公務員・教員

学生コーチとして硬式野球部を支えてきた4年間。
そこで得た自信が、警察官という夢の実現につながった。

大阪府警察 合格山﨑 哲弥 さんTetsuya Yamasaki法学部卒(2017年3月) / 島根県立 大社高校 出身

前へ

次へ

大阪府警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについて、お聞かせください。

ありがとうございます。
幼い頃からテレビのドラマやドキュメンタリー番組などを通じて、「警察官はかっこいい」という印象を抱いていました。自分の将来の職業として意識するようになったのは、高校生の頃です。「いつか自分の子どもができた時に、かっこいいと思ってもらえる職に就きたい」という想いから、警察官をめざそうと考えました。それで経法大に入学直後から、Sコース(特修講座)を受講したのです。
1年生の公務員基礎講座では、公務員採用試験の内容について具体的に学びました。数学が得意だったので、数的推理の問題には余裕を持って取り組めたと思います。その他、法律の知識などについても、「本番の採用試験までしっかりと勉強を積み重ねれば大丈夫だろう」といった手応えをつかむことができました。
また、公務員特別演習の授業では、採用試験の論文や面接対策にも取り組みました。担当の西口先生は、元警察官。現場でのリアルな体験談を交えながら、警察官の仕事や警察の組織について詳しく教えてくださり、授業がとても面白く感じられました。
ただ、こうした警察官をめざすための勉強が、僕の大学生活のすべてではありません。むしろ勉強以上に、硬式野球部での学生コーチとしての活動に大きな力を注いできたと思います。

硬式野球部では選手ではなく、コーチをされていたのですか?

はい。僕は小学一年生からずっと野球に取り組み続けてきて、「甲子園大会に出場したい」という想いから、競争率の高い地元・大阪を離れ、島根県の高校に進学しました。その高校の野球部でコーチをしてくれていた先生との出会いを通じて、コーチという役割のおもしろさを知ったんです。
自分がホームランを打てなくても、ホームランを打つための知識を教えることで、その選手が打てるようになる。そういった野球との関わり方もあるんだと気づき、それからはコーチという視点から野球を深く学ぶようになりました。先生と一緒に対戦相手のビデオを見て研究したり、試合では三塁コーチを任せてもらったり。監督や他の部員からも信頼を受け、3年生の時には下級生から当たり前のようにノックを頼まれていました。選手としての出場機会は少なかったですが、充実した日々を過ごせたと思います。
そして大学の硬式野球部に入る時は、「選手ではなく、学生コーチとして入部させてください」とお願いしたのです。経法大の硬式野球部では前例のなかったことですが、キャプテンも監督も快諾してくださり、とてもうれしく思いました。

選手とは違ったご苦労も、多かったのではないでしょうか?

そうですね。僕が入部したばかりの頃は、練習にあまり熱心でない部員も多く、そんなチームを変えたいという想いで頑張ってきました。キャプテンと相談しながら、まずは自分が率先してチームの意識をまとめることに力を注ぎました。
例えば、練習をさぼりがちな部員に対しては、まずみんなの前で厳しく注意をして、後でその部員と二人で「みんなからの信頼を回復するにはどうすればいいのか」を一緒に考えました。自分の考えを押しつけるのではなく、一人ひとりとの対話を大事にしながら、自分なりにアドバイスするよう心がけたんです。
その結果、だんだんとチームに団結力が生まれ、練習や試合に対する部員たちの姿勢も変わっていったように思います。それを心から実感できたのは、3年生の秋の公式戦でした。それまでほとんど勝てなかった相手に、延長戦まで粘り、最終的にサヨナラで勝利をつかみとることができたんです。あきらめずに頑張ってきて良かった。そんな想いが一気にこみ上げてくるような、本当にいい試合でした。
部活を辞めて勉強に集中しようかと考えた時期もありました。でも続けてきたことでチームも自分も成長でき、その成長が警察官採用試験の合格にもつながったと思います。

面接試験では、硬式野球部での経験もアピールポイントになったのですね。

はい。面接試験では、それまで就勝実践キャンプや公務員特別演習で、何度も模擬面接を重ねてきたことが役に立ちました。最初は何をどう話していいのかも、まったくわかりませんでしたから。また、警察官の試験を受ける前に、民間企業の選考を受け、そこで実際の面接を経験できたことも良かったと思います。民間企業の選考では「第一志望は警察官」とお伝えしたにもかかわらず、2社から内定をいただくことができ、自信になりました。
それでも大阪府警察の最終の面接試験前日まで、西口先生が個別で面接指導をしてくださり、おかげでほとんど不安を感じることなく本番の試験を受けることができました。

万全の準備をして試験に臨んで、合格を手にされたのですね。

はい。大阪府警察の試験のあと、合否の結果が出る前に兵庫県警察の試験も受けました。最終的にどちらにも合格でき、第一志望だった地元・大阪府警察を選びました。家族にも喜んでもらえ、僕自身も本当にうれしかったです。
西口先生をはじめ、お世話になった方々には本当に感謝しています。硬式野球部の監督にも、たくさんのアドバイスをいただきました。実は監督は、キャリアセンターの職員としてキャリア支援をされている方なんです。一番印象に残っているのは、民間企業の選考でのエントリーシートを書く時、社会人としての文章表現をきめ細やかに指導していただいたこと。そういう意味でも、この大学の硬式野球部に入って良かったと思います。

今後の抱負についてお聞かせください。

希望の配属先は交通課。白バイに憧れてのことです。ただ、どんな役割を担うにしても、ケガや大きな病気をすることなく、社会の役に立てるよう、頑張っていきたいと思います。
プロ野球界で活躍されてきた野村克也さんの著書が好きで、野球に取り組むにあたって、いつも参考にしてきました。その野村さんが「人徳がある人間にはいい結果がつきまとう」と書かれているんです。この言葉に感銘を受け、僕は常日頃から「人や世の中に対して、善い行いをしよう」と心がけてきました。ゴミのポイ捨ては絶対にせず、落ちているゴミを見つけたら拾う。道幅2メートルくらいの小さな交差点でも、絶対に信号は守る。笑われるくらい小さなことばかりで、誰も見ていないかもしれませんが、それでもこの姿勢を貫き続けます。そうして一生を終えた時、葬式に友人や知人が1000人くらい集まってもらえたら、うれしいですね。そんな「人徳がある人間」になれれば、最高です。

受験生の皆さんへのメッセージ

「二兎を追う者は一兎をも得ず」と言いますが、両方を手に入れたいなら、やはり両方を追わなければ手に入らないと、僕は思います。警察官をめざすための勉強も、部活も、どちらも「今しかできない」という想いで、僕は頑張ってきました。うまく両立させている先輩がいて、その先輩が警察官の採用試験に合格したことも、励みになったと思います。だからみなさんにも、追えるものは追ってもらいたい。それを近くで見守り、支えてくれる人が、この大学にはいます。無料で受講できるSコースもあります。ぜひ経法大で「今しかできないこと」にどんどんチャレンジし、夢の実現をめざしてください。

※掲載内容は取材当時のものです。

同じ職種・資格のストーリー