民間企業

幼い頃から持ち続けた夢を叶え、
近畿地方のインフラを支える運転士に。

近畿日本鉄道株式会社 内定松原 宏樹 さんKoki Matsubara経済学部経済学科卒(2024年3月) / 奈良県立 高田高校 出身

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内定先についてお聞かせください。

近畿日本鉄道株式会社から内定をいただきました。
小さな頃から乗っている大好きな鉄道を運行する会社なので、近鉄に就職できたことは本当にうれしく思っています。「大きくなったら電車の運転士になりたい」という夢を持つ子供は少なくないと思います。私もその一人でした。小さな頃から現在まで変わることなく夢を持ち続け、その夢が叶い鉄道職として採用いただいたので、一日も早く運転士デビューできるように頑張りたいと思っています。
近鉄は大阪府・京都府・奈良県・三重県・愛知県の2府3県を走る、日本の私鉄で最も長い営業線路を持つ鉄道会社です。沿線には世界遺産が5つもあり、観光需要も非常に高い路線なので、近年では観光列車の導入を活発化させています。近鉄電車の運転士は一般列車の運転士から特急列車の運転士へとステップアップしていきます。いずれは特急列車を運転できるようになりたいです。

大学ではどのような学修に取り組まれたのですか?

経済学を中心に幅広く学んできました。1年生の時には「経済学基礎」で、その名の通り身につけておくべき経済学の基礎知識をしっかり教わりました。GDPや市場経済について、国際取引と為替レートなども解説いただき、日常のすぐそばに経済学があることを感じながら楽しく学修できました。「ミクロ経済学」と「マクロ経済学」の授業では数学やグラフを使用しながら経済状況を明らかにしていきます。数学は苦手ではなかったのですが、必要な知識を基礎から丁寧に教えていただけたので、スムーズに理解することができました。こうした学修のおかげで、経済成長率や物価、失業率など、さまざまな経済指標を読み解くことができるようになり、経済ニュースを観ていても、これまでとは違った視点で捉えられ、学修内容が身についていることが実感できています。
また、「経済と憲法」という授業では、スピード違反と道路交通法、ユーチューバーと著作権法、SNSとプライバシーなど、多様な社会問題を憲法や法律の観点で考え、どのように解決すべきかを検討していきました。各自がテーマに沿ってプレゼンテーションを行い、クラスメイトからの質疑に応える形だったので、どんな質問がきても対応できるように幅広く情報収集をして、自分の考えをまとめる良い練習になったと思っています。

大学生活で印象に残っていることはありますか?

労働経済学を専門分野とする先生のゼミに所属していたので、労働市場の雇用や賃金について分析・研究したことが印象深いです。新型コロナウイルスによって、あらゆる労働市場が大打撃を受けていました。とりわけ観光業界と航空業界の落ち込みは激しかったので、現状と展望を明らかにしたいと思い、自分の研究テーマに据えることにしました。しかし、集めた情報を精査し、正しい情報かを検討する作業にはかなり苦労しました。先生にもアドバイスをもらいながら判断していきましたが、その過程で正しい一次情報を集める情報収集力が身についたと思っています。また、学生研究発表大会にも出場し、3位入賞を果たしたことが思い出に残っています。今後は「最低賃金の引き上げ」をテーマに卒業論文を執筆する予定です。今まで身につけてきた情報収集力を活かしながら、日本の雇用形態の歪さを洗い出し、ジョブ型雇用への移行提唱と最低賃金の決定方法を再定義できればと考えています。

就職活動に向けて、どのような準備をされましたか?

就職活動の準備として最も役立ったのが「キャリア演習」です。自己分析をして志望理由をまとめたり、エントリーシートの添削をしてもらったり、就職活動に必要なあらゆる対策ができました。面接練習もクラス全員の前でやるので、緊張感を持って練習でき、客観的なフィードバックがもらえるので、とても役に立ちました。私の場合は話の内容よりも、話し方や姿勢、目線などの細かな部分に課題がありました。周囲のアドバイスをもとに修正していくことで、本番の面接試験にも自信を持って臨めました。
志望理由については、授業内だけでなく、キャリアセンターにも相談しに行きました。私は鉄道会社に対する強い憧れの気持ちを志望理由に書いていましたが、「憧れだけでは志望理由としては弱いので、なぜ鉄道なのかを追求しましょう」と言われ、キャリアセンターの方と一緒に鉄道会社で働きたい理由や、入って成し遂げたいことなど志望理由を磨き上げていきました。
また、旅行の知識があれば就職活動時のアピールにもなり、就職後はお客様に観光情報をお教えすることもできると考え、資格講座で「国内・総合旅行業務取扱管理者講座」を受講しました。資格自体は取得していませんが、講座で勉強したことは今後に活きてくる内容であったと感じています。

近畿日本鉄道株式会社の選考には、どのように臨まれましたか?

キャリアセンターに何度も添削いただいたおかげで、エントリーシートは納得いくものを提出できました。筆記試験も経法SPIや参考書で対策をしていたので、受験後は手応えを感じることができました。面接では、最初は緊張もありましたが、徐々に緊張も解け、自信を持って話せるようになりました。しかしながら、最終面接だけは、自分の話に自信がなかったわけではありませんが、終わったあとも受かったかどうかとても不安に思っていたのを覚えています。
後日、内定の連絡をいただいた時は本当にうれしかったです。ちょうど近鉄電車に乗って通学している時に電話がかかってきたので、途中の駅で降りてかけ直し、内定のお話をいただきました。3歳くらいからずっと持ち続けていた夢が、近鉄電車に乗っている時に叶うなんて本当に幸せな瞬間でした。

今後の抱負についてお聞かせください。

最初は駅係員業務から始まります。地道に努力を続け、運転士になり、いずれ特急列車を運転できるように努めていきたいです。そして、安全で快適な運行をお客様にお届けするために、日々、強い責任感と使命感を持って業務に取り組んでいこうと考えています。お客様の命を預かる仕事であることを忘れず、近畿地方のインフラを支えていきたいです。

受験生の皆さんへのメッセージ

就職活動を体験して感じたのは、大学4年間は社会への準備期間だということ。日々の授業や資格勉強も、友人や先生との交流も、研究発表大会などのイベントも、すべてが成長につながるチャンスです。どんな大学に行ったとしても、そこでの経験を糧に充実した学生生活を送ってください。

※掲載内容は取材当時のものです。

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