公務員・教員

留学をきっかけに、国家公務員へと発展した夢。
税関という最前線で、
健全な貿易の発展と安全な社会の実現に貢献したい。

国家一般職(財務省 東京税関) 合格伊藤 紫雲 さんShiun Ito法学部法律学科 4年生 / 埼玉県 聖望学園高校 出身

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財務省職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?

高校生の頃、悲惨な交通事故のニュースをテレビで観て、一瞬で日常が崩れ去ってしまう事故の恐ろしさを痛感しました。事故のニュースを何度も観ているうちに、「自分に何かできることはないだろうか」と考えるようになり、警察官として事故や事件の減少に貢献したいと思うようになりました。昔から人の役に立ちたいという思いがあったので、公務員の中でも警察官を志すようになったのは、私の中ではとても自然なことでした。大学入学以来警察官志望でしたので、警察以外のことは当初まったく考えていませんでした。財務省管轄の東京税関に入省することは、入学当時の私からは想像もできない出来事です。

東京税関に興味を持たれたきっかけは何ですか?

直接的ではありませんが、2年生の時に交換留学でロンドン大学へ行ったのがきっかけです。ロンドン大学には大学生以外にも様々な人が留学しており、厚生労働省の職員の方も修士号を取得するために学ばれていました。偶然にも寮が同じだったので、共同利用のキッチンで食事をしながら、身の上話や専攻しているコースの話、そして業務に関する話などをお聞きし、初めて国家公務員の具体的な仕事内容を知りました。その業務の多様さと貢献できる領域の幅広さに驚かされると同時に、「とても魅力的な仕事だな」と素直に感じたんです。日本国民のために粉骨砕身する姿勢に、仕事への強い誇りを感じると同時に、日本国内だけでなく海外での業務がある点にも惹かれました。帰国後、国家公務員について調べるようになり、警察庁を志望するようになりました。さらに警察庁に関連する地方局なども調べる中で、東京税関の存在を知りました。
税関は警察庁と連携して動くことも多く、中でも「審理」という部門は、密輸に関する情報を集め、張り込みや捜査、取調べを行うなど、業務的にも警察と似ている部分があります。また、警察庁へ出向する機会も多いため、入学当初からの警察官への思いを叶えつつ、国家公務員として日本の治安を水際で守れる最高の職場だと感じました。

大学では、どのような学修に取り組まれたのですか?

「公務員特別演習」では、元警察官である石川先生の指導の下、警察官はどんな役割を担い、どう行動すべきなのかを、議論の中で考えることができました。たとえば、東京五輪や大阪万博において、警察官はどう貢献できるのか。テロを警戒するにしても、どのように考え、行動することで未然に防ぐことができるのかなど、実践的なテーマで議論を戦わせることで、警察官の業務に対する理解が深まり、犯罪を防ぐためには、広い視野が必要だということを学びました。
また、「警察法令概論」の授業や石川先生のゼミでは、警察法の条文を自分たちなりに理解してまとめ、それを学生たちの前で発表し、質疑応答でさらに解釈を深めていくという流れで学修を進めました。特に石川先生のゼミは警察官志望の学生が多いため、プレゼンを聞く姿勢も真剣そのもの。質疑応答の際に切り込まれる質問も深く鋭いものが多いので、かなりの緊張感とプレッシャーを感じます。プレゼンと質疑応答を繰り返し経験することで、度胸がつくと同時に、一つの事象を多様な角度からを見る力が養われたと感じています。
また、資格取得にも力を入れましたね。「警察官を目指すなら、警察のことだけ知っていればいい」という狭い考えに陥らないためにも、幅広いスキルと経験を手に入れたいと考えていたからです。資格を取得することで単位認定も受けられ、公務員採用試験に向けた勉強に集中することができるので、まさに一石三鳥です。リテールマーケティング(販売士)検定2級や日商簿記検定3級、ICTプロフィシエンシー検定3級、ビジネス実務法務検定2級など、多種多様な資格を取得しました。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

