民間企業

チャレンジングな目標をクリアできたのは、
先生との二人三脚の努力があったから。

大和ハウス工業株式会社 内定喜多 一成 さんKazunari Kita法学部法律学科卒(2020年3月) / 京都府 大谷高校 出身

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内定先について教えてください。

大和ハウス工業株式会社から内定をいただきました。
大和ハウス工業は、住宅事業・賃貸住宅事業・マンション事業・流通店舗事業などをはじめ、幅広い事業を展開している会社です。入社後の職種は決まっていませんが、購買部に希望を出しています。建物の原材料や部品の調達により、会社の運営をサポートする部署です。例えば、災害時には、被災地に建てる仮設住宅の部品調達も行います。資材の品質とコストのバランスを見極め、生産計画に基づいて必要な時に必要な量だけを調達することで、会社のパフォーマンスに直結する重要な役割を担う業務なので、私もその一員として大和ハウス工業に貢献したいと思っています。

最初から住宅や建設業界を志望されていたのですか?

いえ、大学入学当初は公務員をめざしていました。両親が公務員で、叔父が消防官をしていることから、なんとなく行政職や消防官を将来像として思い描いていたんです。だから、公務員の合格実績が高い経法大への進学を決め、1年生から4年生まで「Sコース(特修講座)」で公務員に向けた学修に取り組んでいました。
転機が訪れたのは、就職活動が本格的にはじまってから。大和ハウス工業の座談会に参加したことがきっかけでした。若手社員・中堅社員の座談会があり、最後に購買部の座談会が開催されました。すべての座談会が非常に有益なものでしたが、私がもっとも興味を持ったのが購買部の座談会でした。この座談会で初めて購買部という部署の存在を知ったのですが、そこで聞いた東日本大震災の時のエピソードに胸を打たれました。
震災直後、仮設住宅を建てるために購買部の方々が被災地に入った際、工場も被災していたため必要な資材が揃わなかったそうです。「被災地から遠い工場だと調達に時間とコストがかかり、被災者の方々の避難所生活が長引いてしまう。1日でも早く仮設住宅を建てなければ」という思いで、資材ごとに最適な工場を探し出し、最短かつ最適なルートで資材調達を実現したというお話を聞いて、「自分のめざす道はこれだ」と確信しました。それまでは、公務員も並行して考えていましたが、この話を聞いてからは「大和ハウス工業の購買部」が第一志望になりました。

学生消防隊SAFETYの活動にも参加されていたそうですね。

はい。学生消防隊での活動は、大学生活で一番注力していたことの一つです。学生消防隊では、大学のある八尾市消防本部と連携し、地域防災活動を行います。具体的には、消防隊員の方と共に地域の小学校や自治体の避難訓練の現場に赴き、会場の設営や運営をサポートしました。
消防隊員の仕事は消火活動がメインだと思っていましたが、学生消防隊の活動を通じて、啓蒙活動にも力を入れていることを初めて知りました。実際に災害が発生した時、こうした地道な啓蒙活動が役立ってくると感じ、さらに知識を深めるために「危険物取扱者乙種第4類」の資格も取得。ガソリンなどの引火性液体を取り扱える資格なのですが、防災活動で消火について説明をする際も説得力が増し、自信をもって活動に臨めました。

大学で印象に残っている学修や取り組みはありますか?

2年生の時に履修した「不動産と法規制」という授業が印象に残っています。まだ大和ハウス工業のことは意識していなかった時期ですが、都市の健全な発展を目的とする都市計画法を重点的に学ぶことで、街づくりに興味が湧きました。また、「不動産と法規制」に加えて「不動産登記法」では、宅地建物取引士の基礎的な勉強ができました。大和ハウス工業の仕事でも宅地建物取引士の資格は必要なので、これらの授業で得た知識を土台にして、資格取得へ向けた勉強を進めています。
また、3年生の時に参加した法学部学生研究発表大会も印象に残っています。発表テーマは「減災とSNS~法整備の観点から~」。熊本地震の時に「動物園からライオンが逃げ出した」といったデマ情報がSNS上で拡散されたことを題材に、災害時にどこまで表現の自由が認められるのかを研究しました。SNSの在り方が問われている時代ですが、海外ではこうしたデマ情報による混乱や、さらなる被害拡大を防ぐために災害現地に特別室を設置し、情報管理のプロが情報の正誤を精査していきます。日本でもこういった情報の正誤判断を行うことで、誤報による混乱状態は避けられるのではないかと考えています。
学修の集大成である研究内容と課外活動である学生消防隊が、防災という軸で統一できていたため、学内で考察を深めつつ学外で実践するという好循環を生むことができました。

就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?

