公務員・教員

消防は“チームプレー”。
一日も早く、仲間から頼られる存在になりたい。

高松市消防局 勤務田中 栄壮 さんTanaka Hiroh法学部卒(2012年3月) / 香川県立 香川中央高校 出身

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現在、どのようなお仕事をされていますか?

生まれ育った香川県高松市で消防士をしています。消防の任務は、警防・救急・救助・予防の大きく4つに分けられるのですが、そのうちの警防と予防にあたることが多いですね。
警防は、いわゆる消火活動で、一台の消防車に3〜4名が乗り込んで出動し、現場の状況に応じて役割分担しながらチームプレーで消火作業を行っていきます。火災は寒い季節になると増えますね。空気も乾燥していきますし、暖房器具が多く使われるようになりますから。管轄区域で火災が発生し、スピーカーから出動令が流れてくると、一気に署内の空気は張り詰めます。冷静でいられるよう努めていますが、事態によっては自分の血圧が上がっているのが分かることもありますね。
予防は、できる限り火災が発生しないよう建物の完成検査に立ち会って基準に則っているかを調査したり、消火栓をはじめとする設備がいつでも使用できる状態にあるかを点検して回るなどの、備えの業務にあたります。

お仕事では、どのようなことを心掛けていますか?

現場ではシビアな場面に遭遇することもありますから、メンタル面のタフさは求められますね。なるべく考えないようにしていても、ふとした瞬間に思い出すことがありますし、自分ひとりで溜め込むと参ってしまうので、そんな時は起こったことや感じたことをなるべく署内で話すようにしています。話すことで少しは開放され、軽減できる部分もありますから。互いに気にかけ、理解し合うという連帯感がとても大切だなと感じています。
日常的に心掛けているのは、毎日ひとつは新たな知識を学ぶこと。周りに勉強熱心な先輩方が多く、常に新しい情報・知識を学び、吸収しようとされているので、その姿に刺激を受け、時間があれば勉強するようになりました。参考とするものはさまざまで、業界誌に目を通すこともあれば、消防士の方が開いているホームページを閲覧することもありますし、現場報告書を読むことも勉強になりますね。体力や技能、経験など消防士として備えていくべき要素はいくつもありますが、知識をアップデートしていくことも欠かせないな仕事だと思っています。

現在の仕事を志望したのは、どのようなきっかけからでしたか?

高校で就職についての授業があり、何の仕事をしていきたいだろうと考えた時に、もともと自分のために何かをするよりも誰かのために行動するほうが性に合っていたので、人に奉仕する仕事がいいなと思ったんです。小学生の頃からスポーツを続けていたこともあり、体力を活かせる職業ならなおいいなと、警察官か消防士を目指すことにしました。父が公務員として働く姿を見てきたことも大きかったように思います。
最終的に消防士を選んだのは、大学3年の夏休みに公務員Uターン就職ツアーに参加した時ですね。現職の方の話を伺い、チームワークがとても重要な仕事だと感じられたので、自分にはこちらが合っているなと思い決めました。

大学進学にあたり、経法大を選んだ理由は何でしたか?

公務員試験に向けた勉強ができる大学へ行きたいと考えていたので、いろいろと調べ、資格取得のためのサポートプログラムが充実している経法大を選びました。公務員コースが法学部に設けられていて、(公務員)試験に必要な法律知識を正課授業で学べるのも魅力でしたし、Sコース・公務員講座の中で警察・消防モデルが特化されたカリキュラムとして設けられているのもありがたかったですね。
親からも、ずっと地元にい続けるより一度四国から出てみたほうが成長できるよと言われていたので、最適な選択だったと思っています。

学生時代は、どのように過ごしていましたか?

在学中は、高校の部活動でやっていたハンドボールを社会人に混じって趣味として楽しんだり、アルバイトもしていましたが、公務員試験合格という目標があったので、学業が生活の中心でしたね。Sコースも1年生から受講していましたし、試験勉強になるべく多くの時間を使えるよう早い時期に卒業に必要な単位を取得しておこうと考えていましたから。そして予定通り、3年生の春学期には、ほとんどの単位を取り終えることができました。
Sコースの授業は、ほんとうに基礎的なレベルから教えてもらえるので、とても助かりました。公務員試験の出題科目に含まれる数学には特に不安を持っていたのですが、丁寧に解き方や考え方を指導していただけたので、かなりの学力アップにつながったと思います。また、1年生のうちから同じ目標を持った同級生たちが集まって学べたことも、とても励みになりました。
消防士に目標を定めた3年生の秋学期以降は、面接試験の対策にも積極的に取り組みました。エクステンションセンターで職員の方や学外のアドバイザーの方に何度も模擬面接をしていただきながら、自己アピールの内容をブラッシュアップしたり、間のとり方など話し方のアドバイスをもらったりしましたね。おかげで、本番の面接にも臆することなく臨むことができました。

では最後に、今後の目標をお聞かせ下さい。

一日も早く、先輩方のような一人前の消防士になりたいなと思っています。そのためにも、自分にできることを少しでも増やしていきたいですね。できる事が増えれば、業務に組み込んでもらいやすくなりますし、より多くの場面で署やチームに貢献できるようになりますから。当面の目標としては、大型免許の取得を検討しています。肉体的にも精神的にもタフな仕事ではありますが、向上心を持ち続けながら日々の仕事に取り組んでいこうと思います。

受験生の皆さんへのメッセージ

公務員もそうですが、資格試験に合格することで就ける仕事を目指すなら、なるべく早い時期から始めるほうがいいですね。計画的に、自分なりのペースで勉強できるので、着実に力を付けていくことができますから。
私の場合で言えば、たとえば教科書を読み進めるにも一日に10ページと決めると、あえてそれ以上にならないよう心掛けていましたね。決めた量を終えれば、あとの時間は体力作りに使うほうがいいなと考えていました。目指していた消防士や警察官が体を資本とする仕事ということもありますが、リフレッシュにもなるのでおすすめです。とにかく自分に合った、長丁場を上手に過ごせるやり方を見つけて、頑張ってほしいなと思います。

※掲載内容は取材当時のものです。

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