公務員・教員
インターンシップやアルバイトを通じて重ねた成長。
北海道の人々を守るための力へと、つなげたい。
北海道警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官になりたいと考えたのは、いつ頃ですか?
ありがとうございます。
中学生の頃から「将来は警察官になりたい」という希望を抱いていました。女性や子どもなど、社会的弱者を守りたいという想いから、それができる仕事として、自分が一番身近に感じていたのが警察官だったのです。
大学進学を考えていた時、高校の先生が「警察官をめざすなら」と勧めてくれたのが経法大です。オープンキャンパスで、法学部の公務員コースでの学びや、多くの先輩が警察官採用試験に合格されている実績について詳しく知り、「この大学で、警察官になるための勉強に励もう」と考えました。
警察官をめざして、経法大ではどのような学修に取り組んでこられましたか?
法学部の授業で公務員採用試験の出題科目を中心に履修し、Sコース(特修講座)の公務員基礎講座を受講しました。ただ、そうした勉強だけでなく、大学では多くの人と関わりを持つ中で、社会的な視野を広げられたのが良かったと思います。
高校までの私は人見知りだったのですが、大学ではそれを克服しようと考え、周囲の人に積極的に話すことを心がけました。他学部の学生や留学生にも、自分から話しかけることで、気がつくと人見知りなんて忘れてしまうほど、たくさんの友人ができました。K-POPという共通の趣味で仲良くなった韓国人の留学生とは、経法祭でも一緒に楽しい時間を過ごせて、すごくうれしかったです。
大学生活を通じて、人間的な成長を遂げられたのですね。
はい。高校生の時から続けている飲食店のアルバイトでも、自分を成長させることができました。大学在学中に登用試験を受け、「責任者代行」という役割に就くことができました。「警察官をめざす上でも必要な、責任感を養いたい」と考えチャレンジしたのですが、新人教育やクレーム対応などにも携わるなかで、仕事における責任について身をもって学ぶことができたと思います。お客様へのスムーズな対応のために店内や厨房のすべてに目を配り、スタッフに声を掛けるといった仕事をしながら、「責任あるポジションに就くことで、初めて見えるものがある」と気づかされました。
他にも大学時代に、印象に残っている経験はありますか?
3年生の時にキャリアセンターを通じて参加した、自然学校でのインターンシップが忘れられません。
子どもたちのキャンプにカウンセラーとして同行する、というのがこのインターンシップの内容。私は子どもが大好きなので興味津々で申し込んだのですが、実際に子どもたちの世話をするというのは想像していたよりずっとたいへんでした。お菓子もゲーム機もない自然環境のなか、テントを張って二泊三日のキャンプ生活を過ごす子どもたち。未就学児もいて、慣れない環境で夜もなかなか寝付けず、そうした子どもたちをずっと見守り続ける私たちカウンセラーは、自分の時間をまったく持つことができません。それでも無我夢中で頑張るなかで、子どもたち一人ひとりに目を配り、本当の意味で「周囲を見る目」を養うことができたと思います。子どもたちの成長にも、驚かされました。最初は一人で行動していた子が、このわずかな期間のなか、いつの間にかみんなの輪の中に入り、リーダーシップをとっている。そんな様子を見て、「私も負けられない!」という、すごくいい刺激を受けました。
この自然学校には、その後も夏休みや冬休みに、何度かボランティアで参加しました。「もし警察官の試験に合格できなかったら、うちにおいでよ」といったお言葉までいただいて。本当にいい経験をさせてもらえたと思います。
学生時代の多くの経験を自らの成長に結びつけて、警察官採用試験に臨まれたのですね。
では北海道警察を志望した理由について、お聞かせください。
最初は、地元の大阪府警察しか考えていませんでした。北海道警察に興味を持ったのは、3年生の終わり頃です。警察学の授業で、北海道警察の人事担当の方が来学され、道警についていろいろな話を聞かせてくださったことが、きっかけとなりました。
特に印象的だったのは「北海道警察はワークライフバランスをとても大切に考えている」という点。警察官としての職務に力を尽くす一方で、プライベートもしっかりと充実させようという考え方について、「年間で何人が海外旅行をしている」といった数字まで挙げて説明してくださったのです。
「北海道警察についてもっと知りたい」と感じた私は、春休みに北海道警察を訪問。説明会に参加し、私が最も関心を抱いている児童虐待対策についてなど、積極的に質問をして道警の方針や施策などをより詳しく知ることができました。何より、実際に現場で活躍している女性警察官の方々の目から、仕事のやりがいや気迫を感じ取ることができたのが大きかったと思います。
それ以後は北海道警察に大きく気持ちが傾き、北海道のさまざまな街や観光地の視察も行いました。観光でなく、自分がそこで生活するという観点で街を歩いて、そのなかで北海道の人たちの温かさにもふれることができ、私の気持ちは固まっていきました。「ここで働きたい!」と。
採用試験には、どのように臨まれましたか?
一次の筆記試験は5月。大学で試験直前の集中講座も受け、ギリギリまで勉強して受験しました。それでもあまり自信が持てなかったのですが、結果は合格。その後、翌月に行われる二次の面接試験の対策に取りかかりました。
面接試験に向けては、キャリアセンターで模擬面接を何度も繰り返し行いました。キャリアセンターの先生は、急に訪れても時間さえあれば私の模擬面接に付き合ってくださり、とてもありがたかったですね。「自信を持って、自分の想いを率直に伝えれば大丈夫」と励まされながら、本番直前まで指導していただきました。
面接試験の当日、最初は少し緊張していたと思います。でも周囲を見ると震えている学生もいて、「自分だけじゃない」と気づいたら、気持ちが楽になりました。おかげでリラックスして自分の想いを面接官に伝えることができたと思います。
合格を知ったのは、試験の一ヵ月ほど後です。ネットで自分の番号を見つけて、「やった!」と思いました。親にも喜んでもらえ、先生は大声で叫んでくれました(笑)。本当に、頑張ってきて良かったです。
今後の抱負についてお聞かせください。
めざす警察官像は、ひとことで言えば「かっこいい警察官」。強さもあって、やさしさもあって、人と心を通わせるコミュニケーション力もあって…。そういう警察官として成長を重ね、将来的に目標としているのが児童虐待対策の仕事に携わることです。「児童虐待対策室」という専門部署があるのは、今は全国でも大阪府警察だけなのですが、それを北海道警察にも作りたい。その立ち上げにかかわるとともに、いずれはその部署のトップになることが夢です。子どもが大好きで、一番守りたい存在ですから。
そんな未来に向けて、まずはたくさんの経験を積まなければと考えています。無理だとかイヤだといったマイナスのことは言わず、どんな経験もすべて自分の将来につながると考え、何事にも全力を尽くしていきます!
※掲載内容は取材当時のものです。