進学
留学を通して気づいた、学ぶ意欲を持つことの大切さ。
途上国の教育支援のために、大学院でも貪欲に学び続けたい。
名古屋大学大学院 国際開発研究科への合格、おめでとうございます。大学院進学を志したきっかけについて、お聞かせください。
1年生の時に、「フィールド・プロジェクト」でミャンマーの孤児院に行ったのがきっかけです。孤児院にいる子どもたちに手洗いやうがい、歯磨きなどの衛生教育をしたり、日本文化について教えたりしたんですが、学ぶことに対する子どもたちの貪欲さに驚かされました。十分な教育環境ではないなかで、どんなことでも学び取ろうとする純粋な姿勢に感動すら覚えました。この体験を通して、「途上国の恵まれない子どもたちのために、満足に勉強できる環境を整えたい」と思うようになり、将来像としてNGOなどの国際団体職員を漠然と思い描くようになりました。2年生になって、その夢を大学の先生に相談したところ、それなら大学院に進学した方がいいとアドバイスをいただき、3年生から本格的に大学院進学へ向けた学修を進めていきました。
名古屋大学大学院の国際開発研究科を選ばれた理由は何でしょうか?
大学院で研究する対象支援地域について、いろいろ迷った結果、興味のあったケニアがあるアフリカに定めたんです。アフリカの教育研究といえば、名古屋大学大学院の国際開発研究科。そう言っても過言ではないくらいの実績が、ここにはあります。また、私が師事したいと思っている国際開発を専門に研究されている先生もいらっしゃるので、大学院の選定には一切迷いませんでした。
オープンキャンパスに参加した時に知ったのですが、学生の半数以上が外国人留学生で、しかも研究対象国であるアフリカ系の留学生が多いのも魅力でした。経法大にも外国人留学生はたくさんいますが、アフリカ系の学生はほとんど見かけません。大学院で勉強しながら、アフリカのリアルな話を聞くことができそうなので、今からワクワクしています。
大学の学びで、将来的に役立ちそうなものはありますか?
将来、必須となる英語力は、大学の学修で飛躍的に伸ばすことができました。オールイングリッシュの授業は留学生が多く、参加している日本人学生のレベルも高いので、どの授業も非常にためになったと感じています。特に、「Current Affairs」という授業では、国際的な課題を題材に少人数で議論するので、高レベルの英語運用能力を養いながら議論を深めることができ、国際情勢に関しても深く学ぶことができたと思っています。
また、経法大は希望すれば、複数国に複数回留学に行けるので、留学でも英語力はかなり磨くことができました。まずは、入学後すぐに「国際学生交流セミナー」で韓国。次に、「フィールド・プロジェクト」でミャンマー。「海外フィールドスタディ」でカンボジア。2年生になってからは、「英語圏1セメスター留学」で、カナダへ語学研修に。そして、再び「フィールド・プロジェクト」でネパールと、多くの国へ行き、国際感覚を身につけることができました。それぞれの国で素晴らしい出会いや発見があり、自分の世界を広げながら英語力を磨いていけたので、本当に貴重な経験ができたと思っています。
大学生活の中で印象に残っていることはありますか?
外国人留学生と一緒に授業を受けたり、ごはんを食べたり、他愛もない話をしたり。そんな何気ない大学生活のすべてが印象に残っていますが、特に印象深いのは難民支援サークルでの活動です。難民に関する啓蒙活動や寄付などが主な取り組みなのですが、その中のひとつとして、学食と連携して難民の方が普段食べている食事メニューを提供し、その売り上げの一部を難民支援協会に寄付したんです。その時に集めた学生からのアンケートでは、「難民のことを全然知らなかったけど、この取り組みのおかげで知ることがきてよかった」「こういった活動はとてもいいと思うので、どんどんやってほしい」など、大きな反響がありました。「大学生という立場でも、ちゃんと難民支援はできるんだ」と確かな実感を得ることができ、世界とのつながりを感じました。
大学院の入学試験には、どのように臨まれましたか?
3年生からの1年間、大学の先生が個人的に「大学院セミナー」を毎週開催してくださったので、そこで大学院の入学試験に向けた準備を進めてきました。最初のうちは、自分が研究したい分野の書籍を読み、その内容をレポートにまとめ、みんなの前で発表するという作業の繰り返しです。研究計画書を書くための予行演習のようなものですね。それに慣れてくると、具体的な研究計画書の書き方を指導していただき、研究計画書が完成すると、その内容に基づいて面接練習もしていただきました。
研究計画書は「計画書」なので、論理的かつ実現可能な内容でなければなりません。そのため、先行研究の内容や状況を整理し、そこから先行研究の課題点を導き出し、自身の研究の独自性や意義を明らかにしていく必要があります。さらに、どこの国に行き、どんな調査をするのかといった具体的な研究方法をまとめ、その結果、どのような社会的・学問的な成果が得られるかまでを書かかなければいけないため、かなり大変な作業です。先生の丁寧な指導がなければ、私の研究計画書は完成していなかったと思います。
その成果を発揮して、見事合格されたわけですね。
そうですね。大学での学修は、本番の試験でも非常に役立ちました。国際開発研究科の試験は、外国語試験と論文試験、それに面接試験の3つがあります。私の場合、外国語試験はTOEICの基準スコアをクリアしていたので免除されました。論文は、経済や教育、政治、社会開発などの分野から出題され、1問を選択して解答する形式です。論文対策も大学の先生から参考書籍を推薦していただいていたので、そこで得た知識を活かすことができました。
面接では、研究計画書の内容について、さまざまな角度から質問されましたが、先生と練習していたおかげもあり、落ち着いて対応することができました。ただ、自分で話しながら「これは現実的じゃないな」と感じる部分があったり、質問の意図に沿った答えができていなかったりしたので、合否の結果が入った封筒を受け取った時は、緊張で手が震えていました。中に入っていた書面に「合格」の二文字を見つけた瞬間は、喜びと安堵の気持ちで胸がいっぱいになったのを覚えています。
今後の抱負についてお聞かせください。
国際開発研究科には、国内外におけるフィールドワークが豊富に用意されているので、どんどん参加して必要な知識やスキルを学んでいきたいと思っています。また、国際開発に関する勉強はもちろん、国連機関の公用語であるフランス語や中国語、ロシア語などの勉強も進め、どんな時でも貪欲に勉強に取り組みたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。
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