので、難しいとは思いませんでした。先生もユニークな方で、試験のためという意識はあまりなく、勉強そのものを楽しめる講義内容でした。学部の授業と並行して受講しましたが、それも苦にはなりませんでした。Sコースの受講日は、授業後に勉強することが生活リズムとして定着しました。また、1年生から公務員をめざす仲間ができたことも大きかったですね。情報を共有することで、自分の学習の進捗度を把握できました。
キャリアゼミや就活対策の合宿にも参加されたのですか。
3年生の「キャリア演習」を1年間履修しました。就活に必要な技能を基礎から教えてくださったのが助かりました。前期はおもに業界研究で、後期からは個人、集団面接やディスカッションの実践的な練習を行いました。面接練習に取り組んだのはこの演習が最初で、自己PRの内容を考えるきっかけになりました。内定を得た4年生の体験談も興味深かったですね。「自己PRを軸に内容を想定して、質問にはすぐ答えられるように準備しておくように」、「企業の中には『あなたを動物にたとえると?』という変化球の質問もあるので注意しておく」など具体的な面接内容を知れたり、「扉の建て付けが悪い面接会場もあるので、開閉時に大きな音を立てないように」といった経験者ならではの細かいアドバイスを受けることができたりしました。
キャリア演習の面接練習をより深く掘り下げたのが就活対策の合宿でした。個人面接をきめ細かく指導してくださったのが、役立ちました。私は考えながら話すときに変な方向を向いてしまう癖があったようで、そのような無自覚な癖を修正してもらいましたし、自己PRを整理しながら想定問答をするなど、本番に向け非常に役立つ対策ができました。キャリア演習と就活対策の合宿の両方に出席し、正解だったと思います。
伊予銀行の場合、面接は重要な要素でした。面接はざっくばらんな雰囲気でしたが、その過程で人間性を見られているという意識はありました。就活対策の合宿では、「笑顔がいい」と先生に言われていましたので、笑顔を絶やさないように気を配りました。最終面接は緊張感もありましたが、地域貢献という自分の軸はブレずに訴えられたと思っています。
インターンシップにも参加されていますね。
3年生のとき愛媛県の玉川ダムにインターンシップで行きました。当時は公務員志望だったので、行政の仕事を見ておきたいと考え、地元の愛媛県に申し込みました。ダムは身近な職場ではなく、県庁でダムの管理をしていること自体知らなかったのですが、未知の分野を知ることもいい経験になると思ったからです。ダムでは見学者の対応や水圧計を打ち込む作業のほか、渓谷の管理業務としてナタで伸びた蔓を切ってまわる仕事もしました。公務員の業務にこんな仕事があるのかと驚きました。
ほかに大学生活で力を入れてきたことはありますか?
ゼミ活動です。東アジア共同体を研究対象にしたゼミですが、皆自分の好きなことを自由に調べていますね。学修の進め方は、1冊の本を皆で読み解き、発表するという形式。最近では『アジア力の世紀―どう生き抜くのか』(岩波新書)を皆で読み進めました。1章ごとに担当を決めて、自分の担当する章については事前に読み込み、要点をレジュメにまとめて当日解説し、質問があれば答えます。先生からもどんどん質問されるので、質問を事前に予想して下調べをしていました。本の中身をきちんと理解しておかなければ質問に答えられませんし、論点がずれると先生の指摘を受けるので、文献から本質を見抜く能力を養えたと感じています。
今後の抱負を教えてください。
入行までに、銀行員に必要な外務員資格を取得するよう言われているので、今勉強しています。加えて、ファイナンシャルプランナーの講座を受講しているので、3級を取得しておきたいと考えています。入行後はしっかり仕事に励み、お客様に信用される行員になりたいと思っています。「潤いと活力のある地域の明日を創る」という伊予銀行の理念を具現化する一員として、地域社会を盛り上げていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。