難関試験合格

「資格試験のためだけ」でない幅広い学びは、
会計士としての自分の未来に、必ず役立つと思う。

公認会計士試験 合格新川 晃司 さんKoji Niikawa経済学部卒(2014年3月) / 岐阜県立 本巣松陽高校 出身

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公認会計士試験合格、おめでとうございます。
受験を志望されたきっかけについてお聞かせください。

ありがとうございます。
僕は高校を卒業してから2年間、アルバイトをしていました。最初は進学するつもりでいくつかの大学を受験したのですが、第一志望の大学に受かることができず、「どこでも良いから受かったという理由だけで希望以外の大学になんとなく行くのは時間がもったいない」と考え、働きながら自分の将来について見つめ直すという日々を過ごしていました。
そんな中で改めて気づいたことは、「将来的には地元の街に貢献したい」という想いを強く持っていたこと。一度きりの人生、自分のためだけに生きるのは寂しい。それならば、生まれ育った岐阜県に、役立てる人間になりたいと思うようになりました。地元企業に入るのも一つの方法ですが、それでは貢献できる度合いが限られてきます。「より広く貢献できる仕事はないか?」と考え、探して、見つけたのが会計士だったというわけです。
そして、公認会計士試験に向けた勉強に取り組むため、大学に通う決心をし、奨学金制度やSコースなどが充実している経法大に入学しました。

一度立ち止まったことで、本当の目標を見つけることができたのですね。
経法大では、どのような学生生活を過ごされましたか?

経済学部で主に会計を学び、Sコースの会計職講座で公認会計士試験に合格するための対策に取り組みました。
Sコースでは、専門学校から派遣されてきた先生に、とてもわかりやすく指導してもらえたのが良かったですね。1年次は基礎講座で学び、日商簿記検定3級資格取得に向けた勉強から始めました。6月の試験ですぐに3級に合格することができ、11月には2級に合格。公認会計士試験という大きな目標に向かって、着実に力がつき、成長できていることを実感しました。
また同時に、経済学部の授業では、資格試験のためだけではない、幅広い知識を得ることができました。もし公認会計士試験に合格することだけが目的ならば、大学に入らなくても、専門学校だけで学べば受験することは可能です。それでも僕があえて大学に入って学びたいと考えたのは、「専門学校だけだと知識に偏りが出るのでは?」と感じたからです。経済学についての広く深い専門知識に加え教養科目なども幅広く学んだことで、視野を広げられたのはとても良かったと思います。
本格的に公認会計士試験に向けた勉強に取り組み始めたのは3年生以降で、それ以前は部活にも力を注ぎました。写真部に入っていましたが、みんなで京都へ撮影に出掛けたり、部室で語り合ったりと、楽しい日々を過ごしました。
卒業式で経済学部の総代に選ばれたことも、忘れられない思い出です。こうして改めて振り返ると、経法大では多くを学ぶことができ、生涯心に残るような、掛け替えのない時間を過ごすことができたと実感しています。

試験勉強以外でも、充実した4年間を送られたのですね。
では3年生以降の公認会計士試験に向けた学習についてお聞かせください。

2年生の終わり頃から、Sコースでは専門学校に通わせていただきました。大学での授業が終わったあとや講義が休みの日には専門学校に通い、公認会計士試験のための勉強に取り組みました。
試験科目の中でも、財務会計と管理会計は、簿記の2級を取る時に学んだことの発展というイメージだったので、あまり苦になりませんでした。また、簿記の資格のための勉強に取り組んだ際に、おぼえるだけというやり方でなく、時間をかけて、しっかりと考えながら学んできて良かったと感じました。やろうと思えば短時間でもできる勉強を、あえて時間をかけ、予習と復習に力を入れるといった習慣を、1年生の頃からつけていたことが、公認会計士試験のための勉強にとても役立ったと思います。
一方、企業法や監査論は、それまで学んでこなかった科目でしたので、最初は苦労しました。今思えば、法学部には企業法に関連する科目もあるので、いくつか選択しておけば、もう少し楽だったかもしれません。
それでも、大学と専門学校、両方でしっかりと学んだおかげで、着実に理解を深めていくことができました。何より、多くの方々にサポートしていただけたことが大きかったと思います。

どのようなサポートを受けられたのですか?

ゼミでお世話になった山根先生には、勉強でわからないことがあれば、いつでも親切に教えていただきました。ひんぱんに研究室を訪ね、勉強以外の話題や相談などにも気さくに応じていただきとても心強かったです。
大学の職員の方々にも、感謝しています。エクステンションセンターでは、DVDなどの資料を使ってよく自習をしていたのですが、早朝や休日など、時間外でも利用させていただくなど、いろいろな配慮をしていただきました。専門学校や自宅でも勉強はできるのでしょうが、当時の僕は、大学での勉強時間が一番長かったように思います。ゼミ室もよく利用し、同じ公認会計士試験をめざす後輩と情報交換などもしました。また、部活の仲間たちと会って話すのも、いい気分転換になりました。
経済面での支えも大きかったですね。奨学金を受けられたことはもちろん、Sコースが無料というのは本当に助かりました。自分で専門学校の学費を負担していたら、合格まで勉強を続けるのは困難だったかもしれません。
公認会計士への挑戦は決して簡単なことではありませんし、ずっと一人だけでやっていると、孤独感が募り、つらさが増すと思うんですよ。でも周囲のサポートがあったから、あまりつらさを感じなかった。「自分が頑張りさえすれば支えてもらえる、だからあとは自分次第だ」と思えたことで、高いモチベーションを持ち続けることができました。

