公務員・教員

同じ女性の立場で、女性を犯罪から守る力になる。
そう心に決めたから、どんな困難も乗り越えられた。

大阪府警察 合格小島 千央 さんChihiro Kojima法学部法律学科卒(2018年3月) / 大阪府 早稲田摂陵高校 出身

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大阪府警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについて、お聞かせください。

ありがとうございます。
きっかけとなったのは、高校2年生の時、学校で女子生徒を対象に行われた痴漢防犯講習会です。その時、来校された大阪府警の警察官の方々は、全員、女性でした。私はそれまで、警察官には男性のイメージを持っていましたが、その講習会で女性警察官の方々の話を聞き、警察官という仕事への興味が一気にわきあがりました。
講習会のあとは、女性警察官の方々から、具体的な仕事内容について詳しく聞くことができたのですが、負けず嫌いで、人の役に立ちたいと考えている自分に、ぴったりの仕事だと感じたのです。また、大阪府警には音楽隊があることも教えていただきました。私は中学・高校と吹奏楽に打ち込んできたので、「将来は警察官として活躍しながら、音楽隊に入って演奏活動もできれば」といった夢もふくらみ、それ以後は、将来の自分の進路として真剣に考えるようになりました。

では警察官をめざす学修に取り組むために、公務員コースがある経法大に入学されたのですね。

はい。高校では吹奏楽コースで音楽を中心に学んだので、大学では警察官の採用試験に向けた勉強にしっかりと取り組みたいと考え、そのための環境が整ったこの大学を選びました。
大学入学後は、法学部の授業とSコース(特修講座)の公務員講座で、公務員をめざすためにしっかりと学ぶことができました。でもそうした勉強以上に力を注いだのは、テコンドー部での活動だったと思います。
警察官をめざす上での体力づくりのため、大学に入ったら、何か武道に取り組もうと考えていました。経法大の武道系のクラブをいろいろ見学し、「これにしよう!」と感じたのが、テコンドー部。真剣に練習に取り組む先輩たちの姿に惹かれ、また、部員の多くが警察官や消防官をめざしていると聞き、「一緒に頑張りたい」と思いました。

それまでテコンドーの経験はまったくなかったのですか?

はい。それどころか、テコンドーというスポーツを知ったのも、この時が初めてでした。しかも私は、もともと運動が得意ではありません。「警察官をめざすために」という想いで入部しましたが、正直、練習はとてもきつかったですね。経法大のテコンドー部といえば、全国大会での実績も高い強豪で、先輩たちも子どもの頃から打ち込んできた人がほとんど。初心者の私は、練習についていくのがやっとでした。周りの人たちも、私が最初に辞めると思っていたようです。しかし、同期の他の部員が辞めても、私は最後まで頑張り続けました。
確かに練習は厳しかったですが、先輩や仲間たちはやさしい人ばかり。「この人たちと一緒なら」という想いもありましたし、何より負けず嫌いであることもありました。私の出身高校は、吹奏楽の名門校。校内の厳しいオーディションを勝ち抜いて、全国大会の舞台にも立ちました。運動は得意ではなかったけれど、負けたくない気持ちは吹奏楽の時と違いはありません。テコンドーの試合中に一度骨折もしましたが、それでもその数ヵ月後、3年生の秋の全日本学生テコンドー選手権大会で、私は46キロ級の3位という結果を出すことができました。優勝できなかったのは悔しかったけれど、けがを乗り越えての大会でそこまで頑張れたことには、胸を張れます。

初心者からのスタートで全国3位にまで登り詰めたのは、本当にすごいですね。

警察官をめざす上で、体力面でも精神面でも、自信を高めることができたと思います。「何事に対してもあきらめない気持ち」は、吹奏楽に打ち込むなかでも養ってきましたが、テコンドー部でよりその気持ちが強くなりました。あと、協調性もですね。テコンドーは個人競技ですが、部員が一丸となってという意識が強く、「周囲の支えがあるから」「仲間の存在があるから試合に勝てる」、というのが絶対的にあるんです。そうした仲間意識や協調性は、警察官になってからも生かせるはずだと確信しています。本当に、いい仲間と出会えて、いい経験ができたと思います。テコンドー部に入っていなかったら、警察官をめざすという気持ちも最後まで貫き通せたかどうか、わからないくらいです。

