公務員・教員
学生防犯隊の活動をきっかけに進路を決断。
子どもたちの安心安全を守る警察官になる!
警察官をめざしたのはいつ頃ですか?
決めたのは大学3年生のときです。きっかけは3年生から「学生防犯隊」の活動に参加したことです。八尾市役所・生活安全課におけるボランティア活動で、自転車の前かごにひったくり防止カバーを取り付けたり、小学校の校門前での登校時の挨拶運動をしたり、青パト(青色防犯灯を備えたパトロールカー)に同乗して地域の防犯パトロールを行うなどが主な活動です。
学生防犯隊の活動は僕にとって非常に興味深く、充実した経験でした。挨拶運動では最初は恥ずかしさもあってか、子どもたちはなかなか挨拶を返してくれず、皆でどうすればいいかを話し合い、先輩たちには実際に挨拶しているところをチエックしてもらいました。すると「近藤くん、顔が怖いよ。それと服装が地味では?」と指摘され、それからは笑顔を意識して、キャラクターのシャツを着ていくようにしました。今ではこちらよりも先に「おはよう!」と挨拶してくれますし、僕の顔も覚えてくれています。なぜ挨拶が大切かといえば、犯罪者は声を掛けられるのを嫌うから。挨拶の輪を広げていくことは、防犯の面でも効果があるのです。また、青パトの活動では、下校時の子どもたちの見守りも行っています。横に広がっての歩行など、事故の要因になりそうな状況を見かけたら注意を促します。地域の子どもたちを守る活動は、私にとって大きなやりがいです。
学生防犯隊の活動が面白くて、警察官になると決めたのですか?
それに加えて、青パトに同乗いただいた大阪府警OBの方との出会いが決定的でした。その方は30年以上にわたる大阪府警でのキャリアを生かして、今は八尾市役所に勤務されています。警察官の職務について様々な話をうかがい、例えば「(社会の安全を守る)自衛官や消防官もやりがいのある仕事だと思うけど、何かあったとき犯人を検挙できるのは警察官だけ」などのお話が心に響き、警察官をめざすことを決断しました。3年生の夏頃のことです。
その方からは職業選択において影響をいただけただけでなく、大阪府警の試験対策までして下さいました。エントリーシートの書き方から、1次試験の小論文対策、2次試験の面接対策までご指導いただきました。小論文は必ず自分の考えを盛り込むことと、文字を丁寧に書くことを教えてくださり、面接では部屋の入り方から質問の受け答えまで、模擬面接の形式で指導して下さいました。
試験対策で大学の制度は利用しましたか?
警察官になると決めたのは3年生のときですが、公務員の進路イメージは持っていたので、1年生から2年生の前半頃まで、学内Wスクール「Sコース(特修講座)」の公務員講座を受講していました。公務員試験で欠かせない数的推理、判断推理などの問題はすでにSコースで準備できていたので、1次試験については政治・経済の問題を覚えるだけという状況でした。そこで大学の「公務員採用試験直前対策講座」に参加して学びました。予備校から来校された先生の話が非常に面白く、雑談も交えて学生の興味を引き出してくれる内容で、頭に入りやすかったことが印象に残っています。講義中、集中力が途切れないように、あまり机のほうに顔を向けないように言われました。答え合わせの際でも、机の答案用紙ではなく前を見ろと。政治や経済は自分の弱点だったので、覚えやすい授業をしてくれた直前対策には助けられました。
また、専門ゼミの学修も公務員試験に生かすことができました。今年(2016年)は参議院選挙など大きな選挙が実施された年。タイムリーな話題なので出題される可能性があるということで、先生から公職選挙法について学んでおくようにアドバイスされ、実際に出題もありました。いま卒論の準備中ですが、公職選挙法をテーマに作成しようと考えています。
業界研究セミナーにも参加していたようですが、民間企業も受けたのですか?
はい。念のため民間企業の就活も行いましたので、業界研究セミナーに参加しました。実際、警備会社を受けて内定をいただいていました。試験内容は適性検査と小論文。小論文のテーマは、行きたい警備分野を示してその理由を述べるという内容でした。しっかり対策を立てて臨みましたので、すんなりと書けました。結局、大阪府警に決まり内定を辞退したわけですが。
就勝実践キャンプにも参加しました。公務員対策とともに民間企業対策も受けさせてもらうことで、例えば企業のグループディスカッションの場で、1つの課題に対する多様な意見が聞けたことは、答えの幅が広がったという点で警察官の面接対策としても有効でした。また、キャンプには、大阪府警に内定された先輩が参加されていたので、実際の面接の様子について質問しました。先輩は、まず姿勢を正して会場に入るように助言してくださいました。防犯隊でお世話になったOBの方のアドバイスと同じでしたね。
警察官の選考には体力試験がありますが、どのような準備をされていましたか?
1年生から筋トレサークルに入っていました。警察官志望を固めたのは3年生ですが、高校で武道をやっていたこともあり、大学で身体をなまらせるのが嫌でずっと筋トレをしていました。アルバイトが忙しくクラブ活動は難しかったのですが、サークルは空き時間など行きたいときに行けるので続けられました。LINEで仲間を誘ったり、筋トレ中に交流したり、皆で一緒に楽しく体力づくりに励むことができました。
また、花岡キャンパス近くの学生寮に住んでいたのですが、毎朝少し離れた神社までランニングしていました。寮は花岡キャンパスから徒歩で5分ほどの場所にあり、食事は朝夕と寮母さんが作ってくれます。お風呂は大浴場。恵まれた環境でした。寮で特に良かったことは、友達との出会いです。実は学生防犯隊の活動は、寮で誘われたことがきっかけでした。また、寮にはSコースの仲間や警察官志望者もいて、帰ってから一緒に勉強するなどお互いを支え合う間柄でした。
就職後の抱負についてお聞かせください。
合格者説明会で警察学校を見学させていただき、厳しい日々が待っていることへの心構えができました。まずは警察学校に全力を注ぎます。大学で体力づくりに励んできた成果を存分に発揮しようと意気込んでいます。
最初は交番勤務になりますが、地域住民との接点が多い重要な任務だと思います。交番勤務では、学生防犯隊で市民や子どもたちとコミュニケーションを図ってきた経験を活かしたいと思っています。住民の方々だけでなく、上司、同僚、後輩とも元気で明るく接していける警察官になりたいですね。
現在まだ学生ですが、「合格者はすでに警察官だという自覚を持ちなさい」と言われています。だから意識としては、すでに警察官の一員です。電車では席を譲りますし、好きなバイクも必ず法廷速度を守って走ります。
目標は生活安全部への配属です。学生防犯隊で子どもの安全・安心を守る活動をしてきたので、警察官になっても少年非行防止などに携わりたいですね。子どもを守れる警察官になりたいと思っています。
※掲載内容は取材当時のものです。