公務員・教員
Sコースは、夢を叶えるための場所。
その機会をフル活用し、初志貫徹で夢を実現
難関を突破し、東京消防庁合格おめでとうございます! いつ頃から消防士を志すように?
幼稚園の頃から消防士になりたいと思っていました。きっかけは、阪神淡路大震災で被災した祖父母を消防士が助け出してくれたことでした。幼いながらも、誰かのために全力を尽くす存在である消防士に魅力を感じ「いつか僕も消防士になって、おじいちゃん、おばあちゃんを助ける!」と宣言していたようです。
幼少期からずっと、消防士を目指していたわけですね?
はい。高校は体育科に進み、体操競技をやりながら、高卒で受験できる「消防官 III類」を応募しようと思っていました。高校の先生に相談し、あるとき消防官受験の模試を受けてみました。しかし、その試験内容に愕然。教養試験はかなり難しく、これらをパスしなければ消防士になれないことを思い知らされたのです。そこから、高卒で応募するのをやめ、公務員試験の勉強ができる専門学校や大学を調べ始めました。そんなとき、先輩から「大学に進学した方が、より多くの知識が身につき、将来きっと役に立つ」とアドバイスを受け、大学に絞って検討するように。本学にはSコース・公務員講座があり、多くの先輩が夢を実現していることを知り、指定校推薦制度を活用して入学しました。
1年次からSコース・公務員講座を受講した感想は?
1年次は「公務員基礎講座」で、数的推理や文章読解、法律の全般を基礎から学びました。他の受講生たちは、数的推理で学ぶ確率や図形などの数学問題を「高校で学んだな。懐かしい」といいながら解いていましたが、私は解き方もあやふやで焦りました。「まずい! このままではダメだ!」そこで気持ちを切り替え、せっかく教えてくれるのだから、自分からどんどん学ぼうと、積極的に先生に質問。分からないことは理解できるまで何度も質問し、基礎力を養うようにしました。そうするうちに、自ら勉強する習慣がつき、自宅に帰ってからも復習するようになりました。
法学部の授業+Sコースの講義を4年間続けるのは大変だったのでは?
いいえ。法学部の授業を受けるのは当たり前のこと。Sコース・公務員講座は夢を叶えるためのものなので、大変だとは少しも思いませんでした。同じ講義を受講する仲間と励まし合ったり、本学を卒業して消防士として現役で活躍している先輩にアドバイスしてもらったり、とにかく、Sコース・公務員講座に参加するだけでモチベーションが上がりました。
余談ですが、その現役消防士の先輩とはとても仲良くなり、一緒に学内のトレーニングルームでトレーニングに励むことも。その先輩が「未来の消防士へ」と、笑顔でレスキューロープと革手袋をプレゼントしてくれたときには、涙が出るほど嬉しかったです。
では、東京消防庁の試験について伺います。1次試験、いかがでしたか?
私が受験したI類1回目の応募者は、全国で7000人。大阪会場で地方受験したのですが、その会場ですら800人が押し寄せていました。前日まではガチガチに緊張しきっていたのですが、この大人数の会場に入るとなぜか冷静さを取り戻し、ほどよい緊張感に。落ち着いて試験に臨むことができました。何度も模擬試験を繰り返したこともあって、問題をスムーズに解くことができました。課題だった教養試験の合格点もなんとかクリアし、次の論文試験に進むことができました。
論文のテーマは「情報共有の大切さ」。難しいテーマでしたが、体育会クラブの自治団体のリーダーとしてクラブをまとめたことや、自分たちで立ち上げた「震災復興実行委員会」で石巻市へボランティアに行ったこと、それをきっかけに被災者を招いてシンポジウム&募金活動を行った経験などを思い出しながら、情報共有してメンバーの意識をひとつにする大切さを綴りました。自信はなかったのですが、この論文が高く評価され、1次試験をパスすることができました。
スゴイですね! では2次試験、そして合格までは・・・
2次試験は体力試験と面接です。会場は東京の消防学校。テストに使われる設備は、実際の消防士が訓練に使うものだったこともあり、テンションが上がりましたね! でも、さすがに全国から選抜された応募者たちの運動能力は高く、さながらレベルの高い運動会のようでした。日頃のトレーニングの甲斐あって、これはなんなく突破。そして面接に臨みました。面接官はとても聞き上手。「消防士になりたい」という私の熱い思いをスムーズに引きだしてくれたおかげで、和やかに終了しました。
合格発表は、ホームページ上で公開されたのですが、自分の受験番号を発見したときは、あまりのことにうれし泣きしました。「これで消防士としての第一歩を踏み出せる」と。きっかけをくれた祖父母を始め、家族全員が喜んでくれ、頑張ってよかったと思いました。
本当によかったですね。それでは、今後の抱負を聞かせてください
まずは消防学校で基礎からきっちり技術とノウハウを学びたいと思います。自分自身、これまでさまざまな人に支えられてきたし、支え合ってきました。消防活動で大切なのは、きっとこの人との協力関係、チームワークだと思います。お互いを尊重し合い、そして助け合いながら任務を果たす――そういう仕事ではないでしょうか?そしていつか、ハイパーレスキューとして困難な消防活動・救助活動に取り組めるようになりたいですね。あの日、祖父母を助け出してくれた消防隊員のように。その目標に向かって、これからも熱く走り続けたいと思います。
※掲載内容は取材当時のものです。
4年間のサクセスストーリー
- 1年生
- 消防士になるという目標を掲げ入学。Sコース・公務員講座を受講し、基礎から学ぶ。法学部の授業終了後、Sコースの講義が始まるまではトレーニングルームで自主トレ。体力テストに備えた訓練も欠かさない。
- 2年生
- 憲法や刑法、行政法などの授業で、将来公務員となったときに必要となる法律ならでは表現や言い回しを学ぶ。また、クラブ活動では体育会本部で各クラブをまとめる調整役を担う。
- 3年生
- 東日本大震災の復興支援のため、自分たちになにかできないかと夏休みを活用して石巻へボランティアに。そこで現地の方に「現状を多くの人に伝えてほしい」というメッセージを託され、学内に震災復興実行委員会を立ち上げる。震災に対する温度差をなくすために、八尾市の消防局に依頼して講演会を開いたり、被災者の方を招いてシンポジウムを開催したりした。こうした相互理解をもとに、募金活動を実施。その募金は、春の高校選抜野球に参加する石巻工業高校の活動資金なった。
- 4年生
- 東京消防庁の試験は、全国の消防局のトップを切って5月に行われる。直前模試を繰り返し、点数を上げながら本番に挑み、合格をつかみとる。
Sコースで、苦手分野を得意分野に変える
Sコース・公務員講座は、2年次から「警察・消防コース」というその道を目指すのに必要な知識が身につくようなカリキュラムが用意されています。数的推理(確率と図形)や判断推理(論理)など、最初はとても苦手でした。でも、先生にどんどん質問し、分かるようになってくるととても楽しくなります。いつの間にか、その分野が得意分野に変わっていました! 皆さんも是非チャレンジしてみてください。