公務員・教員

周りに支えられて掴んだ合格。
これからは、私が兵庫の未来を支えていきたい。

兵庫県職員採用試験 合格巴山 涼香 さんRyouka Hayama法学部法律学科卒(2021年3月) / 大阪府 城南学園高校 出身

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兵庫県庁職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?

元々は、人の役に立てる仕事として警察官を志望していました。しかし、2年生の時に、経法大の卒業生で教職に就いている姉から「ひとくくりに公務員と言っても幅広い仕事があるから、警察以外も調べてみたら?」と言われたのをきっかけに行政についても調べはじめたんです。すると、姉のアドバイス通り本当に幅広い仕事があることを知り、政策や日々の業務を通して住民の方々をサポートできる行政職に強く惹かれていきました。
私は兵庫県に隣接している大阪の池田市で育ったため、家族や友人と出掛ける時は兵庫県に行くことが多く、地元とはまた違う身近さを感じていました。行政職を志すようになってから、改めて兵庫県について調べてみると、商業都市の大阪府に比べ、観光資源がとても多く、大きな可能性を感じました。しかし一方で、広大な面積を有しているだけに過疎化が進んでいる地域も点在しています。こうした可能性や課題なども含め、地域の活性化に取り組んでみたいと思うようになり、兵庫県庁を志望するようになりました。

国税専門官にも合格され、民間企業からも内定を獲得されたそうですね。

はい。想像以上の結果に自分でも驚いています。国税専門官については、3年生のゼミの授業で初めてその存在を知ったのですが、税のスペシャリストとして幅広い業務に携わりながら、多くの知識を学んでいける仕事であると先生から教わり、とても興味を持ちました。また、国税専門官になれば、勤続年数に応じて税理士試験が免除される制度があるんです。将来的には税理士として自分の事務所を開き、確定申告や税に関する悩みがある人をサポートすることができるというキャリアステップにも大きな魅力を感じました。
「試験科目も公務員試験と重なる部分があるし、挑戦してみよう」、そう考えて国税専門官に向けた試験勉強を開始しましたが、試験科目はまったく同じではありませんでした。国税専門官向けの学修も必要になるため、公務員試験の学修と並行して行うのはかなり大変でしたね。
特に今年は新型コロナウイルス感染症の流行に伴う影響で大学が閉鎖され、採用試験の日程も延期になってしまったので、学修面でも精神面でも難しい部分がありました。自宅にこもって黙々と勉強していると、この先どこに照準を合わせて走り続ければいいのかわからなくなり、気が抜けてしまった時期も正直ありました。
それでも、「じっとしているくらいなら民間企業の選考にも参加してよう」と思い直し、私自身もユーザーである株式会社DHCの選考に飛び込んでみることにしたんです。女性販売員が店頭で活き活きと働く姿を見て、素敵だなと思っていたので、内定をいただけた時は本当にうれしかったです。国税専門官にしても販売員にしても、とても魅力的な職業なので、辞退するのはとても心苦しかったですが、すべての試験で最高の結果を得ることができて、とても満足しています。

これほど合格・内定を実現できた要因は何だと思われますか?

大学でのあらゆる学修が寄与していると思いますが、一番はやはり「Sコース(特修講座)」ですね。幼い頃から空手ばかりしてきた私は、しっかり腰を据えて勉強した経験がなかったので、大学入学当初は何から学修すればいいのかわからない状態でした。そんな私にとって基礎から丁寧に教えてもらえるSコースは、大きな助けとなりました。本格的に公務員試験に向けた勉強をはじめた後も、大学が閉まる時間ギリギリまで個別指導していただいたり、山のように持ち込んだ質問事項のすべてに答えていただいたりと、先生方の手厚いサポートのおかげで合格できたと言っても過言ではありません。
ゼミでは、民法に関わる判例の考察を通して、法律への理解を深めることができました。先生が選んだ判例について、どのような趣旨や経緯から判決が出されたのかを、さまざまな角度から考察していくことで、私の頭の中もすっきりと整理されていき、深い理解につながっていったと感じています。また、Sコースの授業でも同じような判例が出てくるので、ゼミとSコースの相乗効果で理解の定着も進みました。正課授業の「行政救済法」と「行政法総論」も、Sコースでさらに学修していくことで、噛み砕いて理解することができ、本番の試験でも役立つレベルにまで高めることができました。
3年生の時の「公務員特別演習」も、試験対策としては欠かせない授業でした。小論文を中心に取り組んでいたのですが、演習外でも、先生に頼んで個人的に課題を出していただきました。自分で頼んでおきながら「こんなに書かされるとは」と、少し後悔するほどの数を書いたおかげで、文章力や読解力など総合的な力を身につけることができたと思います。また、予定されていたSコースの小論文の授業がコロナ禍の影響で実施されなかったため、結果的にこの取り組みをして、本当に良かったと思います。
また、試験に直結する学修だけではなく、公務員という同じ目標に向かって努力する仲間の存在も大きな支えになりました。朝から晩まで図書館で勉強していると、どうしても集中が切れる時があります。そんな時、頑張っている仲間の姿を見ると刺激を受けましたし、一緒にご飯を食べたり、悩みを共有したりすることで、「また頑張って勉強しよう」という気持ちになれました。いま振り返ってみると、友人に限らず、教職員の方々や家族の存在が、私の合格を支えてくれていたんだと実感しています。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

