公務員・教員
学習面での指導に加え、生徒たちの人間的成長も
支えていくことができる教育者でありたい。
現在就かれているお仕事についてお聞かせください。
社会科教員として、大阪府立高校で勤務しています。
担当科目は日本史と現代社会。クラス担任も務めています。生徒たちはみんな勉強熱心で、授業が終わったあと、「わかりやすい」などとすぐに反応を返してくれるのがうれしいですね。授業以外では、テニス部の顧問も担当しています。
教職を志したきっかけをお聞かせください。
中学生の時にクラブチームで野球に取り組み、そこでコーチを受けた指導者の方に憧れて、「教える」ということに関心を抱くようになりました。それがきっかけで教師になりたいと考えるようになり、教職課程が受けられる経法大に入学しました。
大学入学後は、塾で講師のアルバイトも経験しました。自分が教えたことを子どもたちが理解し、成長していく姿を見るのがとてもうれしく、「自分には教師が向いている」と実感できたのが良かったと思います。
大学の教職課程では、どのような授業が印象に残っていますか?
模擬授業に取り組んだことですね。学生の一人が教員役となり、生徒役の他の学生の前で、実際に1コマの授業を行うんです。教壇に立ってみて初めて気づくことも多く、また他の学生の教え方を見るのも参考になりました。模擬授業を終えたあとには、学生同士で「ここはこうしたほうがいいのではないか」と、お互いにアドバイスをしあって、みんなで授業の質を高めていくことができたのが良かったと思います。模擬授業の経験は、今もとても役に立っています。
教職課程では、「教師になりたい」という同じ目標を持つ仲間たちとともに学べたことも、プラスになったと思います。お互い刺激し合うことで励みになりましたし、悩みを相談し合ったり、情報交換をしたりと、強い仲間意識を持ち、とてもいい交流ができました。
大学での学びのなかで、他にも「現在のご自身」に結びついていることはありますか?
法学部で、法律の勉強をしておいて良かったと、いま改めて実感しています。社会科を生徒に教えるうえで、法律の知識がベースにあるというのはとても大きいと感じています。例えば、日本史の場合ですと、法律は年代によって改変が繰り返されていますので、そうした法律の替わり目と歴史の動きとを結びつけながら教えることで、生徒たちの理解をより深めることができます。自分が教壇に立ちながら、たびたび法学部での授業を思い出すこともあり、実践に生かせる学修ができたことをとてもありがたく感じています。
教員採用試験の受験にあたって、ご苦労はありましたか?
当初より「地元の大阪府の高校で働きたい」という希望を持っていましたが、大阪府の高校社会科教員の倍率は高く、狭き門であることを覚悟したうえでの挑戦でした。
最初に採用試験を受けたのは、大学4年生の夏。しかし、その時は合格に至りませんでした。民間企業への就職も考えましたが、それでも「やはり自分には教職しかない」という想いが強く、教職の道をあきらめることはできませんでした。「何年もかかるかもしれないが、頑張らせてほしい」と親にも話し、翌年の再受験を決めました。
大学卒業後は、運良く大阪府立高校の非常勤講師として働くことができました。現在勤務している高校とは別の高校ですが、先生方には教員採用試験の受験にあたってのアドバイスをいただくなど、たいへん親切にしていただき、とても感謝しています。校長先生や教頭先生は、私がお願いしたわけでもないのに、わざわざ面接試験の練習までしてくださいました。そうした力強い支えもあって、二度目の採用試験で、合格という結果を手にすることができました。自分は恵まれていると、心から感じました。
今後の抱負についてお聞かせください。
社会科教師として授業の質をより高めていくことと、そしてもうひとつ、生徒の人間的な成長を支えていくことができる教員をめざしています。
生徒指導も担当していることから、先輩である先生方に教えていただきながら、生徒を人間としてよりよい方向に導く指導に取り組んでいきたいですね。学習面と人間的な成長、両方についての確かな指導ができる教育者として、私自身も成長を重ねていきたいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。