公務員・教員
支えてくれた地域の人々に恩返しできるように、
誰からも信頼される超地域密着型の公務員をめざす。
日高町役場職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?
高校3年生の時、大学進学を前に将来のことを考えてる中で、大好きな地元で安定した職に就きたいという思いが芽生えてきました。「地元で安定した職」となれば自然と選択肢は公務員に絞られ、公務員に強い経法大への進学を選択しました。
私の地元の和歌山県日高町は、人や地域とのつながりが強く、祭りなどの地元行事も大切にしています。祭りの時は、私も神輿を担いで町中を練り歩きました。公務員という目標を見据えた時、これまで自分がいかに地域の人々に支えられて育ってきたかということに気づき、今度は自分が地域を支えていくことで恩返しがしたいと考えるようになりました。
民間企業からも内定を獲得されたそうですね。
3年生までは公務員一本で考えていたのですが、それだけでは視野が狭くなると感じ、民間企業も受けてみることにしました。公務員一本で突き進んだ結果、採用試験に落ちてしまったらどうしよう」という思いも正直ありました。
しかし、実際に民間企業を受けてみると、さまざまな魅力や果たそうとしている使命があることを知り、「公務員の滑り止め」という意識はなくなっていきました。むしろ、公務員採用試験に合格した後、民間企業と公務員どちらを選ぶべきか迷ったくらいです。地元に本社があるスーパーマーケットからも内定をいただきましたが、とても熱意のある社長で、地元に貢献したいという意識が高い企業でした。公務員として行政の立場で地元に貢献するのも、スーパーで食を通して地元に貢献するのも、手段が違うだけで目的は同じ。どちらを選ぶべきか迷いましたが、最終的に行政の方が幅広い形で貢献できると考え、公務員の道を選択しました。
大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?
公務員試験合格には欠かせない授業として挙げられるのは、やはり「公務員特別演習」と「Sコース(特修講座)」ですね。元東京都庁職員の先生が、リアルな実務の話や裏話などを交えながら教えてくださる「公務員特別演習」では、公務員という仕事を理解することができました。公務員がいかに素晴らしく意義のある仕事かということだけを学ぶのではなく、その背景にある苦労や課題なども含めて知ることができ、公務員に対する覚悟がより強固になったと感じています。また、マイナンバーカードにまつわる個人情報の取り扱いについて、海外の制度を引き合いに出しながら学んだり、どうあるべきかを議論したりすることで、自分一人ではたどり着けない結論を得ることができ、思考が大幅に広がったと思っています。ゼミでも同じ先生の下で学んでいるので、卒業論文でもマイナンバーカードの在り方について、韓国の住民登録番号制度と比較させながら研究を進めています。
「Sコース(特修講座)」では、筆記試験対策を一から教えていただきました。1年生の時は、どうやって学修すべきか分からない状態だったので、目標とする自治体を決め、自治体ごとに傾向と対策をレクチャーしていただくことで、しっかり基礎を固めることができました。2年生以降は1カ月に1回は模試の過去問を解き、弱点を洗い出すことに注力しました。勉強をサボりたくなる時もありましたが、同じ公務員志望の仲間から刺激をもらい、モチベーションを維持することができました。自分一人で勉強する時間も長いため、怠けそうになる気持ちを消してくれる仲間の存在はとても大きかったです。
また、コロナ禍では自宅で勉強することも多くなったので、集中力を継続できる時間や、休憩の間隔を検証し、自分なりの勉強リズムを確立していきました。一日中勉強する人もいますが、私の場合は一日5時間程度で効率よく勉強できるようになりました。コロナ禍という逆境下でも自分なりの勉強方法を確立できたことは、採用試験へ向けた大きなはずみになったと感じています。
就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?
試験前の最終確認としてSコースの公務員試験直前対策講座を受講しました。忘れている部分も所々あったので、直前に復習できた効果は大きかったです。この時解いた問題は実際の試験でも出題されたので、試験勉強の総仕上げとして受けて本当に良かったですね。
面接対策としては、友人と想定質問答集を約100問つくり、お互いが面接官になって模擬面接をしました。有難いことにゼミの先生も個別に時間を割いてくださり、何度も模擬面接に付き合ってくださいました。実際に都庁で採用も担当されていた先生から実践的なノウハウを丁寧に教えていただき、本番の面接にも活かすことができました。面接対策だけでなく、論文添削も個別にしていただいていたので、本当に感謝の気持ちしかありません。
本番の試験でも、その成果を発揮できましたか?
一次試験の筆記、論文ともに、これまで培ってきた力を発揮し、問題なくクリアできました。二次試験の個人面接とグループディスカションは、しっかり練習してきたので不安はありませんでしたが、イレギュラーな質問には少し焦りました。たとえば、「和歌山には市町村はいくつあるか知っていますか?」や、「向こうから目上の人が歩いてきました。そこに立って挨拶してみてください」という内容です。しかし、正解が分からない時は、正直かつ快活に対応するなど、等身大の自分でぶつかることができました。これは友人や先生と試験対策に費やしてきた膨大な時間が自信になり、私を支えてくれていたからだと思います。
合格を知った時は、どんな気持ちでしたか?
10月8日に選考結果が発表されていたのですが、発表は10月中旬と聞いていたので一緒に受けた友人から受かっていることを知らされるまで、自分が合格していることに気づいていませんでした。普通ならドキドキしながらスマートフォンを握りしめ、発表の時刻に恐る恐るホームページを開くと思うのですが、あまりに拍子抜けなかたちで合格を知り、最初は合格の実感が湧きませんでしたね。少し経ってから「本当に受かったんだな」と、じわじわ喜びが溢れてきました。
今後の抱負についてお聞かせください。
面接の質疑応答の練習は、公務員にとって何が大切なのかを考えることにもつながりました。私が行き着いた答えは「信頼されること」です。町役場は公務員さえいれば成り立つものではありません。町にはさまざまな町民の営みがあり、それをより豊かで便利なものにしていくには、町民と役場が一体となって様々なことに取り組む必要があります。そこに信頼関係がなければ、役場は円滑に機能しないはずです。私の理想とする公務員像は、町民との距離感が近く、困ったことがあれば何でも相談してもらえる人。超地域密着型の公務員です。少子高齢化が進む日本において、日高町は人口1万人突破を目標にしているので、人口増という側面からも地元に貢献していきたいと思っています。
※掲載内容は取材当時のものです。