公務員・教員

「絶対、消防官になる」。周りにもそう宣言し、
学内外で誰よりも努力を重ねて有言実行を果たした。

大阪市消防局・大阪府警察 合格川瀬 航平 さんKouhei Kawase法学部卒(2017年3月) / 大阪府立 桜宮高校 出身

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大阪市消防局だけでなく、大阪府警へも合格、おめでとうございます。
第一志望の消防官を志したきっかけについて、お聞かせください。

「人の役に立ちたい」という思いはずっとありました。そこで自分には何ができるのかを改めて考えた時、以前に事故を目撃した際、119番しかできない自分に不甲斐なさを感じたことを思い出しました。それで自分は「いざという時、役に立つ人間」になりたいんだと気づいたんです。
そういえば、小さい頃の写真を見ると消防官の格好をしていましたし、小学生の時に訪れた職業体験施設で選んだ仕事が消防官だったんです。この職業への憧れは、ずっと何となく持っていたんだろうと思いますね。

経法大に入学後は、どのような学習に取り組まれましたか?

公務員に特化して学べる学内Wスクール「Sコース(特修講座)」を履修しながら、消防と近い警察の受験も視野に入れ、とにかく自習室を活用して勉強しました。また、授業外でも先生にいろいろと質問し、キャリアセンターに通って何をすべきかを聞いたりもしました。キャリアセンターの方からは「まだ1年生だし、ちょっと休んでもいいよ」と言われたほどです。
とくに、先生と積極的に関わることができたことで、普段の自分についてよく知っていただき、Sコース修了後もマンツーマンで教えていただくことができました。もともと警察で活躍されていた先生もいらっしゃって、その先生のゼミでは現場の話を聞かせていただき、警察学校を見学させてもらったこともあります。
並大抵の努力では消防官になれないので、当然、勉強がつらいと感じる時もありました。それを見越して、僕は普段から周りに対して「絶対、消防官になる」と宣言していました。そうやって後に引けない状況をつくり、有言実行していくのが自分らしいかなと。

消防官をめざす上で、他にはどのようなことに取り組んでこられましたか?

1年生の時から、大学の外でボランティア活動に参加していました。大学に入るまで野球しかやってこなかったので、自分の世界を広げたいという思いがあってのことです。たとえば、高校生たちと本音で語り合う「カタリ場」。これまでに2千人以上の高校生と話してきたと思います。関西のNPO法人が主催している活動なのですが、そこで事務局のお手伝いもさせていただきました。こうした経験は、とくに消防官採用試験の面接において役立ったと思います。
また、自分で調べて、日本各地で行われている消防の講習会や体験会、防災活動などにも参加しました。とくに、2年生の春休みに参加した「大阪市消防吏員採用セミナー」が自分の転機になったと思います。ある時、セミナーの中で、現役の消防官の方が参加者に向かって質問を投げかけられました。「消防官はやりがいがあると思いますか?」と。当然、みんな手を挙げますよね。そこでガツンと「やりがいは、やってみないとわからないよ」と言われたんです。ハッとしましたし、悔しかったですね。消防官について、何も知らないままめざしている自分が居ましたから。そこからスイッチが入って、それまで以上に講習会や体験会に本気で取り組むようになりました。消防官のやりがいを肌で感じ、明確な志望動機を持つために、四国で行われているイベントに足を運んだりもしました。

そういった経験から得たものを、採用試験で発揮できたのですね。

自治体によって採用試験の内容は違うのですが、1次はほぼ筆記試験です。複数の自治体の消防を受けましたが、Sコースでの対策や自習にしっかり取り組んでいたので、筆記試験で落ちることはありませんでした。でも、その後の日程がどうしても重なってくるので、第一志望だった大阪市消防局を優先しました。
面接では、これまで学内だけでなく学外でもさまざまな経験を積んできただけに、話したいことがありすぎて。キャリアゼミで面接指導を受けた時、「内容を詰め込みすぎてすべてが中途半端になっている」と言われたことを参考に、「野球」のことを中心に話しました。自分が一番長く頑張ってきたことを材料に、ボランティアなどで培った話術をもってアピールすることで、自分らしい面接になったと思います。大阪府警にも合格したのですが、何よりも第一志望だった大阪市消防局に合格できて最高の気分です。発表を見に行った時は、同行してくれた母と一緒に涙が止まりませんでした。

今後の抱負についてお聞かせください。

2016年7月、経法大の中で、大阪府で初となる「学生消防隊」が結成されました。経法大と八尾市消防本部が協定を結び、大規模災害時における相互協力や、防災啓蒙などの地域貢献、若手による防災力の向上などを目的としています。そして僕は、第一期メンバー50人の代表を務めることになりました。これから、八尾市消防本部が主催するイベントへの参加など、具体的な活動内容についてつめていかねばなりません。キャリア支援課からは、合格体験を後輩に伝えてほしいという依頼もあるので、残りの大学生活は後輩たちの道すじを開くために尽力するつもりです。
また、卒業後は半年間、消防学校で訓練を受けることになります。とても厳しいことは覚悟していますが、野球部で上下関係には慣れていますし、厳しい世界のほうが自分を高められると思います。誰よりも意識を高く持ち、半年間を有意義に乗り越えることが当面の目標です。
消防官は命に関わる仕事。そして東日本大震災などの経験から、市民の方々の消防官に対する期待は高まっていると感じます。もともと、人に頼られることは好きですし、期待に応えることが自分の生きる意味だと思っているので、全力で職務を全うしていきたいですね。そして、より高みをめざして、最終的にはレスキュー隊に入ることが目標です。一方で、教育系の道にも進みたかったので、消防学校の教官になりたいという思いもあります。その点は現場に出てから今後模索していきたいと考えています。

受験生の皆さんへのメッセージ

長い人生、大学に合格することがゴールではありません。大学入学後は「次の目標設定」を行い、前に進んでほしいと思います。僕にとっては、それが消防官になることでした。そして経法大には、消防官をめざしやすい環境があり、一緒に頑張れる仲間がいます。これから経法大では、学生消防隊の活動が本格化し、ますます夢に近づきやすくなるかと思います。面接でアピールできるような体験がきっと積めると思うので、消防官を志す人にはどんどん入学してほしいですね。でも、恵まれた環境をどう活かすかは自分次第であることも忘れないでください。僕も、これまでの経験を後輩となる皆さんに伝えつつ、皆さんの夢が叶うようにしっかりサポートしていきたいと考えています。

※掲載内容は取材当時のものです。

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