空手道部での活動が印象に残っています。空手は3歳からずっと打ち込んできましたが、大学での空手には、これまでにない難しさがありました。それは、勉強との両立です。3年生になって公務員試験に向けた勉強が本格化してくると、いよいよ両立が難しくなってきました。しかし、試合も試験も待ってはくれません。悩んだ末に出した答えは、3年生の9月にある大会までは空手に集中し、それ以降は勉強一本に切り替えるというもの。そう決心してからは、思い切って勉強の手を止め、毎日練習に励みました。関西学生空手道オープントーナメントという関西一円の大学が参加する大きな大会では、練習の甲斐もあって、見事決勝に進出。しかも、決勝の相手は同じ空手道部の後輩です。お互いに全力を出し切った良い試合ができた上、優勝というおまけまでついてきたので、学生生活の最後を締めくくる大会として最高の思い出になりました。
空手をずっと続けてきて思うのは、努力した分だけ大きな成果が得られるということ。もちろん、すべての努力が報われるわけではありませんが、諦めずに自分を信じてやり抜くからこそ得られる感動や結果があると身をもって知りました。これは空手に限った話ではなく、勉強も同じだと思います。予備校に通う友人たちを見て、「私も通わないとダメなのかな?みんなに勉強時間で負けてないかな?」と不安になったり、途中で投げ出したくなったりすることもありました。でも、結局は自分がどこまで努力できるか。予備校に通えば合格できるわけではありません。空手を通して培ってきた精神力のおかげで、自分を信じて最後まで試験に向けて努力を続けることができたと思います。

公務員試験のために、どのような準備をされたのですか?

まず、面接対策に取り組みました。とは言え、何から取り組めばいいのかわからなかったので、キャリアセンターに通い詰めてイチから指導していただきました。自己分析や面接練習を通して自分の課題を浮き彫りにし、ひとつずつクリアにしていきました。そして公務就職支援室では、兵庫県庁に沿った面接練習をしていただきました。職員の方が、過去の面接内容を私以上に調べてくださっていたので、とても実践的な練習ができたことに感謝しています。このようなサポートのおかげで、面接では暗記した言葉ではなく、自分の言葉として話せるようになり、状況に応じてエピソードをアレンジして話せるようにまで成長できました。
さらに、集中して勉強する科目の絞り込みを先生と一緒に進めました。筆記試験の出題科目は多岐にわたるため、効率的に勉強を進めるためには重要でした。その結果、経済学を補強する必要があると判断し、エクステンションセンターの職員に頼み、わかりやすいと評判の授業を、特別にオンライン配信していただいて学修を深めていきました。

本番の試験でも、その成果は発揮できましたか?

はい。筆記試験では経済学の応用問題が出ましたが、基礎がしっかりできていたので、対応することができました。他の問題も、Sコースやゼミなどで勉強した成果を発揮することができ、手応えは十分でしたね。ただ、一次面接では極度に緊張してしまい、変な汗が止まりませんでした。民間企業の面接を経験してはいましたが、公務員の面接はまた別物です。「せっかく筆記試験を通過したのに、ここで失敗すればすべてが水の泡」。そう思うと、どうしても気持ちの焦りを抑えることができなかったんです。そんな私を見かねてか、優しい面接官の方が「リラックスしてね」と声をかけてくださり、やっと緊張を解くことができました。全体的に手応えはありませんでしたが、話すにつれて緊張はなくなっていき、最終的に普段通りに話すことはできたと思います。
最終面接は面接官が3名でしたが、そのうちの一名の面接官の質問にうまく答えることができませんでした。「そういう意図で聞いたのではなく、こういう意図で聞いたんです」と、何度か問い直されてしまいました。正直、「これは落ちたな」と思いましたね。試験が終わってからもそのことがずっと悔やまれ、合格発表の日までモヤモヤしていました。
そのため、合格したら「やったー!合格したー!」という感じになると思っていたのですが、実際は、何ともいえない感情がジワジワとこみ上げてくるだけでした。もちろん、うれしかったのですが、私よりも両親の方が喜んでいましたね。そんな両親の姿を見て、頑張ってきてよかったなと素直に思いました。

今後の抱負についてお聞かせください。

これまで多くの人に支えられてきたので、これからは私が兵庫県の皆さまを支えていく番です。社会に出ると、今まで経験したことのない課題に直面すると思いますが、いわゆる社会の荒波に揉まれながら、さまざまな経験を重ねてスキルアップしていきたいと思います。将来的には、兵庫県を活性化させるような幅広い取り組みを主導していきたいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

自分を助けてくれる人や頼れる人が周りにいるのは、とてもありがたいことです。公務員試験を通して、私は友人や教職員の方々、そして家族の存在の大切さを実感しました。大学受験も孤独な戦いのように感じているかもしれませんが、きっと多くの方々に支えられているはずです。勉強に励むのはもちろん大切ですが、つらい時は素直に弱音を吐ける仲間や、いつでも相談できる場所をつくっておくことも大切ですよ。経法大にはそのような環境が整っています。皆さんの大学生活が実りあるものになることを願っています。

※掲載内容は取材当時のものです。

空手道部

空手道部は、「明るく、元気に」をモットーに毎日練習に励んでいます。
普段は、「明るく」「楽しく」「仲良く」していますが、練習になるとしっかり気持ちを切り替えて一生懸命に稽古に励み、大会での上位成績を目指して日々頑張っています。
チームワークが良く大会でも西日本団体戦ベスト8という結果を残しています。
男女問わず、全員が一つになって色々な事に取り組み、試合等に臨んでいます。

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