大和ハウス工業のエントリーシートは記入項目が非常に多く、すべての項目を300文字以内でまとめる必要があったため、何度も先生に添削していただきました。限られた文字数で自分の思いを伝えるのは非常に難しく苦心しましたが、修正していく過程で本当に伝えたいことが明確になっていき、おかげで面接でもスムーズに自分の考えを伝えることができたと思います。
また、大和ハウス工業のインターンシップにも参加しました。他大学の学生たちとグループディスカッションをしたのですが、周りの学生は話すのがとても上手で、意見も筋が通ったものばかり。コミュニケーション能力の差を痛感し、これではダメだと、就職活動直前に開催される就活実践キャンプに参加しました。
就活実践キャンプでは、本番のような緊張感のなかで模擬面接が行われます。それまでに面接練習をしたことはありましたが、本番さながらの環境でこそ本当の実力や課題がわかるということもあり、私もこの模擬面接で多くの課題点が洗い出されました。ただ、面接官役の先生が具体的できめ細かいアドバイスをしてくださったので、自分のやるべきことが明確になり、とても有意義な機会だったと思います。
キャンプが終わったあとも個人的に指導を仰ぎたいと思ったので、先生にお願いに行った際に大和ハウス工業が第一志望であることを伝えると、「よし、そこに向けて一緒に頑張ろう!」と言ってくださったのが、とても嬉しく心強かったです。正直、私には高すぎる目標だと感じていたので半ば諦めていたのですが、先生の言葉を聞いて「絶対に受かってやる」という強い思いが生まれました。以降、何度もマンツーマンで面接練習をしていただき、課題だったコミュニケーション能力を十分に鍛えることができたと感じています。

大和ハウス工業の選考には、どのように臨まれましたか?

面接では大学でやってきたことについて聞かれ、学生消防隊での防災活動の話をアピール。大和ハウス工業は災害時に役立つエネルギー事業にも力を入れているので、ぜひこの会社で働きたいという気持ちを伝え、無事に選考を通過しました。最終面接では、二次面接で答えたことを深堀りされましたが、緊張することもなく落ち着いて対応できました。面接官の方からも「面接慣れしているね」と言われたのですが、大学の先生と二人三脚でコミュニケーション能力を磨いてきた成果だと思います。
そして最終面接から4日後の朝、大学へ行く前に一本の電話が掛かってきました。「大和ハウス工業です。内定おめでとうございます」。そう言われた瞬間、面接では緊張しなかったのに急に緊張してしまい、うまく返答することができませんでした。インターンシップ参加時は周りの学生と大きな差を感じていましたし、自分の中ではかなり高い目標だっただけに、文字通り言葉が出ないほど嬉しい気持ちで一杯になりました。

今後の抱負についてお聞かせください。

購買部への配属を希望しているので、希望が叶えば設備や部品などを最適なルートとコストで購入して、お客様と会社の利益に貢献したいと考えています。また、万が一災害が起こって被災地で仮設住宅を建てることになったら、1日も早く仮設住宅を建設できるよう迅速に動き、被災者の方々のお役に立ちたいと思っています。

受験生の皆さんへのメッセージ

学内でも学外でも、自分から積極的に行動して、いろいろ経験を積んでください。そのなかで、自分のやりたいことを見つけ、ぜひ大学の先生に相談してみてください。経法大は、学生と教員の距離がとても近いので、きっと先生が親身になってアドバイスをくれると思います。私自身、ほぼマンツーマンで多くのことを指導していただきました。キャリアコンサルタントの方から的確なアドバイスがいただけるのも、経法大の大きな魅力ですよ。

※掲載内容は取材当時のものです。

学生消防隊
「SAFETY」

八尾市消防本部との協定により、2016年7月、大阪府で初となる学生消防隊「SAFETY」が本学で発足されました。第一期のメンバーは、消防官や警察官をめざす学生を中心とする50名。八尾市消防本部の消防官による指導のもと、放水訓練や傷病者搬送訓練、AEDの使い方講習等に取り組み、八尾市消防本部の防災設備査察に同行するなど、積極的な防災支援活動を展開。地域防災に貢献するとともに、体験から学べる、実践的なキャリア教育の場となっています。

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