公務員・教員
大学で学ぶなかで見つけた、国税専門官という目標。
高い志をもつ仲間たちとともに、重ねた努力が実った。
国税専門官の採用試験合格、おめでとうございます。
国税専門官を志したきっかけについてお聞かせください。
ありがとうございます。
小学生の頃に税理士の仕事に関心を持ち、その後、公認会計士についても詳しく知るようになって、将来はこうした国家資格を取得して会計や税務に関わる職業に就きたいと考えていました。経法大に入学後、Sコース(特修講座)の会計職講座を受講し、1年生の6月に日商簿記検定3級試験に合格、11月には2級試験にも合格しました。
それからしばらく経った1年生の冬に、ゼミで八尾税務署の署長にお話をうかがう機会があったんです。その話のなかで、国税専門官という仕事について聞かせていただき、興味を持ったのがきっかけになりました。
国税専門官のどういったところに魅力を感じたのですか?
国家公務員として国税局や税務署で、正しく納税が行われるように指導や調査にあたることが国税専門官の仕事です。時には税法上の不正を暴くこともあります。そうした社会的正義を守る役割を担う点に、強く惹かれました。
それまでは公認会計士や税理士に憧れていましたが、将来、自分がそうした仕事に就いた後、どんな働き方をするかということまではイメージできていませんでしたが、国税専門官という職種を知り、ようやく「将来、こんな仕事ができるようになりたい」という、はっきりとした目標ができたと思います。また、八尾税務署の署長からは、国税専門官として働くなかで税理士資格を取得できるとも教わり、それならまず国税専門官をめざそうと、本気で考えるようになりました。
その後、国税専門官をめざすための学習には、どのように取り組んで来られたのですか?
まずゼミの先生に相談し、2年生からはSコースの公務員講座を受講することにしました。Sコース公務員講座では、国家公務員である国税専門官の試験の内容について詳しく知ることができたのが良かったと思います。ただ、科目がかなり多かったので、勉強はたいへんでしたね。なかでも法律はそれまでまったく学んでこなかったので、一から取り組まなければなりませんでした。だから、Sコースでの学習だけでなく、経法相互乗り入れ制度を活用し、授業でも「民法」などの科目を選択履修して、国税専門官試験に必要な法律知識の習得に励みました。それでも苦に感じることなく、いろいろな知識を得られることがとても楽しく思えましたね。
また、国税専門官の試験科目には経済学もあるのですが、こちらについては経済学部の授業でマクロ経済学もミクロ経済学も学んでいましたので、Sコースでの学習にもスムーズに取り組めました。経済と法律の両方が学べるこの大学は、国税専門官をめざす上でとても良い環境だったと感じます。
受験までに壁に突き当たるようなことはありませんでしたか?
毎日の勉強量は多かったですが、順調に進めることができたと思います。3年生からは、さらに細やかな試験対策に取り組むことができましたから。科目が多いことに最初は少し戸惑いましたが、先生のアドバイスによって、「得意科目で高い点数を取ることで不得意科目をカバーする」という考え方で、得意科目の学習に重点をおき、学習効率を高めることができたのも良かったと思います。
3年生の2月に受けた最初の模試でも「このまま頑張り続ければ合格できそうだ」という手応えが得られ、以後、模試を受けるたびに点数をアップさせ、自信とモチベーションを高めていくことができました。
そうした学習の成果を、本番の試験で発揮することができたのですね。
はい。朝9時から夜10時まで勉強、といった日々を過ごしてきましたから、これだけ頑張ってきてダメだったら仕方がないという気持ちで、6月に一次の筆記試験に挑み、無事、合格を果たしました。
ただ、二次試験を受けるにあたっては、少し苦労しましたね。二次は面接試験でしたから、その対策をするために、一次試験の直後にゼミの先生やエクステンションセンターの職員の方が、模擬面接をしてくださったんです。初めての模擬面接では、話そうとしていることがうまくまとまらず、何を言っているのか自分でもわからなくなってしまって、自信を失いそうになりました。でもエクステンションセンターの職員の方が国税専門官の面接試験での問答事例が書かれた本を貸してくださり、この本を参考にしながら模擬面接を繰り返すことで、だんだんしっかりとした受け答えができるようになっていったんです。そのおかげで本番の面接試験には余裕をもって臨め、合格することができました。
その後は全国の国税局の採用面接試験があり、僕は関東信越国税局を受験して、この試験にも合格。これから自分が働く場所が決まったことで、ようやく心からホッとしました。両親にも喜んでもらえ、これまで頑張ってきて良かったという、うれしさがこみ上げましたね。
ずっと頑張り続けてこられた、そのモチベーションの支えとなったのは何ですか?
僕と同じように高い目標を持ち、一緒に頑張ってきた友人たちの存在が大きかったですね。1年生の時のSコース会計職講座で、公認会計士と税理士をおのおのめざしている友人たちと仲良くなったんです。二人とも模試などで常にいい結果を出し、確実に目標に向かって前進し続けていたので、それが刺激になり、「僕も負けられない」という意欲を保つことができました。会計法の学習ではこの友人たちから教わることもありましたし、二次試験の直前には面接の練習相手にもなってもらいました。本当にいい友人に恵まれたと実感しています。一緒に頑張れる仲間がいたから、勉強も楽しく感じることができたと思います。
今後の抱負についてお聞かせください。
将来は調査官として働きたいという希望を持っており、納税における不正を防ぎ、公正な社会を築くことに貢献したいと思っています。そのため、これからも税法などについての知識をさらに深めていかなければと考えています。なにしろ仕事相手となるのは、税務の専門家である税理士や企業の経営者の方々ですから、そうした人たちに、確かな説得力をもって、しっかりとした説明や指導ができるよう、知識やスキルをどこまでも高めていきたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。