公務員・教員

島の未来を思って、学び続けた4年間。
身につけた知識のすべてを、町づくりに役立てていきたい。

知名町役場 合格吉田 雄輝 さんYuki Yoshida経済学部経済学科卒(2020年3月) / 鹿児島県立 沖永良部高校 出身

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知名町役場の採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったタイミングと、大学選びの決め手となったポイントを教えてください。

ありがとうございます。
公務員を意識するようになったのは、高校3年生の時です。学校の取り組みで地元・知名町役場の方たちと町づくりについて話し合った際、知名町が消滅可能性都市であると知ったのがきっかけでした。それまで、生まれ故郷である沖永良部島のために何かしようと思ったことはありませんでしたが、大好きな島や町を未来へ残していくために、行政という立場から働きかけていきたいと考えるようになったんです。
だから、地域活性化プロジェクトに取り組む経法大のゼミ活動には、とても魅力を感じました。ここで4年間しっかり学べば、身につけた知識やノウハウを島へ持ち帰って町づくりに役立てられるはず。そう考えて、経法大への進学を決めました。

大学では、どのような学修に取り組まれましたか?

主に、観光や地域に関する学修を深めていきました。「観光論」では、インバウンドがもたらす経済効果について学ぶ一方で、外国人観光客のマナーの悪化など、直面している課題についても学びました。多様なバックグラウンドをもった外国人観光客に対して、どんなルールを設定し、どのように周知徹底していくべきか。簡単には答えは出ないですが、知名町は2020年の東京オリンピック・パラリンピック参加国のホストタウンになっているため、この授業で学んだ知識を活かしていければと思っています。「地域デザイン論」や「地域経済」では、全国の自治体が取り組んでいる地域起こしの事例を分析していくことで、地域活性化の本質や地方財政の基礎理論を学ぶことができました。その過程で、地域活性化には「発想力」が大切さであることも実感。たとえば、地域に企業を誘致して活性化を図る場合、一般的にはロケーションの観点から地方への誘致は難しいと考えがちですが、場所を問わずに仕事ができるIT企業やデータセンターなら立地に縛られることなく誘致が可能です。「こういった発想力は沖永良部島でも活用できる」と考えながら授業を受けていたので、毎回多くの知識と刺激を得ることができました。

ゼミでの活動は、将来にどう結びつきそうですか?

八尾市にある中小企業とコラボして、さまざまな商品開発に取り組むので、企業の方と毎週のようにお会いする機会があるんです。実際のビジネスとまではいきませんが、その中で味わう緊張感やスピード感は、普通に大学生活を送っていては経験できない貴重なものでした。
私はゼミ長をやっていたので、商品開発のアイデア出しに参加するというよりは、同時進行している複数プロジェクトを統括・管理するのが主な役割。各プロジェクトのリーダーに進捗確認をしたり、上級生や下級生とのつなぎ役になったりと、ゼミ生全員がプロジェクトに集中できる環境づくりに専念していました。
ただ、年に一回発行している「八尾セレクション」という地域情報誌の制作には、私もかなり力を入れて参加しました。掲載するお店へのアポ取りから取材・撮影まで、すべて学生の力だけで進めていくので、印刷された八尾セレクションを手にした時は「みんなで協力すれば、どんなことでも成し遂げられるんだな」と感動したのを覚えています。
製品開発や情報誌制作などのプロジェクトを通して、実際に地域の人々と関わり合いながら地域活性化に取り組んだ経験は、行政の仕事にも必ず役立ってくると思っています。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

「沖洲会(ちゅうしゅうかい)」での活動が、一番印象に残っています。沖洲会とは、沖永良部島の出身者で構成された県人会のような組織のことで、全国各地にその支部が存在しています。私は関西若手メンバーのまとめ役のような役割だったので、定期的に若者だけを集めた交流会を開催していました。その集まりに知名町役場の方が興味を持ってくださり、行政と若者が交流する会を開催することができたんです。今、知名町は地域デザインの専門家を招いて本格的に町づくりを進めているところなんですが、その専門家の方を私たちとの交流会に連れて来てくださったことがありました。町づくりに関して活発な意見交換ができ、参加した沖洲会メンバーも「これまで交流会とは違って、島への思いを具体的な取り組みに変えていける可能性を感じた」と満足げな表情だったので、改めて行政のすごさを感じた出来事でしたね。

公務員試験に向けては、どのような準備をされましたか?

