公務員・教員
学生消防隊での経験を礎に、
確かな知識と技術を積みあげ、人命を救える消防官へ。
京都市消防局採用試験 合格矢野 隆介 さんRyusuke Yano法学部 / 滋賀県 光泉カトリック高校 出身
京都市消防局採用試験合格、おめでとうございます。
消防官を志すようになったのは、いつ頃からですか？
小学校2年生の時に東日本大震災が起き、被災地で人命救助に取り組む消防官や警察官の姿をテレビで観たのがきっかけです。人命のために懸命に働く姿は、当時の私にはとても格好良く見え、漠然とした憧れを抱くようになりました。憧れが明確な目標に変わったのが、高校2年生の時です。バスケットボール部の練習中に後輩が脱水症状で倒れ、救急車を呼ぶ事態となりました。その際、目の前で救急隊員の方の仕事を間近で見て、改めて人の命を助ける仕事に就きたいと思うようになりました。
当初は警察官も目指されていたそうですね。
消防官も警察官も人のために働く点は同じなので、入学当初は両方を視野に入れていました。しかし、昔から体を動かすことや鍛えることが好きだったので、消防官の方が部活で培った体力を活かして人命救助に取り組めると考え、消防官を志すようになりました。地元の滋賀ではなく京都市消防局を志望した理由は、高度な装備や特殊車両を備えた特別高度救助隊があったからです。京都には昔からよく遊びに行くなど親しみがありました。貴重な文化財が多い土地のため、消防官として人命だけでなく京都の文化財の保存も含めて街全体を守りたいと思うようになりました。
大学ではどのような学修に取り組まれたのですか？
経法大には警察官や消防官といった公安職に必要な姿勢・知識を学べる授業が多くあり、1年次からさまざまな学修に取り組みました。なかでも「公務員特別演習」は、採用試験にも消防官になった後にも役立つ貴重な授業だったと感じています。元警察官の先生が自身の経験も含め、現場のことや被災地での活動内容をリアルに教えてくださったので、知識を得られるだけでなく志望動機も高めることができました。また、自身が志望している自治体の消防や警察組織について調べ、災害時の活動内容を発表する機会がありました。京都市消防局のことをより深く知る機会になったのと同時に、同じクラスの学生の発表を聞くことで各地の動きや取り組みも知ることができ、公安職に対する視野が広がったと感じています。先生からも「ここはもっと重点的に調べた方がいい」などのフィードバックや公安職に関する最新情報を教えていただくなど、消防官を志す私にとっては欠かせない授業でした。4年生になってからの「公務員特別演習」は模擬面接が中心になり、志望理由を伝える際に「なぜ、その自治体を志望しているのか？」を突き詰める練習をしました。授業後も消防官を志す仲間と一緒に面接練習することで、お互いの受け答えを客観的な立場で指摘し合いながら無駄や矛盾を省いていくことができました。
また、「Sコース（特修講座）」も採用試験の学修に役立ったと感じています。Sコースは公務員採用試験や難関資格試験に向けた4年間受講料無料の講座で、高い合格実績を誇っています。高校までは勉強よりも部活に打ち込んでいたので、公務員採用試験に向けた勉強に入学当初は不安を感じていました。しかし、基礎からしっかり教えていただけたので、着実に力がついていく実感がありました。3年生にもなるとテキストを一冊解き終え、勉強への苦手意識もなくなっていました。特に、数的処理や判断推理は、さまざまな解き方のコツやノウハウを教えていただけたので、自分に合った解き方を選ぶことができ、飛躍的に点数を伸ばせた科目です。
大学生活で印象に残っていることはありますか？
八尾市消防本部と連携する学生消防隊「SAFTY」でのボランティア活動が印象に残っています。主な活動内容は、八尾市内で行われる防災訓練や救急訓練に八尾市消防本部の消防官の方とともに参加し、市民の方々に消化器の使い方や防災知識をレクチャーすることです。防災や救急に関する知識が身に付くのはもちろん、現役の消防官がどのように市民の方々と交流し、信頼関係を結んでいるのか間近で学べる貴重な経験ができました。また、学生消防隊の活動を通して、消防官の職務は災害が発生した際の救助だけではなく、被害を最小限に抑える防災知識を広めることも非常に重要な職務だと知り、改めて消防官を志す気持ちが強くなりました。学生消防隊での活動は、公務員採用試験の面接でも学生時代に力を入れたこととして話せる経験ですが、ここで得たものは消防官になってからの礎になるとも感じています。
試験本番に向けて、どのような準備をされたのですか？
公務就職支援室で自己PRや志望動機、論文の添削をしていただきました。もともと、文章を書くのが苦手だったので、初めて自分で書いた論文を提出した際は修正箇所が多くありました。まずは文章の書き方や構成から指導していただき、基礎からしっかり教えていただきました。論文の内容自体は「公務員特別演習」で得た知識を役立てることができたので、論文の構成を改善すれば、良いものになると思っていました。何度も添削と修正を繰り返し、合計で100本ほどは論文を書いたと思います。その甲斐もあり、はじめはうまく書けなかった論文も自信をもって書けるようになりました。また、公務就職支援室では個別で面接練習もしていただきました。「公務員特別演習」での模擬面接とは違った角度や視点での質問や、これまで経法大の先輩が受けてきた公務員採用試験の事例やノウハウを教えていただくなど、独自の面接対策ができました。そのほか、消防局のインターンシップには可能な限り参加するようにしました。勤務形態や組織体系についての説明を受けることで理解が深まりモチベーションのアップにもつながりました。
これらの対策で、入学当初は不安を感じていた筆記試験の数的処理は、7割以上の得点率、論文も設問に対する自分の考えを書くことができました。面接でも堂々と自己PRができ、学生消防隊「SAFTY」の話にも興味を持っていただけるなど、全体的に手応えを感じる試験でした。
今後の抱負についてお聞かせください。
消防学校では厳しい訓練が待っていると思います。仲間と支え合いながら乗り越え、成績上位で卒業することが目標です。小学生の頃、最前線の現場で活躍する消防官の姿に憧れを抱きましたが、あの活躍の背景には確かな知識や技術、経験があり、誰もが簡単に人を救えるわけではないと、今ではわかります。そのため、今後は救命救急士の資格取得に力を入れていき、救助隊と救急隊の両方でキャリアを積んで、どのような現場であっても、どんな状況であっても、人命を救える消防官をめざしたいです。
受験生の皆さんへのメッセージ
公務員をめざしているなら経法大がおすすめです。手厚いサポートがあり、勉強が苦手な方でも4年後には採用試験に合格できるレベルに達するカリキュラムもあります。また、志望する自治体へ行きボランティア活動をすることもおすすめします。行ってみてはじめて感じることもあり、その自治体への理解が深まると思います。早めから筆記試験対策をはじめ、目的意識をもって大学生活を送ってください。
※掲載内容は取材当時のものです。
