公務員・教員

地元の村の人たちに、親しみをもって
「おまわりさん」と呼ばれる存在になりたい。

奈良県警察 合格小西 一利 さんKonishi Kazutoshi経済学部卒(2016年3月) / 奈良県立 十津川高校 出身

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奈良県警察の採用試験合格、おめでとうございます。
志望動機について、お聞かせください。

ありがとうございます。
僕が生まれ育ったのは、奈良県の十津川村というところです。その十津川村のために働きたいという想いから、警察官を志しました。
僕は小学生の頃から剣道をしていて、村の派出所で働いている警察官の方も、同じ道場で一緒に稽古をしていました。その方に剣道を教えてもらう機会などを通じて、警察官という仕事に親しみや憧れを感じるようになったんです。
ただ、将来の自分の職業として考えるようになったのは、大学に入学したあとのことです。それまでは、村役場の職員になりたいと考えていました。経法大に進学したのも、もともとは村役場の採用試験合格をめざす学習をするためで、「経済政策や社会政策について深く・広く学ぶことで社会を知り、役場での仕事に活かしたい」と考え、経済学部を選びました。でも大学でいろいろな勉強や経験を重ねるうちに、「警察官をめざそう」と考えるようになったんです。

どのような経験が、将来への想いに影響をもたらしたのでしょう?

まず、ゼミの先輩から刺激を受けたことですね。2年生の時、ゼミで研究発表大会に向けた準備に取り組むなかで、先輩からは、発表内容のまとめ方やプレゼンテーションでの心構えなど、たくさんのアドバイスをいただきました。一つしか学年が違わないとは思えないほどの知識やスキルを持つその先輩を、すごいと感じましたね。おかげで僕も、人前で自分の考えを話すといった力を身につけることができたと思います。
その先輩からは、就活の話なども聞かせていただきました。僕は入学時から公務員をめざしてSコース(特修講座)を受講していましたが、先輩の話を聞いて、自分を見つめ直しました。「漠然と公務員になりたいと考えてはいるけれど、僕は自分の将来のことを本当に真剣に考えたことがあるだろうか。民間企業に就職するのも、選択肢の一つかもしれない。」そんな迷いもあって、僕は先輩に勧められてBLP(ビジネスリーダープログラム)を受講してみることにしました。

BLPを受けられたことで、どんな経験をされましたか?

BLPは、銀行や大手企業への就職をめざす学生が、そのために必要な知識や社会人基礎力を身につける特別講座です。高い目標に向かって頑張っている他の受講生たちの姿を目の当たりにしたことで、僕は変わりました。そこからは、彼らに負けないよう、僕も僕自身の将来について、深く真剣に考えるようになりました。そして「やはり、公務員として地元のために役立ちたい。本気で公務員をめざそう」と決意し、半年でBLPをやめ、以後はSコースでの学習にいっそう力を注ぐようになりました。

その時点では、まだ警察官という選択肢は意識されていなかったのですか。

公務員のなかでも警察官をめざそうと考えるようになったのは、経済学部の授業がきっかけです。
3年生になったばかりの頃、地域社会の経済や政策について学ぶ授業で、ビデオを通じて高齢者の一人暮らしの実態について学習しました。身寄りのないお年寄りが、たった一人で亡くなられるというケースが増加しているという事実にふれ、僕は悲しくなり、そうした問題と向き合う仕事がしたいと感じました。実際、僕の地元の十津川村にも、一人暮らしのお年寄りがたくさんいらっしゃるので。
行政職という立場からできることは多いけれども、派出所に勤務する警察官なら、普段から近隣の住民の方々に目を配ることができるはず。そう考えた時、小学生の頃に剣道を教えてくれた警察官の方を思い出したのです。「そうだ、あんなふうに村の人々と自然にふれあいながら、親しまれ、信頼される“おまわりさん”になりたい」。そうして僕は、地元の奈良県警察をめざす決心を固めたのです。

実際に採用試験を受験されるにあたって、苦労はありましたか?

教養試験については、行政職も警察官も内容にあまり違いはありません。ですから、村役場の職員をめざしてSコースで1年生から積み重ねてきた学習が、奈良県警察の採用試験にもそのまま役立ちました。
体力検査も、難なくクリアできました。高校から陸上競技に取り組んできたことで、基礎体力には自信がありました。大学の陸上競技部でも鍛え、それとは別に自主的にトレーニングもしていたので、準備は万全でした。
不安を感じていたのは、面接試験です。警察官をめざすと決める前に、役場の面接試験の対策として、キャリア演習や就勝実践キャンプに参加し、模擬面接を受けてきましたが、警察の採用試験を想定した面接の練習などは、それまでまったくしていませんでしたから。そんな僕に声をかけてくださったのが、西口先生でした。法学部の警察・消防モデルの公務員特別演習を担当されている先生で、僕もこの演習を特別に受けさせてもらうことができたんです。さらに奈良県警察の面接試験の直前にも、先生は模擬面接など、細やかに指導してくださいました。

西口先生からはどのようなアドバイスを受けたのですか?

面接での姿勢や言葉遣いなどに関することもですが、何より「警察の組織や職務内容について、自分でしっかりと調べて理解しておくように」と厳しく言われました。民間企業への就職をめざす上で企業研究が大切なのと同じで、警察についての研究がきちんとできていなければ、面接での受け答えもできません。僕はその認識が甘く、警察についての知識が圧倒的に不足していたんです。
そこから頑張って警察への理解を深めました。そのおかげで、本番の面接でもしっかりとした受け答えができ、合格することができたと感じています。西口先生は、もと奈良県警察の警察官で、採用の面接に携わった経験もお持ちの方です。そんな先生に指導していただけたことは、本当に心強かったですね。

今後の抱負についてお聞かせください。

「警察官」というより「おまわりさん」というイメージで、地域住民の方々に親しみを持っていただけるような存在になりたいですね。希望がかなうなら、地元の十津川村の派出所で働きたいと思っています。ただ、十津川村だけでなく、県内には一人暮らしのお年寄りなど、不安を抱えている方が大勢いらっしゃいますので、どこで働くことになっても、そうした方々のために親身になって頑張りたいと思います。
経済学部で政策や地域経済の課題について学んだことも、活かせると思います。経済学部の公務員特別演習では、八尾市役所の職員の方にお会いし、市民のために力をつくすその情熱にふれることもできました。そうした大学での経験をふまえ、行政と力を合わせて地域に貢献できる警察官をめざします。

受験生の皆さんへのメッセージ

この大学にはSコースなど、めざす夢の実現に向けて、支えてくれるいろいろな制度やプログラムがあります。先生や職員の方々も、学生一人ひとりに目を配り、親身になって助けてくださいます。本当に頼りになる大学だと思いますし、だからこそ、自分の夢や目標を早い段階で見つけることが大事だと感じます。僕は、他の人より少し時間がかかってしまいましたからね。それでも、周囲の支えのおかげで、採用試験に合格できたんです。まだ将来について何も決められないという人も、ぜひ経法大で「これだ!」という夢を見つけ、その夢を叶えるために全力を注いでください!

※掲載内容は取材当時のものです。

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