公務員・教員

迷ったり悩んだりもした4年間。それでも続けてきたことで、
日々の努力の成果を、採用試験で発揮することができた。

鹿児島県警察 合格中島 麗美 さんRemi Nakashima法学部卒(2015年3月) / 鹿児島県立 川内高校 出身

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鹿児島県警察の採用試験合格、おめでとうございます。
警察官を志したきっかけについて、お聞かせください。

ありがとうございます。
きっかけは、中学生の頃にニュースなどで報じられた、未成年の飲酒喫煙事件でした。芸能人が関わっていたため、当時、大きな話題になったんです。私はその芸能人が好きだったので、ショックでした。同時に少年犯罪への関心が高まり、将来は警察官になって、その芸能人のように間違った方向に進みそうになっている未成年の人たちを救う仕事がしたい、と考えるようになったのです。
経法大に進学した理由も、法学部の公務員コースで警察官をめざす学習をするためです。また、鹿児島県で生まれ育った私ですが、一度は鹿児島を離れて大阪に住んでみたいとも考えていました。大阪という町には、なんとなく憧れを持っていたんです。

実際に経法大で警察官をめざす学習に取り組んでみて、最初はどのように感じましたか?

1年生の時から、公務員になるために必要な知識などを学べる授業があり、有意義な4年間が過ごせそうだと感じました。公務員採用試験に出題される科目が学べたことも大きかったですが、特に印象に残っているのは大学演習で少年院の見学に行ったことです。実際に少年院で働く職員の方から話を聞くこともでき、とてもいい経験になりました。「反抗的な態度をとり続けている少年でも、食事の時にお菓子などが出た時にうれしそうな表情で食べているのを見ると、まだ子どもなんだと感じます」という話をうかがい、私は「こうした少年たちが少年院に入る前に手を差し伸べられる存在になりたい」と、将来に向けての決意を新たにしました。
Sコース(特修講座)も受講しました。1年生の時の公務員基礎講座は、学習内容に難しさを感じず、むしろ物足りないと思ったほどです。でも基礎の基礎から丁寧に教わることで、高校で勉強に自信が持てなかった人でも理解しやすく、受講生みんなが確実に公務員採用試験合格をめざす力をつけることができそうだとも思いました。

そこから一歩ずつ、公務員採用試験合格に向けた勉強を進められたのですね。

そうですね。2年生からは公務員特別演習も受講しました。警察官や消防官をめざす学生が参加するこの演習では、毎回の授業のはじまりに、学生一人ひとりが前に出て、大きな声で自分の名前を言い、あいさつをするんです。最初はなかなか大きな声を出せませんが、これを繰り返してきたことで、面接や集団討論などでも萎縮せず、自然にハキハキと話せるようになったと思います。
また、実際にあった事件などについて討論し、その中で「警察官に求められる素養とは?」といったことをみんなで考える、といったことを何度も行いました。志望動機など面接で質問されるようなことについてA4サイズの用紙が真っ黒になるほどびっしりと書き込む、という取り組みもしました。こうした中で、考える力や、その考えを話したり文章にしたりする力がつき、それは実際の採用試験の面接や小論文などでも役に立ったと実感しています。

では4年間ずっと、警察官をめざす学習に打ち込み続けてこられたのですね?

実は民間企業への就職を考えた時期もあるんですよ。3年生になった頃、民間企業を希望している友人がキャリア演習などで就職活動に向けた準備を始めているのを見て、「私は警察だけで大丈夫なんだろうか?」と、少し不安になってしまって…。それで3年生の夏休みに、キャリア支援課に申し込んで、旅行会社でのインターンシップに参加してみたんです。その時に体験した仕事は、韓国や中国の学生と日本の学生との交流バスツアーの添乗。私は海外の人と話すことが好きだったので、とても楽しい仕事だったのですが、一方でお客様への気配りの点で失敗もあり、社会の厳しさも痛感しました。社員の方から「お客様の立場で考えて行動しないと」と厳しくも的確な指摘を受け、正直、くじけそうな気持ちになったほどです。「こんな私が、将来、警察官としてやっていけるんだろうか?」とまで考え、それからは並行して民間企業への就職活動にも取り組むようになりました。

実際に民間企業の選考も受けられたのですか?

