公務員・教員

Sコース、インターンシップ、クラブ活動、SAFETY、
すべてが採用試験の力になった。

大阪府警察 合格藤井 梓穏 さんShion Fujii法学部法律学科卒(2018年3月) / 大阪府 阪南大学高校 出身

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大阪府警の採用試験合格おめでとうございます。
採用試験に向けてどのような対策を行いましたか?

ありがとうございます。
警察官は幼い頃からの夢でした。経法大を選んだのは、法学部に公務員コースがあり、めざせる進路として警察官の養成を打ち出しているからです。
入学後は1年生から「Sコース(特修講座)」の公務員講座を受講し、警察官に向けての対策を開始しました。2年生までは公務員試験の基礎を固める時期。数的推理、判断推理などの数学的要素が必須でしたが、私は文系なので最初はとても苦労しましたね。Sコースでは単に講義を行うだけではなく、苦手分野に絞ったフォローもしてくださいました。そのおかげで数学的要素も理解できるようになりました。3年生からはめざす進路に応じた具体的な学修になります。私は最初から大阪府警を志望していたので、大阪府警の過去問を中心に学修を進めました。1年生からはじまり、直前対策までSコースで学び続けたことで、公務員試験に合格する実力が身につきました。試験直前は非常に緊迫感のある時期でしたが、Sコースの仲間と一緒に放課後も勉強を続けました。同じ警察官を志す学生同士がお互いに切磋琢磨できることもSコースの良さです。
Sコースには、体育会系クラブ生のための「アスリートキャリアプログラム」という制度があり、クラブ活動で参加できなかった講義については別枠で受講することができるので、Sコースを受講しながら、安心してクラブ活動に打ち込むこともできました。
また、介護施設でのインターンシップにも参加しました。キャリア支援課にお願いして、3年生の冬に2つの施設で合計20日間、食事、入浴、排せつ、送迎介助などの介護業務に従事させていただきました。高齢者の方々とのコミュニケーションでは、仕事として向き合うというよりは、おじいちゃん、おばあちゃんと接する感覚を大事にしました。そうすると相手も打ち解けてくださり、最後は「もう帰るの。寂しいねえ」と声をかけてくださいました。高齢化社会をむかえ、高齢者に関連した犯罪と犯罪被害がなにかと問題になることも多いですが、インターンシップ先では認知症の方々への対応も学べ、このことは面接でも大きなアピール材料になりました。

就活対策の合宿や公務員特別演習ではどんなことを学びましたか?

就活対策の合宿は、本当に有意義な面接練習の機会となりました。警察官の面接は一般企業以上にプレッシャーへの耐性をみられるので、圧迫面接にも備えなければなりません。元警察署長の先生からは、緊張感を表に出してしまうと圧迫になりやすくなるので、そうならないための雰囲気づくりが大切だと教わりました。そのおかげで、本番の面接もあまり緊張感を出さずになごやかなムードで挑むことが出来ました。
公務員特別演習でも、本番さながらの面接指導をしていただきました。たとえば、本番では「貴重品は各自持って入ってください」と指示されるので、財布と受験票を持って入室することになります。その際、財布はスーツの内ポケットに収めておくように教わりました。細かいことですが、財布を手にしたまま入り、印象を悪くしてしまう学生もいるそうです。ここまで実際の場面に則した注意点を指導していただけるのも、公務員特別演習だからこそです。
また、就活対策の合宿と公務員特別演習をとおして、モチベーションを高めることもできたと実感しています。私は将来、刑事課での勤務をめざしています。元警察署長の先生に「どんな人が刑事に向いていますか」と尋ねたことがあるのですが、先生からは、「1週間帰れなくても大丈夫な精神力と忍耐力を備えること。そして相手の気持ちや痛みが理解できる人」というお答えをいただきました。自分も強い気持ちを持って頑張ろうという心構えができましたね。

