公務員・教員
試験合格は新たな努力のはじまり。
より多くの命を救うため、救急救命士をめざす。
大阪市消防局の採用試験合格、おめでとうございます。
消防官を志したきっかけについてお聞かせください。
高校生の頃から人の役に立つ仕事、なかでも人の命を救える重要な仕事に就きたいと考えていました。消防官はそんな私の想いにぴったりの仕事だと考え、憧れを抱いていましたたが、その気持ちは高校3年生で将来の進路を真剣に考える時も変わりませんでした。高校時代は野球一筋だったので、「消防官なら野球で培った体力を活かして活躍できる」と考え、夢に挑むために経法大への入学を決意しました。
大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?
1年生の時から「判断推理」や「数的処理」の授業を履修し、採用試験に向けた土台づくりを行ないました。他にも「法学の基礎」や「憲法学」などで、法律の基礎的な知識を身につけられたと思っています。
これらの土台の上に「Sコース(特修講座)」の学びをプラスすることで、非常に理解が深まり、学修のスピードもアップしました。特に判断推理や数的処理は、Sコースの先生が実践的な解法のテクニックを何通りか教えてくださったので、自分に合った解き方を見つけることができ、あらゆる問題への応用力が身についたと感じています。また、私は歴史問題が苦手だったのですが、実際の試験では数問しか出題されないため、あまり時間をかけて勉強するわけにもいきません。その点をSコースの効率的な学修でカバーできたのは、とても良かったです。数問とはいえ、得点を取れない問題をなくせたことは自信にもつながりました。このSコースの授業は、アスリートコースという体育会系クラブ生のみのクラスで受講していました。アスリートコースは部活の練習と被らない時間に開講している少人数対象の授業で、大学でも野球に取り組んでいた私にとっては非常にありがたい制度でしたね。
2年生以降は「公務員特別演習」で、消防官に向けた本質的な素養を磨き上げました。特に元警察署長である西口先生には本当にお世話になりました。公務員に必要な心構えや意識を教わるだけでなく、本番形式の模擬面接を何度もしていただき、話し方や考え方まで大きく変わったと感じています。同じ夢を志す仲間の前で模擬面接をするので、他の人の受け答えを聞けるのも良かったですね。また、救急隊として活躍しているOBから話を聞く機会があり、消防官から現場のリアルな話を聞けたのは、多くの公務員を輩出している経法大ならではのメリットだと思います。「早く自分も救急隊として活躍したい!」と消防官への本気度が高まり、勉強へのモチベーションも一気にアップしました。
大学生活で印象に残っていることはあります?
やはり野球部の活動が印象に残っています。小学生の頃に野球を始め、高校は全国有数の強豪校に進学した私は、大学では少し肩の力を抜いて野球を純粋に楽しみたいと思っていました。経法大の野球部には経験者もいましたが、レベルはバラバラ。自分がこれまでに培ったスキルをコーチングしたり、自分たちで練習メニューを考案したり、一から部をつくり上げていく感覚があり、とても楽しかったです。グラウンドが離れた場所にあるので、短い時間でいかに効率よく練習できるかを追求し、私も含め、全員がレベルアップしていくのを感じました。私は部員の中でも経験豊富な方だったので、練習や試合でも部員をリードする場面が多くなり、入学前に「大学では少し肩の力を抜いて」と思っていた自分が、嘘のようにどんどん本気になっていました。気がつくと高校の頃とはまた違った熱さで野球に取り組んでいる自分がいて、大学野球のおもしろさを肌で感じることができました。
試験本番に向けて、どのような準備をされたのですか?
論文が苦手だったので、公務就職支援室で添削をしていただきました。「公務員特別演習」で基本的な書き方は教わっていたのですが、語彙力や文章力がなかったので、最初は内容がうまく整理されていなかったと思います。週に2本ほどのペースで自主的に論文を書いて公務就職支援室に持っていくと、毎回職員の方が丁寧に添削し、的確にアドバイスをしてくださいました。一次試験の筆記試験を通過した後は、1日に2本ほどのペースで書き、添削していただきました。後になって、添削してもらった論文を見返してみると、別人が書いたのかと思うほど最初と最後の方ではレベルが違っていましたね。
また、公務就職支援室では、元消防官や元警察官の方に模擬面接もしていただきました。本番さながらの実践的な面接をしていただいたので、練習を重ねるごとに、大阪市消防局や救急に関する知識を深めることができました。実際の面接でも練習時と同じ質問が出されたので、公務就職支援室での対策は本当に心強かったです。
西口先生にも個別にSNSで相談や、エントリーシートの添削をしていただくなど、最後まで細やかにサポートしていただきました。このような手厚いサポートのおかげで、試験本番に自信を持って臨むことができました。
本番の試験でも、その成果は発揮できましたか?
はい。一次選考の筆記試験も論文も、十分な手応えがありました。特に論文は練習で数回取り組んだことのあるテーマが出題されたため、自信を持って書き上げられました。二次選考の面接も、これまでの成果を発揮して自分の思いをしっかり伝えられたと思います。しかし、警察の面接では誉められることが多かったのに対し、大阪市消防局の面接では特に誉められることもなく終了。面接の質疑応答には正解がないので、少し不安も感じましたが、自分とこれまでの努力を信じて選考結果を待っていました。
そして迎えた、合格発表の日。大阪市のホームページを開いて合格を知った瞬間は、「長い間努力してきたことが、ようやく報われた!」と晴れやかな気持ちになりました。同時に、「これから新たに消防官としての人生がはじまるんだ」と思うと、すぐに気が引き締まりました。
今後の抱負についてお聞かせください。
消防官は常に命と隣り合わせで、幅広い専門知識と高い技術が求められます。採用試験に合格したことで夢がかなったと思いましたが、むしろここからが努力の本番だといえます。私は救急隊員をめざしているので、これからも全力で訓練と勉強に取り組んでいくつもりです。消防学校に入学するまでの間も無駄にできないので、今から消防法の学修を進めています。そして、将来的には救急救命士の資格も取得し、一人でも多くの人の命を救いたいと思っています。
※掲載内容は取材当時のものです。