そうして頑張った結果、まず在学中に短答式試験に合格されたのですね。

はい。短答式試験には、4年生の12月に合格しました。
3度目の受験でした。最初に受けたのは、3年生の12月。その時はまだ合格する自信はなかったのですが、受けることで試験の感覚をつかむことができました。4年生の5月にも受験し、その時も合格には至りませんでしたが、自分の課題を実感として把握する上で、いい経験ができたと思います。
2度の受験を通じて感じたのは、得意分野を伸ばすより弱い部分を補強した方がいい、ということ。それまで僕は、監査論と管理会計があまり得意ではありませんでした。でも、得意科目の勉強が楽しくて、つい不得意な科目の勉強時間が少なくなりがちになっていたんです。そこをあえて、不得意科目に時間を割くよう、切り替えました。それが功を奏し、3度目の受験には、自信を持って挑むことができたと思います。在学中に短答式はなんとかクリアしたかったので、ホッとしました。短答式試験のハードルが高いので、あとはちゃんとやれば論文式試験には合格できるはずだ、という自信もありましたから。

その後、北海道大学大学院に進学され、現在も在学中とうかがっています。進学された理由について、お聞かせください。

公認会計士試験のための勉強だけでなく、より深く、広く、会計について学びたいと考えてのことです。
大学では、資格試験とは違う視点で会計を学ぶことへの興味が高まりました。それで山根先生にも相談して、専門職大学院への進学を決意したんです。
現在は会計情報専攻で、事例研究などに取り組んでいます。例えば管理会計ですと、実際の企業の事例をケーススタディというかたちで調査してディスカッションしたり、財務会計ですと、日本の会計基準と国際的な国際財務報告基準との整合性について議論したり。資格試験のためだけではできないような勉強ができ、進学して本当に良かったと感じています。
一方で論文式試験に向けた勉強も着実に進め、8月に受験をして、この11月の発表で、合格を手にすることができました。

合格を知った時の喜びは、どのようなものでしたか?

「やった!」というより、「良かった、安心した」という気持ちでした。ひとつの区切りという感覚です。得意でなかった監査論の勉強に力を入れてきたつもりでしたが、試験では思っていたほど書けなかったので、合格はしましたが「もっと勉強しないと!」と思い直しました。これから会計士として、監査に取り組んでいくことになるのですから。
ただ、合格まで勉強を続けられてきたことは、良かったと思います。途中であきらめてしまう人も、少なくはありませんから。何より、勉強を続けられる環境に恵まれたことに感謝したいですね。そういう意味では、経法大に入学して本当に良かったと思います。

今後の抱負についてお聞かせください。

監査法人から内定をいただき、大学院修了後には、その監査法人の名古屋事務所で働くことになります。まずはそれまで、大学院での勉強をしっかりとやり遂げたいですね。強いこだわりをもって進学したのですから。
そして監査法人で実務経験を積み、修了考査を経て、公認会計士として、将来的には地元・岐阜県に貢献できる仕事に取り組んでいきたい。コンサルティング会社などへの就職を選ぶ人も多いようですが、僕が監査の仕事を選んだのは、「会計士の価値は監査ができること」という考えを持っているからです。まずはきっちり監査の技術や知識を身につけてから、いろいろな方面に目を向けていこうと思います。
めざすのは、信頼され、頼りにしてもらえる会計士となること。そのためには、多くの専門知識はもちろん、クライアントの方や監査チームの中でのコミュニケーションも大切になると思います。「基準でこうなっているから、こうしなさい」と杓子定規になるのでなく、「こういう理由があるからこの基準がある、そう考えればこうするのがベストでしょう?」と、クライアントに心から納得してもらえる説明ができる会計士になりたい。大学や大学院で幅広く学んできたすべてが、そこに役立つはずだと確信しています。

受験生の皆さんへのメッセージ

広い視野を持って勉強に取り組んでほしいですね。僕のように会計士をめざしている人もいるでしょうし、弁護士や研究者をめざす人など、それぞれ様々な目標を持ち、経法大への入学を志している人がいると思います。そうしためざす目標に向けて頑張ることは大切ですが、そこだけに偏ってしまうのは、ちょっともったいない気がしますね。 せっかく大学に入るのですから、広い視点で、いろんな科目を学び、たくさんの友人を作って、今しかできないことにどんどんチャレンジする4年間を過ごしてほしいと思います。それができる環境が、経法大には整っています。あとは「自分がどれだけやるか」にかかっていますよ!

※掲載内容は取材当時のものです。

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