4年間をとおして様々な活動に積極的に参加されたのですね。

オープンキャンパススタッフ、1年生のサポートを行うメンター、学生消防隊「SAFETY」、クラブ活動など、さまざまな活動に参加したことが、すべて就活の力になったと思います。オープンキャンパススタッフの活動では、受験生や保護者の方々など、一人ひとりに応じたていねいな対応を心がけることで、いろいろなタイプの人とのコミュニケーションを学びました。メンターは、新入生の不安を取り除いてあげることが大切。相手の立場や気持ちを考えて行動することは、警察官にとって大切な素養です。2016年7月に発足したSAFETYの活動には、1期生として、消防官をめざす仲間とともに1年間参加しました。消防法や放水訓練、人命救助について体系的に学修できました。応急救命手当講習会では、心肺蘇生法やAEDの使用方法、熱中症の予防対策などを受講し、修了証が授与されました。SAFETYで学んだ知識を活かし、緊急時には率先して人命救助にあたれる警察官になりたいと思います。
小学生から高校生までは空手をしていましたが、大学では柔道部に所属しました。警察学校では柔道のカリキュラムがあるので、卒業後も活かせると思ってのことです。また、自転車競技サークルにも参加しています。クロスバイクで山道を登り、奈良方面から大学に戻るルートからは、大阪平野を見渡せる絶景が一望できます。サークルでの活動は、足腰の鍛錬にもなり、気持ちもリフレッシュできたので、勉強にも集中して取り組むことができました。

大阪府警の選考について教えてください。

5月に1次選考、7月に2次選考、合格発表が8月初旬という流れです。1次試験はエントリーシートと教養考査、論・作文考査です。論・作文考査については、60分以内に1000文字以上の文章を書けるようにしておく必要があります。ここで落とされるケースがありますので、直前対策でしっかり準備していました。2次選考は身体検査、適性検査のほか、バーピー・テストや上体おこし・腕立て伏せ・反復横とび・握力などの体力検査と面接です。体力検査の内容は事前に知らされていたのですが、回数は試験の当日に発表されます。体力検査では柔道部で鍛えた成果が発揮できました。
面接ではこんなやりとりもありました。面接官の「もし大阪府警を不合格になったらどうしますか」という質問に対して「(民間企業から3社内定を得ていたので)いったん内定先に勤務して、再度大阪府警をめざします」と回答。すると、「それはその企業に失礼ではないですか」と指摘されましたので、「内定先には大阪府警が第一志望である旨を伝え、合格した際は辞退することを了承いただいています」と答えると、納得されておられました。実はこの問答は、想定通りのものでした。どんな質問に対して、どのように返答するのか。その返答にどんな質問が返ってくるのか。ストーリーを考え、準備していたことをそのまま反映することができました。

印象に残っている授業はありますか?

ゼミですね。現在は国際関係をテーマに研究しています。議論と発表の機会が多く、コミュニケーション力の鍛錬になります。1年生の大学演習も興味深い学修でした。実際に起きた刑事事件を取り上げて討論をするスタイルで、自分の興味ある冤罪や少年犯罪といったテーマについて事件の背景を調べ、発表・討論しました。先生も加わり、一緒に議論を深めることで成長でき、刑事をめざす私にとって心に火がついた演習でした。

卒業までの残りの学生生活は、どのように過ごされる予定ですか?

警察学校に備えて体力練成に励むとともに、漢字検定2級を取得するようにと言われていますので、それに向けて勉強をしています。論文対策で国語力も上がりましたので、ぜひ取得したいですね。
また、警察官をめざす高校生の皆さんに自分の経験を伝えるためにも、オープンキャンパスにはできるだけスタッフとして参加したいと思っています。皆さんから「どうすれば警察官の採用試験に合格できますか」という質問を受けた場合、「こうすればいい」という答え方はしないつもりです。成功に近道はありません。1年生からコツコツと頑張ることの大切さをお伝えしたいです。決して苦痛ではなく、楽しいプロセスであることもお話ししたい。私は警察官をめざす学修とともに、クラブ活動、SAFETY、オープンキャンパススタッフなどにすべてを並行して取り組みました。その経験を紹介したいですね。

受験生の皆さんへのメッセージ

警察官になりたい、という明確な意志がある方には絶対に経法大を薦めます。自分の経験から、素直な気持ちでそう思います。警察官になりたいのなら、大学で勉強を頑張るのは当たり前です。経法大にはそれに加えて、多彩な活動に取り組むチャンスがあり、それらすべてが成長につながります。また、経法大は教職員の方が、学生一人ひとりを見てくださっています。明るく頑張っていると「〜をやってみないか」と声をかけてくださる。そんな環境だからこそ、私は頑張れました。皆さんもぜひ、そのチャンスを有効に活用してください。

※掲載内容は取材当時のものです。

学生消防隊
「SAFETY」

八尾市消防本部との協定により、2016年7月、大阪府で初となる学生消防隊「SAFETY」が本学で発足されました。第一期のメンバーは、消防官や警察官をめざす学生を中心とする50名。八尾市消防本部の消防官による指導のもと、放水訓練や傷病者搬送訓練、AEDの使い方講習等に取り組み、八尾市消防本部の防災設備査察に同行するなど、積極的な防災支援活動を展開。地域防災に貢献するとともに、体験から学べる、実践的なキャリア教育の場となっています。

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