東京税関に興味を持つきっかけとなったロンドン大学への交換留学は、とても印象に残っています。それまで海外に行ったことがなかったので、行くなら長期留学で、しかも最難関のロンドン大学にチャレンジしようと、イギリス行きを決意しました。もちろん、留学前に英語学修には力を入れましたが、言葉の壁があることもある程度は覚悟していました。しかし、現地での大学生活は想像以上に過酷なものでした。
私が専攻したのはソーシャル・サイエンスコースで、いわゆる社会科学を専門に学ぶコースです。留学当初の授業では環境や経済に関する講義を、自分でノートにメモしていくという日本とあまり変わらない授業でしたが、それは本当に最初だけでした。基本的な部分をインプットしたら、あとはひたすら議論です。与えられたテーマで賛成派と反対派に分かれ、自分なりの意見を求められ続ける毎日。自分の意見を持てず曖昧な発言しかできないと「何を言ってるんだ?」と白い目で見られます。たとえ自分なりの意見があっても、私の拙い英語力ではそれを充分に表現することができず、悔しい思いもたくさん経験しました。
そこで私は、徹底的に英語力を鍛えるために、一週間の休みを利用してハンガリー・オーストリア・チェコ・スイスを一人で旅行することにしました。もちろん、目的は観光ではありません。宿はホステルに限定し、多国籍な友人をつくって食事を共にすることで、徹底的に英語力、特にコミュニケーション力を鍛えることを自分に課した旅でした。その甲斐もあって、休み明けにはロンドン大学の友人からも「見違えるように話せるようになってるから驚いたよ」と言われた程です。
コミュニケーション力に磨きをかけた後は、発言内容にも磨きをかけていきました。現地では、発言内容に論文を引用するのは当たり前。自分で論文を探し、読んで理解し、それを論拠として持ち込むのです。私も相当数の論文を読み進めた後は、アカデミックなワードを用いた厚みのある発言ができるようになりました。日本の大学では教科書や教材を参照しながら議論するので、教科書の域からはあまり逸脱しませんが、ロンドン大学では各々が幅広い論文を参照してくるため、議論が自由に発展していきます。そこがとても刺激的で、日本ではなかなか体験できない部分でした。最終的にはロンドン大学の先生からも「劇的に伸びたね」と言われ、早稲田や慶応、東大からの留学生と比べても遜色ない評価をいただくまで成長できました。英語力はもちろんですが、留学で得たコミュニケーション力は、今後のキャリアにも活かせると確信しています。

部活動にも力を入れていたそうですね?

サッカー部での活動も忘れられない思い出です。5歳からサッカーをはじめ、高校はインターハイにも出場している強豪校に進学。本気のサッカー人生を歩んできた私にとって、経法大のサッカー部の練習は物足りず、周囲との熱量の差に苛立ちを覚えることもありました。自分たちで練習メニューをつくって実践しなければならない環境だったので、自律性のない部員と衝突することしばしば。でも、そうした衝突や意見交換ができたからこそ、言いたいことが言い合える間柄になり、チームはまとまっていきました。残念ながら、その結束力を関西リーグの成績につなげることはできませんでしたが、とても充実したクラブ活動でしたね。

公務員試験に向けて、どのような準備をされましたか?

国家総合職を目指して筆記対策は独学で進め、一次試験は無事に通過。二次試験の論文添削を公務就職支援室でしていただきました。憲法や国際関係、行政、それぞれの分野の先生にも添削していただきましたが、最初は辛口コメントのオンパレードでしたね。私としては自信を持っていたので、正直なところかなり落ち込みました。ちょっとした挫折と言っていいかもしれません。しかし、そこから奮起して書き続けた結果、最終的には自分でも成長を感じる程、論文の質を上げることができました。ゼミでの面接練習のほかに、公安系を目指している友人と、よく面接練習をしました。彼らは常に堂々と、力強く自分の意見を述べるので、一緒に練習していると非常に参考になりました。

本番の試験でも、その成果は発揮できましたか?

そうですね。警察庁と厚生労働省、東京税関の面接を受けましたが、いずれも落ち着いて自己PRができたと思います。警察庁の面接は一日目がオンラインで、通過者のみが二日目に霞ヶ関で対面面接に臨みます。面接官を替えて何度も面接を繰り返し、最後面接まで残ることはできたのですが、合格することはできませんでした。しかし、厚生労働省と東京税関は両方とも通過することができました。大学で力を入れてきたことを、しっかり自分の強みに結びつけてアピールできたと感じています。面接結果には関係なく、大学で身につけた力が私に大きな自信を与えてくれていることに気付くことができました。

今後の抱負についてお聞かせください。

グローバル化が加速している現代では、貿易額は年々伸び続け、新型コロナウイルス感染症の流行の状況が落ち着けば、訪日外国人もまた増加に転じるはずです。税関を取り巻く環境は目まぐるしく変化していますが、最前線に立って治安を揺るがす脅威を取り除き、健全な貿易の発展と安全な日本社会の実現に貢献していきたいと思います。また、警察庁へ出向する機会があれば、警察官を目指して学んできたことを大いに活かして活躍したいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

大学選びの基準は、自分が学びたいことが実現できるかどうかです。私の場合は、警察官になるための学びがある経法大を選択しました。この選択に間違いはなかったと今でも思います。公務員を目指して積み重ねてきた日々は、これから一生使える武器だと思っています。公務員を目指している人には、経法大への入学を強くおすすめします。ぜひ、この大学の教育制度を活用して、夢を叶えてください。

※掲載内容は取材当時のものです。

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