進学

開発途上国をサポートする仕事をめざし、
今後は国際協力について研究。
将来は国際機関で働きたい。

神戸大学大学院・広島大学大学院 合格金澤 龍馬 さんRyouma Kanazawa経済学部卒(2017年3月) / 兵庫県 滝川高校 出身

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合格おめでとうございます。大学院ではどのような研究に取り組まれるご予定ですか?

ありがとうございます。分野は国際協力で、神戸大学大学院国際協力研究科と広島大学大学院国際協力研究科を受験し、いずれも合格しましたので第一志望の神戸大学に進学します。
国際協力に関心を持つきっかけになったのは、2年生の春休みに参加したベトナムでのフィールド・スタディでした。現地で1週間、高校の日本語科で日本語教師のボランティアを務めたほか、孤児院を訪問するなどの体験を通して、日本だけではなく世界の「幸せ」につながる仕事に携わりたいと感じてのことです。その方法として、経済学部に所属していることもあり、開発途上国の貧困や格差解消の施策に焦点をあてた開発経済学を学修して、将来国際協力の分野での活躍をめざそうと考えました。ベトナムでの体験をより深めるため、翌年にはカンボジアに留学しました。

大学入学当初から留学に興味があったのですか?

いいえ。入学当初はまったくありませんでした。転機は1年生の終わりに参加したマレーシアのフィールド・スタディでした。マレーシアの大学生と国際交流を図るプログラムでしたが、現地の学生たちは日本からわざわざ来てくれたということで非常に歓迎してくれました。それにもかかわらず英語が話せずに何もできなかったのが悔しくて、英語を勉強していれば現地の学生たちとコミュニケーションが図れたのに、と思うとスイッチが入りました。帰国後はさっそく英語の勉強を開始し、すぐに韓国へのフィールド・スタディに参加しました。短期間でしたが、英語を勉強して臨んだことで簡単なコミュニケーションはできるようになりました。
1年生の締めくくりにそのような体験をしたことで、2年生からの大学生活は英語学修が中心になりました。授業だけではなく、どれだけ自分で学修するかが重要だと思ったからです。僕がとった方法としては、大学の国際部にアドバイスを仰ぐことと、留学生とコミュニケーションを積極的に図ったことです。国際部には英語が堪能な職員の方がおられますので、勉強してわからないことがあれば頻繁に質問に行きました。勉強は英会話とTOEIC®対策の2本立てで進め、テキスト選びについても国際部の方の助言を受けました。
英会話にチャレンジしたいときは留学生が集まるスペースに顔を出して、自分から英語で話しかけていきました。学内に留学生との交流ができる環境があったことは恵まれていましたね。
そのような準備を経て、2年生の夏から4カ月間、アメリカのカリフォルニア州にあるマセッドカレッジに留学しました。

そのようにしっかりと準備して臨んだアメリカ留学だと思いますが、授業にはついていけましたか?

渡米後1カ月半くらいすると環境にも慣れ、生活が落ち着いてきた頃から授業についていけるようになりました。授業内容を理解している実感が出てきたし、勉強がすごく楽しく感じられました。カレッジでの授業は午前中まで。午後からの自由時間は、カレッジ内にあるインターナショナルクラブという交流の場で現地の学生や留学生と一緒に過ごして会話力を磨いていました。たとえば皆でトランプをするとき、ルール説明を聞いたりプレイをしたりするだけでも生きた英語に触れられます。また、住まいはホームステイで、ホストファミリーはあまり構うことなく自由にさせてくれる方々でしたので、帰宅後は授業の予習復習に集中できました。
TOEIC®スコアは、初の海外体験だったマレーシアのフィールド・スタディ参加前はわずか220。アメリカ留学前は420、帰国後は610にアップしていました。アメリカ留学後に600台の取得をめざしていたので、よい結果になりました。
ただ、留学から帰ってくると日本語での生活に戻り、英語に接する機会が極端に減ってしまいました。帰国後にどう学び続けるかが大切なポイントだと考え、「GCP(グローバルキャリアプログラム)特別演習」という授業に出席するようにしました。週1回くらいの割合で英語での授業を受講しましたが、授業中に行うディスカッションもすべて英語。留学経験者が集まるクラスなのでレベルも高く、帰国後も英語力向上に励むことができましたね。

英語学修を本格的にスタートしてから短期間でそれだけの成果をあげられたのですね。

英語学習に関しては順調にきたと思います。しかしアメリカ留学を通じて、新たな課題に向き合うことになりました。英語をがむしゃらに学修してきましたが、その先のプランがなかったのです。当然ですが、アメリカでは誰もが英語を話します。要するに、海外に出ると英語が話せることはスキルでも能力でも何でもないことに気がついたのです。このまま英語だけ学んでいても将来につながらないと危機感を持っていたら、国際部の方から「金澤君、ベトナムへ行ってみないか」とお声をかけていただきました。英語プラスアルファの目標をつかむきっかけになればと思いフィールド・スタディに参加し、結果、お話ししたように、国際協力の分野に進むという目標を見いだすことができたのです。
そして、3年生の夏から半年間、カンボジア国立経営大学へ留学することに決めました。交換留学なので正課の授業を受講しました。授業も先生や学生とのコミュニケーションもすべて英語。日本人は僕しかいない環境でした。印象に残ったのはカンボジアの時事問題を取り上げた授業ですね。毎週、現地の新聞からトピックスをピックアップするのですが、日本ではまず報道されることのないカンボジアの諸問題を知る契機になりました。特に関心を持ったのが教育問題でした。たとえば教師が生徒に金銭を要求したり、勝手に授業を有料にしたりなど、カンボジアの教育現場には教師のモラルも含めたさまざまな問題があり、それが教育水準の向上を阻んでいます。国際協力には多種多様な形がありますが、僕は開発途上国の教育問題をテーマに取り組もうと考えました。そのためには、専門知識を身につけなければ何もできません。そこで国際協力について学べる大学院に進学することに決めました。
ちなみにTOEIC®スコアはカンボジア出発前が710、帰国後は880にまでのびていきました。

大学院入試の対策はどのように進めましたか?

学内Wスクールである「Sコース(特修講座)」で大学院入試対策の授業を受講しました。Sコースではミクロ経済学、マクロ経済学の復習や研究計画書の書き方とともに、面接対策もしていただきました。面接では研究計画書についての質問が中心になるため専門用語を理解しておくことと、その周辺領域の知識も身につけておくよう指導していただきました。
大学院入試の中身は、神戸大学は開発経済学に関する専門科目の筆記試験と面接。面接ではSコースで学んだ通り、事前に提出していた研究計画書についてのやり取りが主でした。英語はTOEIC®が規定のスコアを超えていたので免除されました。
大学院修了後は、いったん教育問題を扱うコンサルタントなどで実務経験を積み、いずれはユニセフ、ユネスコといった国際機関で働くことが目標です。

受験生の皆さんへのメッセージ

僕が大阪経済法科大学を選んだのはオープンキャンパスの印象が良かったということくらいで、夢があって入学したわけではありませんでした。しかし、僕のように最初は夢がなくても、さまざまなプログラムを通じて夢を見つけられると思うし、その夢を実現するためのサポートも充実しています。また、僕がとてもお世話になった国際部もそうですが、教職員と学生の距離が近く、フレンドリーに接してくれる学風も経法大ならではだと思います。
高校生の皆さんも、ぜひ自分のやりたいこと、めざしたい将来を見つけてほしいですね。

※掲載内容は取材当時のものです。

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