民間企業
本当の自分を見つめ直して勝ち取った内定。
これからは、人の気持ちを動かす番組づくりに励んでいきたい。
内定先についてお聞かせください。
株式会社TBSスパークルから内定をいただきました。
TBSスパークルは、ドキュメンタリー番組やCMの制作などを手掛ける、テレビ番組の制作プロダクションです。TBSのパートナー企業として、多くの番組を制作してきた会社ですが、最近ではTBS以外の民法キー局やNHK、BS・CS・CATV、ローカル局などの番組も制作しています。また、バラエティやドラマなどにも力を入れはじめていて、幅広いジャンルの番組を制作できるスペシャリスト集団へと進化している会社でもあります。
入社後は、アシスタントディレクターとして、さまざまな番組制作の補佐をしていく予定です。いわゆる、ADという職種ですね。ADの仕事に決まりはありません。番組制作に関連する多種多様な仕事をこなす必要があるため、かなりの激務ではありますが、総合演出や監督をめざして経験を積んでいきたいと思っています。
どのようなきっかけで、テレビ業界に興味を持たれたのでしょうか?
きっかけは、YouTubeにアップされていたラジオ番組です。有名な放送作家と芸人が出演しているラジオ番組で、次の動画候補に挙がってきたので何気なく聴き始めたのですが、その番組との出会いで僕の人生は決まりました。そこで語られていたのが、テレビ番組の裏側の話、つまり番組制作に関する内容だったんです。どんなことを考えながら、どのように番組づくりをしているのか。時に熱く、時におもしろおかしく、番組制作への熱い思いが語られていました。「テレビ番組の制作って、おもしろい!」番組を視聴しながら、静かな興奮が胸の奥から湧き上がってくるのを感じました。そして何より、番組制作の仕事を本当に楽しみながらやっているのが伝わってきて、「自分もこんな風に、楽しみながら仕事がしたい!」と強く思うようになりました。それが、大学2年生の時のことです。
実はそれまでは、公務員をめざしていました。経法大に入学したのも、公務員合格の実績が高く、授業も充実している大学だったからです。ただ、公務員の道をめざしていた理由は、ワーク・ライフ・バランスの良さと安定した待遇面になんとなく魅力を感じていただけで、特別な使命感や夢があったわけではありませんでした。だから、テレビ制作の仕事と出会えた時は、胸を熱くする道を見つけることができて本当にうれしかったですね。
大学生活で印象に残っている授業や取り組みはありますか?
真っ先に思い出されるのは、海外フィールドスタディですね。1年生の時にミャンマーへ、2年生の時にカンボジアへ行きました。国際部の裵(ペ)先生に参加を勧めていただいたのですが、おかげで世界の広さと多様性を体感することができました。その時の衝撃や楽しさが忘れられず、3年生の終わりに一人でアジア旅行も敢行。一人だけで海外に飛び込む怖さや不安もありましたが、行動力や度胸がついたと思います。今、テレビ業界に進む立場から振り返ってみると、世界の実情を肌で感じることができたのは、とても貴重な経験だったと思います。世界への扉を開いてくださった裵先生には、感謝してもしきれません。
また、3年生の時に参加した、学生研究発表大会も思い出深い取り組みですね。「禁煙と分煙」をテーマに、社会の現状などを広く調査・分析し、ゼミの仲間と綿密に資料をつくり上げました。発表時はつくり込んだ資料を読み上げるのではなく、要点だけを覚えて、話すプレゼンをするよう心掛けました。その結果、発表を見ていた多くの友人から「とても良かったよ!」と声を掛けられ、大会でも3位入賞を果たすことができました。想像もしていなかった結果に驚きながらも、人前でプレゼンすることへの自信を深めることができました。
それから、公務員特別演習も印象に残っていますね。少人数のグループで行う活発なディスカッションが楽しかったですし、何より担当の西口先生の話がためになるものばかりでした。そのため、2年生で公務員からテレビ業界へと進路を変更しましたが、3年生の終わりまで演習は受講し続けていました。テレビ番組の制作は、チームで力を合わせて作り上げていくものなので、グループワークを中心に学修する公務員特別演習は、チーム制作力を養ういい機会になったと思います。
就活にはどのように取り組まれたのでしょうか?
