公務員・教員
幼い頃からの憧れだった警察官。
大学での経験が夢の実現につながった。
京都府警察の採用試験合格、おめでとうございます。
まずは、警察官を志したきっかけについてお聞かせください。
ありがとうございます。
実は、父が警察官なんです。幼い頃から父の姿を見て育ってきたので、何かきっかけがあったというよりは、自然と憧れを抱いていた感じですね。
子どもの頃の僕にとって、制服を着てパトカーに乗る父の姿は、とても眩しく大きく見えました。いつか自分もあの制服に袖を通して、父のように活躍したいと思っていたのを覚えています。父の同僚の方もよく家に遊びに来ていましたが、その時に見せる柔らかな表情と警察署で働いている時のキリッとした表情のギャップも、カッコいいなと思っていました。だから、自分が働いている姿を想像した時、警察官が真っ先に頭に浮かんできましたね。
警察官をめざすために、経法大に入学されたのですね。
はい、そうです。公務員採用試験の合格率が高く、警察官にも強い法学部の公務員コースに惹かれて経法大を志望しました。高校時代は陸上に打ち込んでいたので、正直、大学についての情報収集は全くできていませんでしたが、僕の代わりに母が色々と情報を集めてくれ、経法大は母から薦められました。友人が進学する地元の大学でもいいかな、と漠然と考えていた当時の僕は、経法大の存在を知って、警察官になるための学修環境が充実していて、同じ道を志す仲間と切磋琢磨できる大学が一番だと思い直しました。
大学では、どのような学修に取り組んでこられましたか?
法学部の公務員コースで、警察官の採用試験合格に向けた勉強に力を注ぎました。でも、大学から自宅が遠かったので、最初の頃はかなり苦労しましたね。朝6時くらいに家を出て、バスと電車を乗り継ぎ、約2時間半かけての通学。家に帰るのも夜遅くなるので、できるバイトも限られます。そんな生活だったので、1年生の頃はとにかく履修した授業を落とさないようにするのに必死でした。
「Sコース(特修講座)」の公務員講座も受講していましたが、時間的にも体力的にも厳しくなって、2年生からは受講を諦めました。でも、学部の授業でも対策は十分可能でした。実際に受講した刑法や民法など法律関係の授業や、元奈良県警の石川先生による「警察学入門」はかなり役に立ちました。警察法の条文について、なぜこのような条文があるのかなどを紐解いていき、警察官の在り方や期待される能力、適性などについて深く理解することができました。
また、奈良県警の元警察署長である西口先生の「公務員特別演習」では、少人数クラスで採用試験対策の学修ができるだけでなく、同じ道を志す多くの仲間を得ることができました。出会った仲間とは、休日に大阪の体育館を借りて体力テストの練習をするようにもなり、採用試験に合格した今でも練習を続けています。警察官になってからも、この絆は大切にしたいですね。
京都府警の採用試験には、どのように臨まれましたか?
「公務員採用試験直前対策講座」を受講し、試験に向けて勉強漬けの日々を過ごしました。判断推理や数的推理などを基礎からみっちり叩き込み、時事問題なども講師の方が厳選して教えてくださったので、本番直前に見返したりしていました。その甲斐あって一次試験は無事に合格。その後、1泊2日の「公務員試験対策合宿」に参加して、面接練習に打ち込み、採用試験に合格した先輩の貴重な話を聞かせていただきました。面接練習では、大学の先生が面接官役。それでもとても緊張して、言おうと思って事前に準備していたことが全部飛んでしまいました。自分では言いたいことを伝えているつもりでも、長くなって話の全体像がぼやけたり、うまく伝わらなかったり、先生から客観的な指摘をいただいたおかげで、いろいろな課題を見つけることができました。思うように話せないもどかしさから最初は焦りもしましたが、何度も練習を重ねるうちに少しずつ自信をつけていきました。
本番の面接でもこの時の経験が生き、伝えたいことを凝縮して話すことができたと思います。集団面接だったので、隣の人と内容が被らないように注意し、たとえ被ったとしても自分の個性が出るように工夫して話せました。聞かれたことに対しても、その場で臨機応変に対応できたと思います。だから、試験が終わった後も、「やれることは全てやった。後はなるようになる」とさっぱりした気分で家路に着きました。
合格を知った時は、どんな気持ちでしたか?
合格発表の日はインターネットで合否を確認しました。画面の中に自分の番号を見つけた瞬間、一気に目が覚めました。「やったー!合格している!」。階段を一気に駆け下りて、一階にいる母にも合格を伝えました。合格をとても喜んでくれている母の姿を見ていると、僕をサポートすることで母も一緒に試験に臨んでくれていたんだなと感謝の気持ちで一杯になりました。父は勤務中なので、電話ではなくメールで合格を報告しました。すると、すぐに電話がかかってきて、「おめでとう!」と言ってくれました。やっと父と同じ警察官への道に立つことができた瞬間。小さい頃からの夢が叶って、本当にこの日は最高の気分でした。
それでは、今後の抱負についてお聞かせください。
警察学校は、その厳しさから辞めていく人も多いと聞きますが、まずは自分のやれることを精一杯やっていきたいと思っています。そして、1日も早く警察官になって現場に出て、父と同じようにパトカーに乗って京都の街を守っていきたいです。
※掲載内容は取材当時のものです。