公務員・教員

宮古島の魅力を全国に伝え、郷土の振興に貢献したい。
それが自分の夢だと、大学で学ぶなかで気づいた。

宮古島市役所職員採用試験 合格藤井 大地 さんFujii Daichi法学部卒(2016年3月) / 沖縄県立 宮古高校 出身

前へ

次へ

宮古島市役所職員採用試験合格、おめでとうございます。
公務員を志すようになったのは、いつ頃からですか?

ありがとうございます。
公務員の仕事に興味を持つようになったのは、中学生の頃からです。授業の一環で、市が運営する総合体育館やスポーツセンターなどで職場体験をしたことが、きっかけになりました。僕の地元は、沖縄県の宮古島。職場体験では、島の観光事業の活性化や地域振興につながるイベントの企画書作りなどを経験することができ、それがとても楽しく感じたことを覚えています。
以後、なんとなく「将来は公務員として宮古島のために働くことができれば」と考えるようになったんです。ただ、絶対に実現させたいといった強い気持ちではなく、最初は本当に、漠然とした想いでした。

進学先として経法大を選んだ理由をお聞かせください。

一度は都会での暮らしを経験したいという気持ちから、東京か大阪の大学に進学したいと考えていました。経法大を初めて知ったのは、高校で開かれた大学説明会の時です。公務員をめざす学生のための学習環境が充実していると聞き、魅力を感じました。自分が本気で公務員になりたいのか、その時はまだはっきりしていませんでしたが、「とにかくまず、この大学で学んでみよう」と思い立ち、経法大を志望したのです。
入学後は、公務員採用試験に向けた学習をスタートさせる一方で、教職課程も選択。公務員の職種の一つとして、学校教員という仕事にも関心があったからです。人と話すことが好きな僕は、模擬授業もすぐに要領を得て慣れることができました。
そうして、さまざまな学びを通じて視野を広げ、大学生活の最初の2〜3年は、自分が本当にやりたい仕事は何かというのを探っていたように思います。

民間企業への就職も視野に入れられたのですか?

はい。自分の将来の希望を突き詰めて考えると、「宮古島で、宮古島のために働きたい」ということ。「公務員になりたい」ではなく、宮古島市役所の職員や、宮古島の学校の教員が、僕がめざしている未来の理想像だったんです。だったら民間企業でも、宮古島に貢献できる仕事ができるはず。そう考えて就活に取り組んだのですが、自分が働きたいと思える企業には、なかなか出会うことができませんでした。業種にもこだわらず、宮古島で働ける可能性を幅広く探りましたが、事業の将来性、そこでできる仕事の規模や労働条件など、いずれの観点においても、市役所のほうが魅力的に感じられたのです。実際、宮古島市役所の組織や業務などについて深く調べると、島のすべてにかかわることができると言えるくらい、多岐に渡る仕事に携われるチャンスがあると知りました。「やはり僕が本当にめざしたい未来は、宮古島市役所にある」と、改めて気づきました。

宮古島市役所の採用試験には、どのように臨まれましたか?

試験直前の1ヵ月ほどで、筆記試験に向けた勉強のラストスパートをかけたのですが、この時に役立ったのが、その数ヵ月前にあった教育実習での経験でした。教育実習では、最初、自分が思っていたように授業を進めることができず、苦労しました。模擬授業ではうまくいっていたのに、本物の高校生が相手になると、準備していたことが何も通用せず、空回りばかり。「どうすれば生徒たちがもっと勉強に興味を示してくれるのか」「勉強の面白さを伝えたい」。そう考えて工夫を重ねるうちに、僕自身が勉強を好きになり、教えることがとても楽しくなっていったんです。それが伝わったのか、だんだん生徒たちの反応も良くなりました。そして、いざ自分が採用試験の勉強に取り組もうとした時、高校生たちに伝えた勉強の面白さが思い出され、楽しく集中することができたんです。短期間でしたが、これまでで一番効果的な勉強ができましたし、おかげで大きな自信をもって筆記試験に挑むことができました。
面接試験については、3年生の終わり頃に参加した就勝実践キャンプでの模擬面接で準備を整えてきました。教職課程などでコミュニケーション能力が鍛えられ、模擬面接でも高い評価をいただいていたので、本番の面接も緊張することなく、しっかりとした受け答えができたと思います。
それでも、試験が終わって最終の合格発表を待っていた時期は、不安で何もする気が起きませんでしたね。そして合格を知った時は、うれしいというよりホッとしました。先生や親に報告し、おめでとうと言ってもらえ、ようやく実感がわいてきたように思います。

