公務員・教員

最初は漠然としていた、公務員という将来の目標。
政治学を学ぶ中で「自分の進むべき道」という確信になった。

東大阪市役所職員採用試験 合格長谷川 雅士 さんMasashi Hasegawa法学部卒(2015年3月) / 大阪府立 八尾高校 出身

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東大阪市役所職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?

ありがとうございます。
中学生の頃に叔母に公務員になることを勧めてもらい、以後、なんとなく「将来は公務員に」と考えるようになりました。
法学部に進学したのも、公務員をめざす人の多くが法学部で学んでいるからというのが理由です。経法大を選んだのは、成績優秀者の入学金免除や学費免除など、奨学金制度が充実していたことが大きかったですね。実際にこれらの制度のおかげで、経済的な負担をあまり感じることなく、学業に打ち込むことができました。

入学後、経法大で公務員をめざすための学習に取り組んでみて、どのように感じましたか?

Sコース(特修講座)の公務員基礎講座では、公務員採用試験にどのような問題が出題されるかを知ることができ、良かったと思います。数的推理や判断推理といった科目の問題については、高校までの数学がしっかりとわかっていればそれほど苦労はないと感じました。また、講師の先生の指導がわかりやすく、講座の中で時々、昔の政治家についての挿話を聞かせてもらったのがおもしろかったですね。高校でも日本史が得意で、特に近代史が好きだった僕には、とても興味深いお話ばかりでした。

法学部での授業には、どのような印象を持ちましたか?

法律をしっかりと学べたこともよかったですが、それ以上に、政治学が楽しいと感じました。経法大は、政治学の科目がとても充実しているんですよ。
特に印象に残っているのが、1年生の時の「日本政治論」と2年生の時の「アメリカ政治論」。どちらも同じ先生が担当されていたのですが、その先生は映画のワンシーンや予告編などの映像を使って、歴史の中での政治の動きなどについてわかりやすく解説してくれました。例えば、ソマリア紛争を題材にした映画から、当時のクリントン政権の政策に対する考え方を掘り下げたり。先生の批判的な視点はとてもおもしろく、時には社会を風刺するシニカルな意見にみんなで笑い声をあげるなど、楽しみながら政治についての深い知識を得ることができました。

高校で興味を持った近代史から、政治学へと関心が広がっていったのですね。

はい。2年生からその先生のゼミに参加し、政治学をさらに深く学びました。ゼミでは自分たちで調べたことをみんなの前で発表する機会が多いのですが、僕らの発表を聞いていつも「すごい!」「知らなかった!」などと大きな声で反応してくれていたゼミ生がいたんです。彼のおかげでいつもゼミは活気に満ちていましたし、また、僕があまり気にかけていなかったようなことにも強く関心を示す彼を見て、「そういう着眼点もあるんだな」と気づくことができました。
また、先生に勧められ、テレビのドキュメンタリー番組にも関心を持つようになりました。先日見た、貧困問題を扱ったドキュメンタリー番組では、胸が詰まるような気持ちになりました。
大学での授業やゼミを通じて、自分が一番成長できた点はものの見方や考え方だと改めて思います。自分とは違う、他のゼミ生の視点や、先生の視点。例えば歴史の中での出来事も、視点が変われば印象や捉え方も変わりますからね。ドキュメンタリー番組なども、どのような視点で制作されているかを意識して見るようになりました。

就職活動には、どのように取り組みましたか?

民間企業への就職はほとんど考えず、公務員一本に絞って取り組みました。
実際に受けたのは、生駒市と東大阪市。生駒市は、現在の市長に変わってから先進的な施策をどんどん取り入れ、人口も急速に増えています。そこに強い関心を抱いて志望したのですが、最終面接で不合格になってしまいました。大学で模擬面接などを受けなかったことで面接対策をじゅうぶんにできず、しっかりとした受け答えができなかったことが原因だったのかもしれません。でも、この時の経験は、東大阪市の採用試験に生かすことができたと思います。

東大阪市の採用試験は、どのようなものでしたか?

SPI試験、小論文と面接、グループワークと最終面接、といった内容です。東大阪市は、将来的に中核市から、周辺を巻き込んで政令指定都市になる可能性があると思い、そうしたなかで活躍したいと考えて志望しました。
SPI試験では、これまでに数的推理や判断推理をしっかりと学んできたことが役立ちました。小論文についても、事前にゼミの先生にいろいろな資料を紹介してもらうなど、入念な準備ができていたため、自信を持ってクリアできたと思います。面接も、生駒市を受験した時の経験をふまえ、落ち着いて受け答えをすることができました。

合格の知らせを受けた時は、どのようなお気持ちでしたか?

正直、ホッとしました。実は東大阪市の採用試験の日程は遅く、合格が決まったのは12月だったんです。これがダメだったらもうあとがない、という気持ちでしたし、最悪の場合は就職浪人も覚悟していましたからね。それだけに、合格はとてもうれしかったです。親にもすぐに知らせて、安心してもらうことができました。
ゼミの先生にも喜んでもらえました。先生には早い時期から進路についての相談をして、アドバイスなどもいただいていたので、いい報告をすることができて本当に良かったと思います。

今後の抱負についてお聞かせください。

市民の声をきちんと聞ける公務員になりたいと思います。「こんな施策がしたい」とひとりよがりになって突っ走るのでなく、どれだけ市民のためになるかを第一に考えて行動ができる、といった公務員です。
大学で学んだ幅広い視点が、そこに生かせるのではないかと考えています。市民の方々は立場も考え方もさまざまですし、市役所の中にもいろいろな考え方を持った職員がいるでしょう。それぞれの視点を大切にし、相手の目線で物事を捉えながら、より多くの人にとってのベストを探っていくことができれば、自分がめざす理想の市政の実現に近づくことができると思っています。

受験生の皆さんへのメッセージ

自分が関心を持っていることについて、より深く学ぶことができるのが大学の良さだと思います。僕はもともと日本史が好きでしたが、大学の政治学の授業では、高校で学んだ歴史の中の出来事について、その背景などをさまざまな視点から学ぶことができ、新たな発見をたくさん得ることができました。「試験に出るから」と暗記するような勉強でなく、いろいろな視点から突き詰めるような学び方ができるから、本気でおもしろいと感じられるんですよ。また、最初はなんとなく「公務員になりたい」と考えて入学した僕ですが、政治学への関心が深まる中で、公務員をめざす気持ちが強くなり、そして、自分の将来のキャリアに結びつく知識や能力を養うこともできていったように思います。みなさんもぜひ、興味を突き詰めながら、高校までとは違った視点を身につけてほしいですね。最初は「なんとなく」で大丈夫。そこから、将来の可能性だって広がっていくかもしれませんよ。

※掲載内容は取材当時のものです。

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