進学
教職大学院に進学。
研究と小学校教諭免許状の取得に励む。
大学院合格おめでとうございます。
教職大学院へ進学されるのですね。
ありがとうございます。
高校時代から教員志望で、大阪経済法科大学を選んだのも経済を学びながら教員免許を取得することができるからです。教職課程を履修するうちにするうちに、学校教育についてより専門的に学びたいと考えるようになり、4年生になってすぐ大学院進学を決めました。奈良教育大学の教職大学院を志望したのは、修了後は教師として教壇に立ちたいので、実践的に取り組める専門職大学院に関心を持ったのと、小学校教諭一種免許状が取得できる長期在学コースが開設されているからです。
大学で中学校教諭一種(社会)と高等学校教諭一種(地理歴史・公民)の免許状を取得しましたので、大学院に進学することで小中高の3つの免許状を持つことになります。
大学院入試では、志望理由書と研究計画書の提出を求められました。教職課程の先生に相談したところ、作成の指導をしてくださり、大変助けられました。先生の指導がなければ、大学院に合格できていなかったと思うので、本当に感謝しています。
教職課程の勉強はスムーズに進みましたか?
3種類もの教員免許状を取得しましたから、勉強量が多くて大変でした。当初はやり遂げる自信はなかったのですが、無事にやりきったことで達成感があります。教職課程の先生方や仲間の存在に助けられたことが大きかったですね。先生には履修のことや勉強内容など、何かあれば相談していましたし、仲間とは励まし合ったり、勉強を教え合ったりする間柄でした。3年生のときには、教職の科目で模擬授業があるのですが、準備がとても大変でした。このとき皆で教え合って乗り切ったことが印象に残っています。
もちろん大変なことばかりではなく、楽しい授業もたくさんありました。私が好きだった科目は「教育課程論」です。学習指導要領の変遷や教育課程編成の歴史などを学んで、実際に指導計画を作成する授業です。とても興味深く学べました。
教育実習を振り返って感じることは何ですか?
教育実習は母校で3週間、高校1年生の現代社会を受け持たせていただきました。教壇に立つだけでなく、校門での朝の挨拶運動、ホームルームなども体験しました。生徒たちは実習生が珍しいこともあって、とても歓迎してくれました。大変だったのは「授業づくり」といって、学習指導案をつくる業務です。1コマの授業の流れを詳しく記述する作業で、ここで質問を交える、という風に綿密に手順を決めて授業準備をすすめます。このために徹夜することもよくありました。ホームルームは、最初、担任の先生についていただきましたが、最後の2週間はどうにか私一人でこなすことができるようになりました。
3週間の実習を通じて、教師という仕事の喜びも大変さも両方味わえたことが一番勉強になった点です。自分に教師の適性があるかどうかまではわかりませんが、このまま教師をめざしたいと思い、その意識が大学院進学につながりました。
また、基本的なことですが、教育実習中は大学生という甘えが一切許されませんので、人と接するときの態度など、社会人としての正しい振る舞いを学べたこともよかったです。
入学当初は「Sコース(特修講座)」も受講されていたんですね。
はい。「Sコース(特修講座)」の公務員講座を受けていました。入学した頃は、教職課程の勉強をやり遂げる自信がなかったこともあり、念のため教師以外の進路にも備えておこうと考えてのことです。しかし、大学2年次には進路を教職に絞る決断をしたので受講はやめました。しかし、Sコースの学びは決して無駄にはなっていません。公務員試験対策の中に日本史、世界史という歴史系の学修もあったことから、教職の勉強を補強する知識が得られました。
私が経済学部を選んだのは、経済学に漠然と興味があった程度の理由で、意識としては教職中心でした。でも、今振り返ると経済学部を選択してよかったと思います。社会科教師をめざすにあたり、経済学を勉強してきたことが強みになるからです。社会科の教科書には経済学に関連する内容も出てきますが、それを生徒にやさしく教えられる知識が身につきました。しっかりとした知識があれば、教科書の羅列ではない、本質的な部分を伝えられます。
経済学部の授業では、ある研究テーマについて調べ、皆の前で発表する機会も多くもあり、その経験は確実に教育実習につながりました。
「ピア・サポート」の活動にも参加されていたのですね。
「ピア・サポート」とは仲間を助けるという意味で、具体的には学生による学生支援活動のことです。活動内容としては、曜日を決めて、昼休みなどに皆で集まり、一緒に昼食をとったり、ゲームをしたりすることで、友人同士の輪を広げることです。コミュニケーションが苦手な人でも、気軽に参加できる場を作ることを心がけて活動してきました。
「ピア・サポート」に興味を持ったのは、共通科目の授業がきっかけでした。授業でこの活動のことを知り、さまざまな活動をとおして実践的な力が身につくと思い、参加することにしました。女子ワークショップというイベントを企画した際は、なかなか人が集まらず、イベントの企画・運営・実施の難しさも学ぶことができました。
大学院ではどんな研究に取り組まれる予定ですか?
「小学生の自己のあり方と集団との関わり方」というテーマで、研究を進める予定です。小学生でもクラスの中で人間関係は複雑。そのような小学生なりの集団の関わり方を研究して、よりよい環境をどう作っていくべきかを考えていきたいと思っています。将来、学級運営に活かせるような研究にしたいですね。
※掲載内容は取材当時のものです。