公務員・教員
警察官になりたいなら、地元にこだわる必要はない。
先生のアドバイスが、私の可能性を広げてくれた。
高知県警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについて、お聞かせください。
ありがとうございます。
警察官という仕事に興味を持ったのは、小学生の頃でした。テレビドラマなどで刑事が活躍するのを見て、かっこいいなと感じたんです。
そんな漠然とした憧れから、将来の自分の職業として真剣に考えるようになったのは高校生の時です。人々の安全と安心を守れる仕事であるという点を魅力に感じましたし、中学からソフトボールで鍛えてきた体力が活かせると思ってのことです。
また、「警察官をめざすなら、何か武道もやっておきたい」と考え、柔道も始めました。高校ではソフトボール部の主将をしていたのですが、かけもちで柔道部にも入り、空いている時間に柔道の練習に取り組みました。かなりハードでしたが、もともと体を動かすことが好きなので、まったく苦にはなりませんでしたね。
経法大に進学されたのも、警察官をめざす学習に取り組むためですか?
はい。Sコース(特修講座)など、警察官をめざすための学習環境が充実しているというのが、この大学を選んだ理由です。
実際にSコースを受講してみると、警察官の採用試験問題は、私にとってとても難しく感じられました。特に数的推理や判断推理などは、これまで見たこともないような問題ばかりで、最初はどうやって解いたらいいのか、見当もつかないほどでしたね。でも先生が熱心に指導してくださいましたし、1年生の時から少しずつ頑張ってきたことで、なんとか採用試験に合格できるまで成長できたのかなと感じています。
ずっと警察官をめざすための勉強だけに打ち込んでこられたのですか?
いいえ、そういうわけではありません。そこだけに集中しすぎると、長く続けることはできないと考え、いろいろなことに挑戦しながら大学生活を楽しみました。
スポーツクラブでのアルバイトでは、年代を問わずさまざまな人たちと接することができたのが面白かったですね。トレーニングマシンの使い方の説明などをするなかで、相手によってコミュニケーションの取り方が違ってくるということに気づき、とてもいい経験ができたと思います。
1年生の時には、海外フィールドスタディで中国にも行きました。中国人学生との交流では、身振り手振りをまじえながらあまり得意でない英語でコミュニケーションを図り、それがすごく新鮮に感じられましたね。でもそうして苦労しながらお互いの気持ちを伝えあい、言葉の壁を越えて仲良くなれたのはすごくうれしかったです。
柔道は大学に入ってからも続けてこられたのですか?
もちろんです。大学では部活は柔道部一本で頑張りました。
入部当初、女子の部員は数人の先輩だけしかいなくて、先輩たちが卒業した後は、女子部員は私一人だけ。それでも、男子と一緒に楽しく練習を続けてきました。柔道の魅力は、体格に恵まれていない選手でも、相手の力をうまく利用して勝つことができるということ。男子を投げ飛ばした時の爽快さは、格別でしたね(笑)。
警察官の採用試験に必要な体力を養うというだけでなく、仲の良い部員たちみんなで、柔道を心から楽しんでこられたことは、本当によかったと思います。
高知県警察を志望されたのは、なぜですか?
私が生まれ育ったのは大阪です。ですから、最初は大阪府警察しか考えていませんでした。でも大阪府警察は競争率が高く、合格できるかどうか、不安でした。そんな私にアドバイスをくれたのが、公務員特別演習を担当されている西口先生。「警察官になるということが目的なら、大阪という土地にこだわる理由はない。他府県にも目を向けてみたらどうだ」と。それまでそういう発想がなかったので、私にとっては大きな発見でした。
高知県警察との出会いは、大学での合同説明会。興味を持ち、その後、採用試験の前に自分の目でいろいろ確かめたいと考え、実際に高知県警察本部を訪れました。その時に、丁寧な対応をしていただき、とてもうれしかったですね。高知県警察についていろいろ教えていただいただけでなく、高知の街を案内までしてくださいました。そんな中で印象深く感じたのは、高知県警察の方々の温かさと、街の方々との距離の近さ。ここなら、親しみの持てる警察官として、街の人たちとふれあいながら成長できそうだと感じました。
両親にも相談したところ、「警察官になりたいなら、どこでもいい」と言ってもらえ、高知県で頑張りたいという気持ちを固めました。
採用試験では、大学で頑張ってきた成果が発揮できましたか?
はい。ずっと柔道を頑張ってきたおかげで、体力試験には自信を持って挑むことができ、難なくクリアできました。
面接については、就勝キャンプで西口先生に指導していただいた模擬面接が役に立ちました。その時は「志望動機をもっと明確に」といった指摘を受けていたので、本番では、事前に高知県警察の取り組みについて自分で詳しく調べ、その中で自分はこういうことがやりたい、といった意欲をアピールしました。また、高知県警察の採用試験を受ける前に、万が一のことを考えて民間企業の選考試験を受けてみたこともよかったと思います。練習とは違う本番の雰囲気を民間企業の面接で体験でき、おかげで高知県警察の面接でも気おくれせず、堂々と受け答えすることができました。
今後の抱負についてお聞かせください。
街の人たちに、頼りにされる警察官になりたいと思います。女性を狙った犯罪を防ぎたいという想いが強いですね。女性の気持ちがわかる警察官として、同じ女性を守れる存在でありたいと思います。
生まれ育った大阪を離れ、知らない街に行くのも、不安より期待が大きいです。まずは派出所勤務で、街の人たちとふれあいながらいろいろな経験を積み、やれることは何でもやっていきたいですね。そして将来、自分が警察の中でどんなことができるか、可能性を広げながら、自分にあった道を見つけていきたいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。