1年生から「Sコース(特修講座)」で、筆記試験対策を進めてきました。3年生の秋からは、知名町役場に絞った試験勉強がしたいと思い、大学の先輩が紹介してくれた学外の個別指導にも通っていました。だから、筆記試験対策は万全でしたね。また、「公務員特別演習」では、公務員採用試験の論文対策がしっかりできたと感じています。先生に添削していただきながら繰り返し練習することで、起承転結を正しく理解・展開し、自分の考えを論理的に表現する力が身につきました。面接練習にも励み、面接スキルはかなりアップしたと思います。アピールしたいことが盛り沢山だったので、最初はうまくまとめられなかったのですが、先生との練習のおかげで、理路整然と要点を伝えられるようになりました。知名町役場の採用試験を受けるために沖永良部島へ帰った際、高校時代の先生にも面接練習をしていただいたのですが、「面接に関しては何も言うことはない」と言われたので、自信を持って本番に臨むことができましたね。

本番の試験でも、その成果は発揮できましたか?

はい。筆記、論文、面接ともに成果を発揮できたと感じています。論文だけは少し時間が足りなくなってしまいましたが、「若者が輝ける町づくり」について考えていることは伝えられたと思います。面接では、面接官に顔見知りの方がいて少しやりづらい面もありましたが、これまで取り組んできたことや町づくりに対する考えをしっかり語ることができ、手応えもありました。

合格の連絡を受けた時は、どんな気持ちでしたか?

高校3年生から思い描いてきた夢だったので、合格したら相当うれしいだろうなと思っていたんです。でも、実際は驚くほど冷静な自分がいました。合格がゴールじゃないとは前から思っていましたが、合格を知った瞬間、「島に貢献していくために、これからどんな準備をしていこうか」と、すぐに仕事のことを考えはじめたんです。もちろん、合格した喜びもありましたが、それ以上に町役場職員としての責任感の方が大きかったですね。

今後の抱負についてお聞かせください。

今、沖永良部島への移住者増加施策について、卒業論文で研究しているんですが、改めて島のことを学び直すことができています。なので、まずはこの卒業論文に専念して、役場での仕事にも活かしていけるくらいの内容に仕上げたいと思っています。また、大学卒業までに、旅行も兼ねて全国の自治体を見て回りたいとも考えています。離島専門の引越し業者の社長さんと知り合ったのですが、五島列島支店ができたらしいので、まずは五島列島に行くつもりです。島の人とどのように関係性を築いているのか、沖永良部島にどう活用できるのかなど、しっかり見てきたいと思います。

受験生の皆さんへのメッセージ

私には町役場という明確な目標があったので、それに合わせて大学を選びましたが、まだ目標が見つかっていない人も多いと思います。そんな人は、まずしっかり悩んでください。そして、先生や家族、友人にどんどん相談してください。しっかり考えて選んだ答えなら、きっと悔いは残らないはずです。深く考えないまま進路を決めるなんてことは、決してしないでほしい。そして、大学生になったら、興味の赴くまま好きなことに挑戦して、いろいろな経験を積んでください。たくさん学んで、たくさん遊んで、充実した大学生活を送ってくださいね。

※掲載内容は取材当時のものです。

奄美・沖縄会

第48回経法祭では、沖縄県・鹿児島県出身の学生たちで結成された「奄美・沖縄会」によるエイサー、三線披露、音楽系クラブ生が日頃の成果を発揮しました。
また、奄美・沖縄会と、経法祭実行委員会の学生たちが中心となり、首里城火災に対する支援金活動(ボランティア活動)も行われました。
このボランティア活動を通じて、いただいた募金額47,894円は、那覇市の「首里城火災に対する支援金活動事務局」に全額、寄付する予定です。ご支援ご協力、ありがとうございました。

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