公務員・教員
先生の熱心な指導に導かれた公務員への道。
大学で積み重ねてきたすべての経験を活かし、
城陽市をより良い市にしていくために尽力したい。
城陽市役所職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?
ありがとうございます。
公務員をめざすようになったのは、高校3年生の時です。大学受験を前に将来の進路について考えた際、漠然とではありますが公務員に興味を持つようになりました。そして、「公務員をめざすなら学修環境の充実した大学へ行こう」と考え、さまざまな大学を調べた結果、最も環境が整っていると感じた経法大への進学を決心しました。
民間企業にも興味を持たれていたそうですね。
そうなんです。入学後、順調に公務員採用試験へ向けた学修に取り組んでいたのですが、2年生の冬にターニングポイントとなる出来事がありました。民間企業のインターンシップに参加する機会があり、そこで「公務員よりも民間企業の方が、より自分らしく働けるのでは?」という迷いが生じたんです。志望していた市役所の試験がSPI(Synthetic Personality Inventory:総合適性検査)だったこともあり、公務員採用試験の科目を学んでいく「Sコース(特修講座)」の受講を一旦とりやめ、就活を広い視野で見つめ直してみることにしました。考えれば考えるほど民間企業の魅力が見えてきて、公務員との間で随分気持ちが揺れ動いた時期もありました。
そんな私を導いてくださったのが、ゼミを担当されている元東京都職員の先生でした。私が民間企業に進路を変えたいという思いを打ち明けると、「公務員への道を諦めてしまうにはまだ早すぎる。精一杯サポートするから、もう一度一緒に公務員をめざしてみないか」と熱い励ましの言葉を掛けてくださり、そのおかげで「もう一度、本気で公務員をめざしてみよう」と心を決めることができました。あの時の先生の言葉には本当に感謝しています。また、私は公務員に対して固いイメージを抱いていたのですが、実際はそんなことはないということ、ライフステージが変化しても働き続けやすいということなども教えていただき、民間企業への迷いを吹っ切ることができました。
大学生活で印象に残っていることはありますか?
メンターとして、1年生の演習をサポートしていたことが印象に残っています。中でも一番印象深いのは、先生から演習の冒頭10分間をいただいて実施した時事テストです。大学に入学したばかりの頃は、まだ世の中の動きを掴み切れていない学生がほとんどです。新聞や報道番組から知識を得る習慣もありません。そんな1年生のために、政治や経済、国際問題など幅広い分野の時事ニュースを毎週ピックアップし、穴埋め問題にして解いてもらいました。世の中に対する視野を広げ、新たな気づきや興味へとつなげてもらいたいという考えから実施したのですが、私自身の勉強にも役立てることができました。
また、1年生はさまざまな不安を抱えています。私も入学当初はそうでした。だから、学生のタイプに合わせてコミュニケーションを変え、距離の詰め方を工夫しながら信頼関係を築いていくように心掛けていました。最初は勉強に関する相談だけだったのが、普段の生活に関する相談もしてくれるようになると信頼関係が築けた証。1年生の不安を和らげ、少しでも学修に打ち込める環境づくりをサポートすることができたメンター活動は、私にとってとても有意義な時間でした。
大学では、どのような学修に取り組まれましたか?
「公務員特別演習」では、面接や集団討論、小論文の対策にしっかり取り組みました。毎週、各自がさまざまな自治体の事例研究を行い、一人ひとり発表して、全員で添削していたので、各自治体に対する理解も自然と深めることができたと思います。また、他の学生が私と違う意見を持っていたとしても、それを否定することなく、いかに自分の考えをアピールできるか、どうやって説得していけば良いのかを実践の中で学ぶことができました。
しかし、城陽市役所に合格できた一番の要因は、何といってもゼミの先生のマンツーマン指導ですね。3年生から授業外で個別に時間を取っていただき、エントリーシートの添削から面接の練習まで、しっかり指導していただきました。「公務員特別演習」もゼミの先生が担当されていたので、私に何が足りていないのかを的確に把握した上で、実に細やかなフィードバックをしていただけました。最初は漠然とした志望理由しかなかった私ですが、先生のマンツーマン指導のおかげで公務員の職務内容や働く意義が明確になり、自信をもって公務員採用試験に向けて突き進むことができたと思います。
また、「行政救済法」や「行政法総論」の授業も非常に印象に残っています。聞き慣れない法律用語も多く最初は戸惑いましたが、行政活動の仕組みや手続きなどの実務における具体例を交えた講義をしていただいたおかげで、行政法を理解することができました。この授業で得た知識は、城陽市役所での業務にもきっと役立つと感じました。
公務員試験のために、どのような準備をされたのですか?
SPIの勉強は自分で参考書を買って取り組みました。あとは、採用試験の直前までゼミの先生と面接の練習をしていましたね。新型コロナウイルスの影響によりオンラインで授業を受けていた時期も、授業が終わってから先生とオンラインで面接の練習に取り組みました。ちょうど外出自粛によって自宅で過ごす時間が増えていたので、一人で考え込んでいると不安は大きくなるばかりです。その不安な気持ちも含め、先生に何度も相談に乗っていただいたおかげで、コロナ禍での試験にも不安なく臨むことができ、本当に感謝しています。
本番の試験でも、その成果は発揮できましたか?
面接試験に関しては、形式等に関する事前の案内がなかったため、当日までドキドキしていましたが、やるべきことはやってきたので自信を持って本番に臨みました。しかし、最初の面接が想定外の質問から始まったため、少し戸惑いを感じ、しかもあっという間に面接が終わってしまったので、「これは落ちたかもしれない」と肩を落として帰ったのを覚えています。そして、次の選考は集団面接。この時は練習してきた成果を存分に発揮することができ、手応えを感じることができました。ところが、安心したのも束の間。集団面接の直後に、これまた想定外の集団討論があったんです。他の受験者も驚いている様子だったので、みんな浮き足立った中で集団討論が始まりました。幸い公務員特別演習で集団討論の対策をしてきたので、「落ち着いて練習通りにやるしかない」と自分に言い聞かせ、何とか乗り切ることができました。最後の選考は個人面接でしたが、「この選考を通過できたら、めざしてきた公務員という夢が実現する」という思いから焦りが出たのか、なかなか質問に的確に答えることができませんでした。最後まで自分の思いは伝えたつもりですが、本当に伝わっているのだろうかという不安が解消されないまま面接は終了。なんとも言えない手応えだったので、合格の電話がかかってきた時は本当に飛び上がるほど嬉しかったですね。
今後の抱負についてお聞かせください。
メンター活動をはじめ、大学で積み重ねてきたすべての経験が私のコミュニケーション力を高めてくれました。市役所職員として市民の皆さまと接する際にも必ず活かせる力だと思うので、城陽市をより良い市にしていくためにも、このコミュニケーション能力に磨きをかけて尽力していきたいですね。
大学卒業後も、学ぶことは多いと思います。10年後、20年後の自分が自信を持って公務員の道を歩んでいられるよう、さまざまな経験を重ねてスキルアップし、まだまだ成長していくつもりです。
※掲載内容は取材当時のものです。