公務員・教員
日本の安心・安全と国際的な信頼を守る仕事。
この分野のスペシャリストとして活躍をめざす。
入国警備官採用試験と刑務官採用試験への合格、おめでとうございます。
ありがとうございます。いずれもやりがいがあり、なりたい職業でした。試験に合格するとリストに記載され、採用通知を待つ状態になります。どちらでも喜んで入職するつもりでしたが、両方からお声がかかった場合は入国警備官を優先しようと思っていました。結局、最初に採用の連絡をいただいた入国警備官に決めました。
両職種とも法務省の管轄です。同じ省庁ということもあり、試験の時期はわずか1週間違いで試験内容も似通っていたので、対策は立てやすかったです。
入学時から公務員志望でしたが、職種に関してはまったくイメージできていませんでした。入国警備官も刑務官も、授業をとおして知ったことで興味を持った職業です。例えば刑務官なら、刑事政策を学ぶなかで必ず出てきます。授業を通じて進路目標を見いだせたことは、大学生活のなかでもとくに大きな収穫だったと思います。
入学時から公務員志望だったのですか?
社会の役に立てる仕事はなんだろうと考え、公務員をめざすようになりました。職種まではわからなかったものの、公務員試験に備える必要があると考え、当初は高校卒業後、公務員試験の予備校に通うことを検討しました。しかし予備校では試験対策だけになります。幅広い知識と教養に触れて視野を広げることが大拙だと考え、大学進学に切り替え、公務員対策にも力を入れている大阪経済法科大学を選びました。
そうした経緯で入学しましたので、1年生から「Sコース(特修講座)」の公務員講座を履修しました。単なる暗記ではなく、時間をかけてじっくり学力を養っていくタイプの授業が多かったと感じています。初めて勉強する分野だけに最初の印象が肝心だったのですが、入り口の段階でわかりやすく基礎から指導していただけたので、後の学習もスムーズになりました。
1年生のときの基礎固めは本当に重要で、それがないと出題の本質が理解できず、応用問題が解けないということになってしまいます。2年生になるとややレベルが上がると同時に、数的推理や判断推理のほか、日本史、世界史、政治・経済、物理、化学など学習範囲も拡大。3年生では実際の試験と同じ難易度の問題に取り組みました。とくに3年生の講義では先生に当てられることも多く、聞くだけではなく参加型の授業をしてくださったことも効果的だったと思います。こうしてSコースの学習を3年生まで続けてきました。コツコツと積み重ねて力をつけていきましたから、試験前に焦るようなことはありませんでした。実際に公務員試験を受けて思ったのは、出題が広範囲なので幅広くかつバランスよく学んでおくことが大切だということです。
また、Sコースはモチベーションの維持・向上にも役立ちました。一緒に勉強する仲間がいたことで、意識を高め合うことができました。一人ではなく皆で学ぶ。仲間の存在には助けられました。
就勝実践キャンプや公務員試験対策合宿にも参加されたのですね。
はい。どちらもとくに面接対策を意識して参加しました。個別面接、集団面接、グループディスカッションと、さまざまな状況を想定した面接練習を実践できました。周りのレベルが非常に高かったことから、とても刺激を受けました。
就勝実践キャンプでは、警察署長を歴任された西口先生から指導を受ける機会がありました。警察官志望の学生は西口先生から面接や小論文に関するアドバイスを受けるのですが、そのノウハウは他の公務員試験にも通じることから、キャンプ参加後は、西口先生のもとへ頻繁に助言をいただきに行くようになりました。面接では入室の際の印象をよくすることや、志望動機は憧れだけではなくめざしたきっかけを説明できるように、などの注意を促していただきました。小論文対策では西口先生に加えてキャリア支援課の職員の方にもお世話になりました。ここの記述は事例を交える、この文章は削るべき、といった具体的な指示をいただけたことで力がつきました。
入国警備官と刑務官をめざしたきっかけを教えてください。
入国警備官は不法滞在者や不法入国者を取り締まる仕事です。この分野に関しては警察よりも大きな役割を担う、いわばスペシャリストです。グローバル化が進む中、今後いっそうの活躍が期待される職業だと感じたことがめざした動機です。入国警備官が職責を果たすことで、日本の安心・安全と同時に、わが国の国際的信頼も守ることになると考えています。
刑務官は、刑事政策の授業で刑務所の役割や機能について学んだ際に興味を持ちました。刑務官は、刑務所の秩序を守ったり刑の執行に関わったりするだけではなく、犯罪者の更生を支援し再犯の防止に努める職業であることを知り、魅力を感じました。実は4年生のとき、刑務所見学に行く機会に恵まれました。授業の枠組みではなく、刑務官志望であることを知っていた先生の勧めで参加しました。先生との距離が近い、この大学らしいことですね。刑務所見学では通常では入れない施設を見せていただくとともに、現職の方と面談し、現在の課題などについてお聞きしました。結果的に刑務官は選択しませんでしたが、刑務所見学に行ったことは面接でもいいアピール材料になりました。
大学では、学外で学ぶ授業が多かったと思います。裁判所見学のほか、ゼミでは市役所見学にも出向きました。分野は違えども同じ公務員。職業意識を高めるいい機会になりました。
今後の抱負についてお聞かせください。
入国警備官として入職が決まった今、改めて働くことへの意欲に燃えています。もともと社会の役に立ちたいという意識で公務員をめざすようになりました。その意識は今も変わらないどころか、大学生活を通じて何倍にも増しています。入国警備官はこの分野では警察以上に大きな役割を果たすスペシャリストです。日本の安心・安全と国際的な信頼を守るためのスペシャリストとして頑張ります。
※掲載内容は取材当時のものです。