はい。3年生の秋からキャリア演習を受けて就職活動に必要な知識などを学び、旅行会社やブライダル関連、お菓子のメーカーなど、自分が興味を持った企業の説明会や選考を積極的に受けました。でも、どこもうまくいきませんでしたね。やっぱり本当は警察官になりたいという気持ちが一番にありますから、民間企業で志望動機を聞かれても、それは本心じゃないと見抜かれていたように感じます。「このままどこの会社からも内定をもらえず、警察官の採用試験もダメだったらどうしよう?」と、あの頃はすごく不安でした。
でも4年生になる少し前に、親に相談することで、私はもう一度自分を奮い立たせることができました。「今まで頑張ってきたのだから、もし採用試験に合格できなかったとしても恥じることはない。その時は、来年また受ければいい」。そう言ってもらえたことで、私はとても気持ちが楽になりました。それからは、鹿児島県警察の採用試験に合格することだけを考えて、筆記試験のための勉強などに力を尽くしました。

地元の鹿児島県警察を志望された理由についてお聞かせください。

大阪という都会に憧れて大阪の大学に進学しましたが、実際に住んでみると「やっぱり私には鹿児島のほうが暮らしやすい」と感じるようになりました。それに大阪でできた友人から、私が気づいていなかった鹿児島の魅力を教わったことも大きかったですね。「自然がいっぱいでいいなあ」「前に行った時、海がすごくキレイでびっくりした」「方言がかわいい」って…。それまで自分にとって鹿児島のマイナスイメージだったことを、大阪の友人が全部プラスに変えてくれたんです。夏休みなどに帰省した時には「鹿児島の夜空って、こんなにたくさん星が見えるんだ」と自分の目でも再認識しましたよ。
ですから、最初は大阪府警察なども視野に入れていましたが、4年生になる頃にはもう、鹿児島県警察しか考えていませんでした。将来、子どもを育てるにも、鹿児島がいい。そして友人が持つ鹿児島県のいいイメージを守り、より住みやすい場所にしていくためにも、警察官になって貢献したいと思いました。

そして迷いや不安を乗り越えて、鹿児島県警察の採用試験に挑戦し、見事、合格を手にされたというわけですね。

不安になりながらも、4年間ずっと筆記試験のための勉強や、自宅での腹筋・腕立て伏せなどの体力作りなどに取り組み続けてきた成果を、採用試験で発揮できたと思います。論文の試験でも、公務員特別演習で考え慣れているようなテーマで、自信を持って書くことができました。
面接の自己アピールでは、インターンシップでの経験について話しました。インターンシップが終わった直後は失敗したことで落ち込みましたが、あとで振り返って考えてみると、初めてお会いした海外のお客様と親しく接することもでき、それが後々自信になっていったんですよ。そして面接の最後に、面接官の方から「あなたが警察官になりたいという気持ちについて、もう一度話してください」と言われ、私は自分の熱意について一生懸命に話し、その途中で泣き出しそうになってしまいました。その想いが伝わっての合格だったのかもしれません。
それでも発表の日までは、気持ちが落ち着かず、毎日がとても長く感じました。ですから合格を知った時には、「やっとゆっくりできる」と、ホッとしましたね。

今後の抱負についてお聞かせください。

周囲からは「あなたは人間味のある警察官になれる」と言われているんです。自分でもそこを意識して、事件などがなくても地域の人たちと関わり合える、親しみを持ってもらえる警察官になりたいですね。
そして中学生の頃からの希望である、少年犯罪にかかわる仕事に携わりたい。多感な少年期には、つい悪いことをしてしまうことが誰しもあるかもしれません。でも、それによって周囲の人が大きく傷ついたり、自分が命を落としてしまったりということは、絶対に避けなければいけないことです。そのために力を尽くせる警察官として、成長していきたいですね。
大学で学んでからは、虐待など少年が被害者になるケースについての関心も強くなりました。そうした問題に対しても、警察官という立場でできることをやっていきたいと思います。

受験生の皆さんへのメッセージ

経法大は公務員をめざす人にとって、とても素晴らしい大学だと私は思います。特にSコースのおかげで、迷っていた時期も採用試験に向けた勉強を続けることができ、本当に良かったですね。もし独学だったら、ずっと続けることはできなかったかもしれません。また特待生の学費免除や奨学金制度なども充実しているので、経済面での負担をあまり感じずに学習に打ち込めるのも魅力です。また、公務員をめざす人でなくても、キャリア演習など就職活動に役立つプログラムが充実していて、女子なら「就活のためのメイクレッスン」もすごく役立ちます。この大学で、いろんなプログラムを有効に使って、将来の夢をかなえてください!

※掲載内容は取材当時のものです。

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