大学生活のなかで、思い出に残っていることなどはありますか?

1〜2年生の時はファーストフード店でのアルバイトに一生懸命取り組みました。入って1年ほどでマネージャーに昇格し、店長代理という肩書きをもらって、自分より年上のスタッフに指示を出したり、人件費のコントロールにかかわる仕事を任せていただいたりもしたんですよ。マネジメントの難しさなど、ビジネスを実体験から深く学ぶことができ、将来にも役立つ経験になったと感じています。
大学でのサークル活動も、楽しい思い出です。奄美沖縄会と流舞三線校友会に所属し、沖縄県出身の学生同士で交流を深めました。3年生の時には、後輩たちと新しく「エイサー隊」を発足させ、沖縄の踊りであるエイサーを学内のイベントなどで披露するだけでなく、老人ホームなど学外でも招待を受けることで、たくさんの方々に沖縄の伝統芸能の魅力を伝えることができました。こうした活動が、僕の宮古島に対する愛着をさらに強め、「地元で働きたい」という強い意志を決定づけたように思います。市役所の採用試験でもサークルでの活動について話し、地元への想いを伝えることができました。

法学部での学びで、特に印象に残っていることはありますか?

いちばん興味を持ったのは、ゼミで学んだ法哲学ですね。それぞれの国や地域の法律の根底には、その国や地域に根づいている思想や文化があるんです。日本人の僕たちの感覚では違和感をおぼえるようなことでも、その国では当たり前になっていることがあり、それがその国の政治にも影響を及ぼします。思想や文化があって、そこから国ができ、法律ができ、社会ができる。思想や哲学には大きな力があるということが学べました。日本のなかでも、地域によって思想や文化が違っていると感じることがあります。宮古島の文化を全国に発信していく上でも、このゼミでの学びは生かせるでしょうし、宮古島市役所での仕事に大いに役立てていきたいですね。

今後の抱負についてお聞かせください。

宮古島市役所の職員として、地域振興に携わり、観光事業を盛り上げる役割を担いたい、という希望を抱いています。県外の人には、沖縄県の島々はどこも同じようなイメージを持たれていると思うんです。でも宮古島には宮古島独自の魅力がありますし、それをアピールしていくことができれば、と考えています。そのためにはまず、僕自身がもっと宮古島のことを深く知ることが大切。歴史や文化などについて見識を深めるとともに、自ら三線を弾き、エイサーを踊るなど、郷土芸能に親しみ続け、たくさんの人々に知ってもらうべき宮古島の魅力を追究していきます。

受験生の皆さんへのメッセージ

将来の目標は、早いうちから明確にしておくことをおすすめしますね。僕は漠然と「公務員になりたい」と考え、その想いを突き詰めるのに時間をかけすぎたように感じています。もっと早くに考えを整理できていれば、採用試験に挑む準備もより万全になったと思いますから。そして迷ったり悩んだりした時は、先生や職員の方々を頼りにすることをおすすめします。経法大は学生と教職員の方々との距離が近いのが大きな魅力。僕は、就活の時期には宮古島に戻って何日も滞在する機会が多かったのですが、その間の授業についてなど、先生に相談し、さまざまな配慮をしていただきました。また、エイサー隊を作った時には、職員の方のサポートがとても心強く感じられましたから。ぜひこの大学で、さまざまなサポートを積極的に活用しながら夢に向かってがんばってほしいですね!

※掲載内容は取材当時のものです。

同じ職種・資格のストーリー