3年生からのキャリア演習では、実践的な面接練習やプレゼン練習に取り組みました。常に就活を意識しながら受けていたので、着実に成長できている実感がありました。3年生の冬には、就活実践キャンプにも参加。面接練習では厳しいダメ出しもありましたが、自分の課題をはっきりさせることができたので、全く苦には感じなかったです。むしろ楽しかったくらいで、とても有意義な合宿になりました。
そして、本当にありがたかったのが、キャリアセンターの存在です。何度も何度もエントリーシートの添削をしていただいたおかげで、最初に書いた内容とは比べものにならない程、質の高い内容に仕上げることができました。
自分で自己PRを書き始めた頃は、カメラアシスタントのアルバイトの話と海外留学の話の二択しか頭になく、それをもとに書いた文章をキャリアセンターの方に見ていただいていました。しかし、何度か修正を重ねていくうちに、「本当にこの内容で、他の大学生と差別化できるのか?」という疑問が生まれてきて、1カ月くらい悩み続けたんです。キャリアセンターの方にもアドバイスをいただきながら、悩んで悩んで、悩み抜いた末にたどり着いた答えは、小さな頃から夢中になって取り組んできた「だんじり祭」でした。就活生らしい答えを探すのではなく、自分の奥深くに根ざしているものを見つめ直すことで、自分という人間の輪郭をハッキリさせることができたんです。そのことに気づいてからは、自信を持って自己PRを書くことができました。その後も、何度も何度もキャリアセンターの方に添削していただき、他の大学生には真似できない、自分だけのエントリーシートに仕上げることができました。
TBSスパークルの選考は、どのようなものでしたか?
正直な話をすると、TBSスパークルの志望度は、最初はそれほど高くありませんでした。と言うのも、テレビ業界を志したきっかけになったラジオ番組は、バラエティの番組制作に関する話が中心だったので、就活を始めた頃はバラエティ番組をつくる会社に入りたいと思っていたんです。でも、TBSスパークルはドキュメンタリー中心の会社。どうしても優先度は低くなりがちでした。ただ、逆にそれが良い方向に働いて、TBSスパークルの試験は、変に気負うことなく、リラックスして受けることができました。だから、一次面接も二次面接も、自分の考えをスラスラ話せました。二次ではグループワークもありましたが、それも緊張することなく、参加者たちとのディスカッションを楽しんでいたくらいです。
最終面接は、さすがに少し緊張しましたね。でも、他社の最終面接で、大部屋に役員がずらりと並んでいて、その前に自分がポツンと座っているという、まるでドラマのような面接を経験していたので、「あの時の緊張に比べたら、これくらい大丈夫」と自分に言い聞かせて、乗り切ることができました。
最初は志望度が高くなかったTBSスパークルですが、選考が進んでいく中で、バラエティやドラマなど、幅広いジャンルに拡大していっていることを知り、魅力を感じるようになりました。結局、第一志望だったバラエティ中心の制作会社からも内定をいただきましたが、TBSスパークルのチャレンジ精神や将来性に惹かれ、進路先として決めました。
今後の抱負についてお聞かせください。
まず、テレビ業界に憧れを抱くきっかけになった、バラエティ番組の制作には挑戦したいですね。それから、ドキュメンタリーやドラマなど、幅広いジャンルの番組制作に関わっていきたいです。笑えるものから泣けるものまで、どんなジャンルの番組制作に携わるとしても、まずは自分が仕事を楽しむこと。それだけは忘れずに、人の気持ちを動かせる番組づくりに励んでいこうと思っています。そして、将来は、バラエティでは総合演出、ドラマやドキュメンタリーでは監督になれるように、日々ステップアップしていくつもりです。
※掲載内容は取材当時のものです。
海外フィールドスタディ
本学独自の特色ある短期の海外体験型プログラムです。本学の海外協定校や提携機関との協力の下、訪問校の先生、訪問国の市民、子供たちとの交流を通じて、社会の諸相に触れます。海外が初めてでも、外国語が苦手でも大丈夫。本格的な留学に出る学生のほとんどが、留学前にこのプログラムに参加します。新しい出会い、発見があるはずです。