警察官採用試験合格への道のりも、楽ではなかったと聞きましたが。

そうですね。3年生の終わり頃にはテコンドー部での活動を引退し、採用試験の直前対策講座を受けるなどして試験準備に集中しましたが、そこからスムーズに合格に至ったわけではありません。
5月に大阪府警察の採用試験を、自己推薦枠で受けました。高校での吹奏楽全国大会出場経験を、評価してもらおうと考えてのことです。でも、結果は不合格。教養試験でも、面接試験でも、手応えはあったのですが、論文が思うように書けなかったことが要因だと感じています。この自己推薦枠は合格人数が少なく、狭き門だったことはわかっていましたが、それでも悔しくて、かなり落ち込みました。でもその次に行われる一般選考が最後のチャンスになるので、そこに向けてなんとか気持ちを切り替えようと頑張りました。民間企業は一切受けず、警察官一本にしぼりました。「私には警察官しかない」と考えていましたから。

二度目の挑戦には、どのように臨まれましたか?

教養試験についてはこれまで勉強してきたことを復習し、論文試験の対策はエクステンションセンターの参考書を活用しました。面接試験については、一回目の試験の前にも模擬面接を何度も繰り返して練習しましたが、このラストチャンスに向けて悔いを残さないよう、さらに練習を重ねました。
先生には、「自分に自信を持って、面接官の目を見て、思っていることをまっすぐに伝えなさい」とアドバイスをいただきました。吹奏楽やテコンドーを通じての成長など、私には自信を持ってアピールできることがたくさんある。それはわかっていたので、あとはしっかりと伝えることができるよう練習するだけだと思い、試験直前まで先生との模擬面接を何度も行いました。その成果は、本番の面接試験で充分に発揮できたと思います。
合格を知ったのは、12月8日の朝。自宅でネットを通じて自分の番号を見つけた時は、飛び上がるような気持ちでした。外出先で私の連絡を待っていた母は、「最高の親孝行」と言って、泣いて喜んでくれました。大学では、一緒に受験して合格できた友人や先生と、最高の気持ちを共有することができました。本当に、本当に、うれしかったです。

今後の抱負についてお聞かせください。

まず、警察学校での半年間の訓練を頑張りたいと思います。学生時代に養った忍耐力や協調性を発揮し、同期である仲間とともに、みんなで一緒にやり抜くというのが、当面の目標です。
将来の希望配属部署は、鉄道警察隊。私が警察官を志したきっかけは痴漢防犯講習会ですし、女性が被害に遭いやすい痴漢を取り締まりたいという意識は強く持っています。
痴漢以外でも女性を狙った犯罪は多く、その被害から女性を本当に救えるのは、同じ女性だと私は思います。男性の警察官には、相談しにくいこともありますから。女性という特性を生かして府民を守れる警察官として、成長を重ねたいですね。
あとは音楽隊での活動も、チャンスがあればぜひ、と考えています!

受験生の皆さんへのメッセージ

私は警察官をめざしてこの大学に入りましたが、「今はまだ将来のことはわからない」といった人も少なくないと思います。そういった人に、ぜひ警察官や消防官という仕事を、視野に入れてもらいたいですね。採用試験は簡単ではなく、体力的にもたいへんですが、絶対にめざす価値が高い仕事だと、私は思います。そしてもう一つ、大学に入ったら部活に挑戦することをおすすめします。経法大にはいろいろなクラブやサークルがありますし、体育会系でも、文化系でも、自分の興味があることをぜひ見つけてください。就活などでの自己PRの材料にもなりますし、部活で頑張った経験は、将来に向けての自信にもなりますから!

※掲載内容は取材当時のものです。

テコンドー部

テコンドーとは韓国の国技で足技がメインのスポーツです。本学のテコンドー部は全国でも有名なクラブで数々の実績を残しています。
今までにオリンピック日本代表、全日本選手権、全日本学生選手権大会等の優勝者、ユニバ-シア-ド大会等の世界大会の代表選手を輩出しています。そのため練習は厳しいですがやってみる価値はあります。蹴り技がほとんどのスポーツなので、とてもかっこいいです。
男女、初心者問わずぜひ参加してください。

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